スーパーペアガラスの破壊力 | オーガニックスタジオ新潟社長の奮闘記 │ おーがにっくな家ブログ

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「オーガニックスタジオ新潟」社長のブログ。かっこいいエコハウスを提供するために日夜奮闘中。役立つ「家づくりの知識」は、オーガニックスタジオ新潟のHPにて更新。このブログでは個人的な関心ごとと「工務店経営」についてがテーマ

スーパーペアガラスの破壊力

パッシブ・ウィンドウ・ジャパンの発足発表会で紹介のあった、
シンガポールのセーフティーガラス社の、「スーパーペアガラス」
いよいよ建物に日本初で実装されるのが現実的になった。
オガスタ物件名は「信濃町の家」になる。

PWJの橘さんと西方設計が中心に検討を進め、樹脂サッシメーカーの栗原のKウィンドウが組み込み製品化させる。

スーパーペアガラスの実際の性能が判明し、他の日本に流通するガラスと比較してみた。 資料は栗原の佐竹専務から頂いた。



佐竹さんはYKKAPを長らく務めていて極めて技術的にも詳しい紳士だ。

新住協の鎌田教授のお考えでは、南側のマドは多少断熱性を犠牲にしてでも日射取得が良いものが良いという考えで、事実QPEXの計算では暖房負荷が最小になる、日本板ガラス社製のマルチペアEA(NSG EA 表の一番上)日射取得0.74のU値1.50を推奨している。
例のスーパーペアガラスは(SSG SP)同じく0.71 U=1.05ということに落ち着いた。
太陽熱がほぼ同等に入るのに、保温性がトリプルガラス並みに良い。
それにより、ハニカムサーモブラインドのような補助パーツが無くても、新潟という日射量の少ない地域でも、出ていく熱よりも入ってくる熱の方が多い唯一のガラスだ。




夜になり断熱ブラインドを落とすので熱収支が大きく優る。
マルチペアEAでは補助パーツなしでは損失の方が大きくなるし、表面温度が低くなる。

太平洋側の場合、例えば東京においては、日射量が新潟に比べて約2倍になる。
このガラスを使うともはや「マドが暖房器具」になる。
強烈な破壊力があると私は感じていた。

詳しい人は自身のエリアの日射取得情報を気象庁のサイトからひっぱって検討すると分かってくるだろう。

西方設計との世間話

さがみ
「このガラスを使って南面を極大にすれば、付加断熱無しのQ=1.3でもパッシブハウスの認証取れますね。」

西方氏
「楽々だよ。Q=1.5でもひょっとしたらいけるんじゃないの?」

この世間話を栗原の佐竹様にお話しした。

佐竹氏
「もはや冬の暖房エネルギー削減というレベルの話ではなくなりますね。温暖化の流れで暖房負荷と冷房負荷が拮抗してきている。このガラスは性能が良すぎるので注意が必要になります。パッシブな設計で、外部の遮蔽を考えないとなりませんね。」

なるほど。もはや次の次元へと家づくりが変わるほどのインパクトだ。
外付けブラインド・アウターシェードなどの組み合わせをセットで考えたくなるわけですね。

ということで、真っ先にスーパーペアガラスを製品化するのは、栗原のKウィンドウとなるわけだ。