カジュラホはのどかな田舎町。
いたって平和。
ああ、ここでだらだらと暮らしてもいい。
牧歌的な風景の中に自分の身を重ねる。
ああ、もうこのままここで穏やかに過ごしたい、という気分になってくる。
とはいえ、ここに空港があるのはなんといっても
世界遺産があるから!
ホテルにチェックインした途端にスタッフPが
これから東の寺にいって、明日は朝から他の寺を観に行きましょう。
オートリキシャ2日間で500ルピーです。
と言って来た。
まー少なくとも寺を全部見るには歩いて回れなさそうだし、二日で500ルピーならたとえぼられていてもそんなに惜しくない金額。
この旅の裏テーマ、
大人なら黙って金払おう
女王気分を味わおう
に即して、ディスカウントせず即決。
まー、これが後から不機嫌の種になってしまったんだけどね。
いや、オートリキシャ500ルピーは全く後悔してない。
リキシャのドライバーも好青年だったし!!(笑)
ただねー、とにかくねー・・・
どこに行くにもこのPがついてくるのよ・・・・。
もうイライラするほどに。
とりあえず、この日は東の寺群を観に行く。
カジュラホは町のど真ん中にある西の寺群が有名だし、一番観光客が来るらしいんだけど、私は全部回ってみて、この東側が一番良かった。
群というほど寺院もないし、寺院といってもホントに崩されちゃって、ぽつんと残ってるだけなんだけど。
野原の中に牛がいて、そこに寺がある、という感じ。
カジュラホの牛はデリーやバラナシの牛と違ってちゃんと牛飼いがそばにいる。のらじゃないっていうのかしら・・・。
そのせいなのか、なんだかつやつやと毛並みもいいし、いきがいい感じ(爆)
ま、食べれないけどさ。
サンセットまでここにいて、その後、娘はホテルに戻り、私はアーユルヴェーダセンターに行った。
玄関先でドクターがぼーっと座ってチャイを飲んでいる。
おかえり、寺に行って来たのかい?
そうです、いいですね、カジュラホ。とてもピースフルで気持ちがいいです。
ドクターは私の分のチャイとビスケット、そして蚊取り線香代わりのお香を持って来た。
そしてずーっとお互い何も話すことなく、黙って町を眺めて過ごした。
こういう時間の過ごし方が日々出来る暮らしをしたいんだよなぁ・・・・
と思いつつ・・・
なんだか次の行動に移りたがる自分がいる。
ドクター、セラピーは何時からですか?
うーん・・夜は本当は向いてないんだけども、もう寝る前に行った方がいい
今からやると中途半端だ
ま、ゆっくりチャイを飲んで、その後ちょっと休んでからでちょうどいいよ
昼の食事がまだお腹に残っていて、夕飯は遠慮した。
それは娘も同様。
暗くなるまでドクターとただチャイを飲んで過ごした。
何もしなかったあの時間がこの旅で最も貴重な時だったかのように、今でも思い出す。