その322 | 大鐘 稔彦のブログ

その322

☆俳優の児玉清氏が亡くなった。享年75歳、まだまだ生きて活躍してほしい人だった。

 並みの俳優ではない、その風貌が示すごとく、深いインテリジェンスの持ち主で、大変な読書家だった由。叶うべくもないが、彼と読書談議したらどんなに話が弾むだろうかと思った。

 先ごろ読んで感動し、うちの看護師も含め、これはと思う人たちに喧伝し回った本に「永遠のゼロ」がある。これの推薦文を児玉清氏が書いていた。一文一文頷けた。氏の読後感は、そっくりそのまま私のそれであった。本当に惜しい人物を亡くした。ご冥福を祈るばかりである。

80歳になる曽野綾子氏が「老いの才覚」なるエッセーを著しベストセラーになっている。

 もうだいぶ前にこの人の書いた「誰のために愛するか?」もベストセラーになった。私はそのあるエピソードを講演などでよく引用させてもらった。あれから半世紀近くたったであろうが、曽野さんのスタンスは一向に変わらない。人間を見る目が全然ぶれていない。クリスチャンだが、信仰を押しつけることもなく、その語り口はケレンミガなく爽やかである。

 40歳そこそこで失明寸前まで追い込まれたが、失明後の生きる道を考えて、本気で按摩さんになる計画を建てたというから面白い。この人の本を読んでいると元気になるからお勧めだ。

☆最近朗報を得た。この欄でお騒がせした堤真一、夏川結衣両氏に関する問題に決着がついた。

 どうにもおさまりがつかないと訴える私に、東映のプロジューサーの天野さんが、それならお二人宛て手紙を書いて下さい、私が責任を持ってお渡ししますから、と言ってくれた。その言葉を信じ、澱のように淀んでいた胸の内を二人にさらけ出した。

 待つまでもなく、両人から自筆の手紙が届いた。夏川さんのそれは便せん一枚に、堤氏のそれは4枚にわたって,誠実な謝罪文がしたためられていた。

 両人への悪感情を一年も持ち続け、悶々としていたことが悔やまれた。いつの日か再会し、笑い話にできたらと願った。

☆とまれ、読者の皆様にはいらぬご心配をおかけしました。共感、共鳴、あるいは忠言をお寄せくださった各位に、改めてお礼を申し上げます。堤、夏川ファンには、心証をいたく害してしまったことをお詫びしなければなりません。これまた改めて、両人の末長いファンであってくださるようお願いいたします。