昨日、ラジオでアルピニストの野口健さんの話を聞き、
富士山の世界文化遺産登録に関する危惧事項を知り、
とても考えさせられました
要点としては、
・世界遺産登録は、あくまでも「条件付き」だということ。
・通常、登録6年後に入るユネスコのチェックが、富士山では異例の3年後とされていること。
・富士山の保全状況報告書を3年後までに提出すること。
・山中湖や河口湖に目立つモーターボートの問題への対応。
・入山規制や入山料制度、トイレやゴミの問題、登山者の安全面への対策。
締めくくりとして、このように仰っていました。
「これらの問題に何ら対策を取らないまま3年が経過した場合、3年後の大きなニュースは、富士山『世界危機遺産』となるでしょう。」
そもそも、富士山を世界遺産にする目的って何だったのだろうと思います
世界遺産に登録されなくても
毎年多くの登山客で賑わっていた富士山
登録は大変喜ばしいことですが、
何となく、
世界文化遺産となることで、
『更なる観光客誘致を目指そう』という点にのみ
焦点が合っているように感じます
日本で最も格の高い霊山でありながら、
富士山信仰の薄い、または持たない登山者が増えることは、
信仰を軽視し、信仰の場を汚す結果を招くということに、
登録に奔走した担当の方々が気付いていらっしゃるといいのですが。。。
私は宗教家としての立場ですから、
信仰の場であることを主張して登録が叶ったのであれば、
『富士山への観光登山者には入山料1万円を徴収し、
信仰に基づく行としての登拝を行う者には入山料を課さない』
等の対策があってもいいと思います
信仰文化を護るとは、そういうことです。
今年は7月25日から8月3日まで任意で支払う千円の入山料だそうですが、
なぜ任意なのか?僅かな徴収額で何の足しになるのか?
疑問だらけです
日本を代表する霊峰富士山の環境と、富士山を取り巻く信仰文化を保護する意思の感じられない
富士山の世界文化遺産登録
ほんの軽い気持ちで世界遺産になった富士山に登ってみようかという人も増えている今。
あなたはこの問題をどう考えますか
神主「N」