本題に入る前に先日ロシア記事を取り上げましたが、その翌日にロシアで自爆テロが起きました。
おそらく大統領、首相のバカンス中を狙ったテロだと思います。
本当はこちらを記事にしようと思いましたが、気になるニュースがついに国内で報道されたのでこちらを優先したいと思います。
テロによってお亡くなりになられた方のご冥福をお祈り申し上げます。


実は今日の昼の番組であることが取り上げられました。
AFPでこの記事ないのかなと思っていたら実は19日に少し取り上げられていました。


それは、地溝油です。

地面の溝からとられた油。
そう下水からくみ上げられ、ろ過し、再生油として作られたのがこの地溝油だ。
場所は中国。

私がこの地溝油のことを知ったのは、今から4年ほど前で何かのビジネス雑誌で取り上げられていた。
皆さんも中華料理は人生に一度は食べたことがあるでしょうし、現在では家庭においても週に一度は何かの品目で取ることがあるのではないだろうか。
中国では当然、毎日が中華料理なわけで、年間の食用油の消費量は世界一である。
この油を大量に使用する国民性、この土壌が中国国内に新たなビジネスをもたらしたのである。

3月17日に中国全国紙の「 中国青年報 」においてある教授が取り上げている。
最初は工業油として作るものが多かったのだが、いつの間にか再生食料油として流通するようになっていたとのことだ。
教授が調べた内容がこれだ。

・中国では年間に200~300万トンの「再生食用油」が使われている。

・中国人が調理に使用する動植物油の消費総量は年間で約2250万トンであるから、「再生食用油」の使用量はほぼ10%に相当する。従い、レストランなどで外食を10回すれば、そのうちの1回は「再生食用油」を使った料理に当たる勘定になる。

・医学的研究によれば、「再生食用油」に含まれる最も危険な成分は発がん性物質のアフラトキシンであり、その毒性はヒ素の100倍にも及ぶ。

この地溝油の年間総利益は15~20億元(約200~270億円)といわれており、いわゆる市場としてすでに確立され、成立していることが数字を見て分かる。
回収業者は続々と増えており、スコップにバケツ、懐中電灯を手に下水に入っていくのだと言う。
その収入は、毎月1万元(13万5千円)と言われており、下手なホワイトカラーよりも羽振りが良いのである。

この報道は中国国内のおいて論争を巻き起こした。
そして、ここからがさらに中国の怖いところである。
3月19日にこの教授は記者会見を行い、このように発言している。

・自分が全国の地溝油の状況を調査したという事実はない。

・全国で300万トンもの再生食用油が使われていると述べたことはない。

・ 地溝油から作られた再生食用油は不健康なものであるが、人々が毎日レストランで再生食用油を使った食事を摂ることはあり得ないので、そこに含まれるアフラトキシンがヒ素の100倍の毒性を持つという表現は誇大である。

発言が180°変っている。
これは、同教授の発言が国内に混乱を起こさせたとのことで、国家食品薬品監督局が主導した会見らしい。

国家が否定しているのだから、普通は後者を信じるのが普通だと思う。
だが、普通ではないのが中国だ。

皆さんはこのようなことを聞いたことがあるでしょうか?

マイオイル族

2007年頃から広東省に出現した外食の際に自らのオイルを持参する人物のことだ。
広東省と言えば、マカオ、香港だ。
今では、このマイオイル族が上海にまで出現し、富裕層の間で激増しているらしい。
これが意味するところは何か。
客観的に見て、中国の富裕層は外食の際に使われる油を信用していないことが分かる。

私も以前香港の支店の同期に聞いたことがあるが、これは本当らしい。
ただし、日本人がマイオイルを出すのはかなり厳しいとのことで、結果食べられる(信用できる店)ところが限られてくるのだと言う。
また、基本的に弁当持参だと言う。

これも以前上海のとある外資系ホテルの日本人マネージャーに実際に聞いたことだが、あまり大衆食堂や屋台で食べないほうがいいと聞いた。
特に川魚である。
それだけ汚染されているのである。

なぜ、香港や上海の富裕層が4倍や5倍もする日本産の野菜を買うのかが理解できる。

どんなに文化が違えども、食に対する安全性を求める気持ちは世界共通なのである。

それにしても、なぜこのような悪しき産業が生まれたのか。
そのことについては書かれていないが、だいたいのことは予想が付く。

2006年頃から火がついたことを考えると、ちょうどその後の食料危機につながる。
あの頃は私自身とうもろこしなどの先物取引を良くやっていた頃で、値が高騰を見せていた頃だ。
当然食用油の価格も上がっているので、中国内の外食産業(屋台、食堂など)が倫理観を捨てて、そのような油でも扱いだすのも予想がつく。

日本人の業者が食品偽装する時代である。

起きて当然の結果と言っていいだろう。

そして、時が経ってその問題が表面化してくる。

なぜすぐに現れないのか。
それがこの問題の恐ろしい部分でもある。

それは何かというと、今回のような地溝油に含まれる毒性のもの、いわゆる環境ホルモン(ダイオキシンなど)は体内に蓄積され、排出されにくいということである。
そして、一番の問題は奇形児出産が高まることだ。

中国では以前から貧困層や家畜においても奇形児が生まれ、問題となっている。

このようなことがなぜ起こるのか。
女性の方ならたいがいデトックスはご存知だと思うが、女性の人生で最もデトックス効果が現れるのは何を隠そう妊娠、出産である。

だからこそ、日々取る食事が大切なのである。
香港や上海の富裕層は良く分かっている。

私は今から10年ほど前から投資の勉強を始めましたが、その間「 行動心理学 」というのを何度か本で読みました。
負ける人のパターンはいつも一緒です。
そして思ったのは、今何が起きているのか、政治でも、経済でも、人からの忠告とかなんでも、この行動心理学に当てはめて考えてみると自ずと真実が見えてくるのである。
たとえば、政治ではこの間の郵貯銀行の上限引き上げだ。
ほとんどの人がペイオフ感覚で「 良かった 」と思っているのではないだろうか、その裏に隠された真実を知らずに。

また、人からの忠告や誉め言葉もそうだ。
「 おいおい、今思えばあの時のあの人の言葉、皮肉じゃないのか」とか思ったことありませんか。
私はあります。
サラリーマンの時ですが。

それが分からないままか、後で分かるのか、すぐに見抜けるのかは人それぞれですが、訓練次第でどうにでもなります。
ましてそれが命や子供に関わることなら、なおさら身に着けたほうが良いでしょう。

これは豆知識ですが、この地溝油汚染がひどいのは武漢近辺です。
その他、香港や上海のような有名な場所だとしても食堂や屋台で食べる時は環境ホルモン蓄積のロシアンルーレットをやっているのだということを自覚したほうがいい。
また、天津や上海の魚料理も厳禁です。

私は中国へは香港、上海、マカオ、海南島へ行ったことがありますが、全てホテルはヒルトンか大手外資系です。
中国政府がこの問題を解決しようと動き出さない限りは、変らないでしょう。
皆さんも格安ツアーというのを旅行代理店で目にすると思いますが、安いのにはそれなりにわけがあるんです。
ただより高いものはないと言いますが、中国に関して言えば、ただより高い代償を払うものはないというのが今の中国だと思います。




摘発される製造工場
$不労所得(インカムゲイン)で快適老後生活を目指す旅人の日記

この本は毒餃子事件の前に出版された本ですが、起こるべくして起こった事件であり、そして現在も進行形であることが理解できる。
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