(12月18日よりのつづき)
大手ハウスメーカーは、こうしたおまけの表層的・付加価値を「期間限定仕様」とか「キャンペーン商品」などと称して、「坪単価」というブラックボックスの価格体系の中に紛れ込ませ、どんどんと価値と価格との比較を困難にさせようとしていきます。
大手ハウスメーカーがよく用いているおまけ競争の代表格は、
太陽光発電
「今ならプラス●●万円で3kwの太陽光発電がつけられます。」
外壁タイル
「決算キャンペーンにより、無料グレードアップ。」
もちろん、ブラックボックスである限り、この何百万円というコストは、どこかに内在しているわけです。「標準坪単価」の中でどんぶり勘定にされてしまうと、どこに何の個外なのか分からないから、予算の振り分けができないわけで、コスト調整ができないからバランスのとれたよい計画ができるはずもない。
「ただ外壁だけがタイルであるだけの魅力のない箱」のような住宅もまれに見受けますが、「つけてくれて得になったw」という能天気さが透けて見えて、賢さをそこに感じることはありません。
他にも、「坪いくら」という悪しき価値観は、良質な住宅の普及を妨げます。
「坪いくら」で基準となる大きさとは、延べ床面積なのか?
いえいえ たいがいのメーカーは、「販売施工面積」というハウスメーカーしか通用しない、建築基準法にも出てこないわけの分からない面積概念で、ボーチ・バルコニーという外の空間や、床のない吹き抜けも面積に入れて、見せかけの坪単価を下げようとします。
つまりは、面積の基準すら不明確ということなのに「坪いくら」は一人歩きする。
さらに、坪単価x販売面積で住めるかというともちろんNOであって、消費税・設計・申請費・付帯工事がすっぽり抜けているわけです。
昨今の情報化社会で、そんなのは調べればすぐ分かることですが、
ついつい踊らされている初心者がどうやら多い模様です。
業界を健全なものにしていない「坪いくら」の概念。
「坪いくら」をマネーゲームの材料にしている住宅屋とお付き合いすると、
あなたの頭の中もチープに洗脳されます。