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なんで今まで思いつかなかったんだろう。

越路吹雪のベスト盤を買った。
岩谷時子の名作詞とエピソードは有名なだけあって、珠玉の数々。
語るように謳う越路吹雪も素敵。
なんていうか、男とか女とか超えてるような気もするし、でも節立った影には思い切り女らしさが横たわってたりして、まるで女優のような。

私にとって越路吹雪は、昔住んでた家のタンスの上に母がそれは大事に飾ってたLP盤、というイメージしかなかった。
今でも憶えてるけど、渋い紫色の地をバックに彼女が謳い上げる姿が浮き出た“愛の賛歌”だった。
ジャケットの字体までよく憶えている。
今頃どこにあるんだろう、そういえば訊いたことないけど。
確か私が生まれる二年くらい前に母は、高いチケットをやっと手に入れて父と聴きに行ったと言ってた。
そして私が生まれて間もない頃、越路吹雪は死んでしまった。
ひととおり聴いてみると、母が今でもたまに口ずさむのは“愛の賛歌”だった。
私たちの世代が親の影響でビートルズを聴いたりするように、私は越路吹雪を聴く。

心とかす恋、ね。。。