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塚口【奄美富士】★★★☆☆   大阪梅田から阪急神戸線でおよそ15分、塚口駅を降りてからは徒歩5分ほどのところにある、ちゃんこ鍋専門店。相撲よろしく「本場所中」と書かれた木札が脇に下がる暖簾をくぐって2度目の今日、「魔法のレストラン」の丸いシールが店頭に貼ってあることに気付いた。ほー、水野真紀のお目に適ったか。かどうかはわからんけども、何よりも、いつも満席ということがその人気の高さを裏付ける。事前予約なしでは、なかなか席の確保が難しいそうな◆元高砂部屋力士の奄美富士さんがオープンした店。はじめは隣駅の武庫之荘に店を構えていたが、今の場所に移転すると同時にかなり拡張させた◆メニュー、ちゃんこ、以上。っていうくらいシンプル。席に着くと、予約の時に選んでおいた、醤油か味噌いずれかのダシに火がかけられる。今日は味噌味。写真の量で「一人前」。…無理ですから。男性を含めて3人でつついても必死ですから。お相撲さんてすごいですね。一緒に行ったのは、日頃お世話になっている人。本当によくしてくれる人たちと囲むお鍋というのは、もうそれだけで至福なのだけども、旨いなら言う事なし。店員さんが鶏ミンチを沈めてふたをした鍋を前に、全員しばし白ゴマをする。鍋解禁直前の儀式だ。けれどもいざ幕が切って落とされると、最後の中華そばまで早い早い◆店内にはずっと、相撲甚句(すもうじんく)が流れている。力士独得の肥えた声で謡われるお囃子のようなもので、実際に、部屋の行事などでは下っ端の力士が謡うんだそうだ。どんなに風流な唄かと思いきや、時事に実に敏感。携帯電話はどのメーカーがよいかとか、二子山部屋の騒動は憲子夫人が問題だ(!)なんてものまで。そしてどれも、「どすこい~どすこいッ」の一声で丸く収められる◆美味しいのは、仲間と囲むお鍋だからか、はたまたダシがいいからか。どっちもかな。★が3つの理由は、どーんと出てきた野菜の下に、はじめはうどんが忍ばせてあったから。ちゃんこにはうどんじゃアカンのです。はじめから中華そばであるべきなのです。それほどちゃんこには中華そばが合う。そういうしょうもない理由です。注:飲み干したいほどスープは美味です [ちゃんこ奄美富士 尼崎市塚口町3-38-59/TEL 06-6424-1322/16:30-23:00 水曜休/奄美鍋 1人前 5,000円]