私らの 高性能住宅の勉強会 「NPO新住協」では、 QPEXという 簡単に Q値(熱損失係数)を計算してくれるソフトを開発し、配布しております。
それを使うと、温度設定を何度にすれば、年間でどれくらいのエネルギーを暖房に使うことになるのか瞬時に試算します。
そこで気になることを計算してみました。
サンプルとした設計としては、直近の「赤塚の家」です。
(床面積33坪です。)
あの家は、窓が方位性がよくメリハリがよいのでQ=1.69という好成績です。
同じ設計を Q=値を Q=2.7という 次世代省エネⅣ地域基準にして、
両者がどのくらい 暖房エネルギーの違いがでるか比べてみました。
*年間暖房エネルギー 灯油換算
全館24時間同じ温度で維持した場合:
オガスタ(Q=1.69) 次世代省エネ(Q=2.7)
温度 14 261L 650L
16 389L 899L
18 542L 1187L
20 718L 1514L
22 919L 1879L
ざっとこんなもんです。
ここで分かること
① 次世代比で 約半減していることがお分かりいただけるでしょう。
② 温度設定を1度下げると1割ていど 暖房エネルギーが減る。
③ 次世代省エネ基準程度の家では、33坪の家で全館暖房するとなると、
灯油宅配価格 80円として、12万円もかかってしまう。
大事なのは③ですね。
だから 断熱していない家。 すなわち非気密住宅や次世代すれすれの家は、
局所暖房で暮らします。
暖房空間と 非暖房空間の温度差が一定以上になると、
暖房していない部屋の結露がひどくなるし、「すきま風」で足元が不快で快適ではないということになります。
さて 2/13日のことですが 「赤塚の家」へ PM3:30に遊びに行きました。
朝に ストーブをひと焚きしたが、その日は太陽が昼から出てきて、
部屋に陽が差すと、室温が上がってきたので暖房をしなかった。そうです。
私は、最新の表面温度計を持参したので、温度を測る。
その15:30の床表面温度、25度! 天井温度22度。
ちなみに その日の最低温度-1度 最高1度です。
信じられないかと思いますが、本当の話。
こっちが焦りましたよ。 あまりに理論どおりになって。
これは 新潟の4倍も日射条件のよい関東では Q=1.7クラスの家をつくり、
パッシブな設計にしておけば、(日当たりのよい建築地であれば)
日中にはほとんど暖房しなくてよいことを意味します。
バラマキ エコポイントではなく、 より一層の断熱性能を義務化したほうが
何倍もC02削減になることが 分かります。
おまけに 投入税金ゼロ。 政策としてなんでやらないんだろう。 楽勝なのに。