淡路島の診療所からお送りいたします。
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2016-05-26 15:59:22

その479

テーマ:診療所便り

☆まだ5月だというのに30度を超す夏日が全国のあちこちで観測された。夏は海と結びつき、私の好きな季節だが、異常気象は何かしらの天災の訪れを予感させて薄気味悪い。

 と思っていた矢先に熊本大地震が発生した。年来の知人クドリック・なほ子さんも被害に見舞われた。国際結婚をしてオーストラリアに住んでおられたが、母上の介護、一粒種の娘さんの受験に備えて帰国しておられた。熊本城をまじかに見るマンションの10階に住んでおられた。ものすごい揺れで家具類が床に散ったが、幸いマンションは無事だった由、当日電話がなんとか通じて確認し、安堵した。

 2年前になるか、フェリーで徳島から大分へ行き、車を駆って熊本まで飛ばし、それこそ熊本城を仰ぎ見るレストランでご夫妻と娘さんと初めて顔を合わせた。雄姿に目を奪われたその熊本城まで崩れ落ちた。

 「天災は忘れたころに来る」と、物理学者でエッセーもよくした寺田虎彦は喝破した。今この至言をかみしめている。

☆アキレス腱を切ってちょうど半年たった。ギプスと装具に縛られた3カ月は生き地獄であったが、これらから解放されても後遺症に悩まされた。当該肢の腫れのために性ストッキングを着用、女性のパンストさながらだから妙な気分だ。松葉杖が外れて歩行ができるようになっても、自然にびっこになる。そのうち患測の骨盤まで歪んできた感じになった。バランスボールを使って必死に自主トレに励み、1週間ほど前からようやくびっこを引かずに歩けるようになった。アキレス腱は健側の2倍くらいの太さになっている。

 老獪な曲者ぶりで根強い人気を誇ってきた大相撲の安美錦が、この夏場所の前半の相撲でアキレス腱を切った。そのしぶとさで幕内上位に君臨してきたが、おそらく2場所は休む事になり、幕下まで陥落しそうだ。36歳、そろそろ引退もささやかれているが、本人はまだまだやる気でいる。その根性やよし。それにしても、「あー!アキレス腱!」

☆4年がかりで書き上げた長編「マックスとアドルフ―その拳は誰がために」の上梓が終わって2カ月、昔埼玉で責を担った病院で広報を担当してくれていたM君から数年ぶりの長い手紙が届いた。オーナーと彼に結託した部下の陰謀で、5年間手塩にかけた病院を追われた私に最後までついてきてくれ、進退を共にしてくれた男だ。「その5年間が、後にも先にも私の一番幸せな歳月でした」と、相別れてから書いてくれた。今度の手紙には、「先生は淡路島にいかれて正解でしたね。手術や煩わしい人間関係から解放されて、ゆったりとした環境で、執筆に時間もとれ、充実した日々を送れているのではないでしょうか」と書いてくれていた。「今度の大作、まじめに読んだ証拠として、気が付いた誤植を表示してみました」と、便せん2枚にまとめた一覧表が添えられていた。「次の作品を手掛けられた暁には、校正のお手伝いをさせてもらえれば嬉しいです」とも。

 次の作品は、「孤高のメス」の第12巻、「死の淵よりの声」で、今日、ゲラが編集担当のKさんから届いた。8月上旬に上梓の予定である旨返礼を兼ねてM君に書き送った。彼の好意に甘んじようと思いながら。

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2016-05-02 18:03:52

その478

テーマ:診療所便り

☆五月に入った。五月晴れ、眩しいほどだ。アキレスけんを断裂して5カ月余、まだ完治には至っていない。びっこをひきひき歩いていたせいで、右側の骨盤にも違和感を覚えるようになった。爪先立ちも左側のようにはすんなりといかない。妙な力が入ってしまい、ふ

くらはぎの筋肉がつりそうになる。

 それでも先週の日曜日には、市の卓球大会に出てシングル、ダブルスで何とか一勝ずつ挙げられた。

☆四日後の木曜日には久々に京都へ出かけた。ここ晴海が丘に別荘を持つ風間さんが植物園に近いビルを借り切ってレストランを開いた、そのお披露目の宴に呼ばれたのだ。パートナーと友人の渡辺医師と三人でバス、電車、地下鉄を乗り継いで出かけた。北山駅、4番ゲートを出て歩いて5分の地にその店「風凛」はあった。パンフには、「和食と音楽が楽しめるレストラン」と謳ってある。そしてその和食は、「淡路島から自社便で生きたまま店まで直送した天然活魚」をメインにしたものだ、と。

☆このレストランの構想を風間さんから聞いたのはもうかれこれ二年前になるだろうか。その着想には感心したが、風間さんももう70代半ばに達しようとしており、新たな事業を今から始めるなど無茶だ、ま、計画倒れに終わるだろうと思っていた。私も担がれて病院造りを始め、苦節3年、実現の日を見たが、それまでには様々な手続きを求められ、様々な人が出入りし、その煩わしさに辟易して逃げ出したくなったが、何とかして理想の病院を建てましょうよ、、という有志の情熱に支えられて乗り切った。まだ40代の後半、若かったからできたのだろう。もし、いま、同じ仲間を得てはっぱをかけられたとしても、病院造りには踏み切れないだろう。

 その意味で、いまの私の年齢から新事業に着手し、試行錯誤、紆余曲折を経て見事形あるものを作り上げた風間さんには脱帽するほかない。

☆その情熱を支えたのは何か?もとより風間さんは新事業で一儲けしようなどという野心は持ち合わせない。とんとんでも長く続けばいいと思っておられるだろう。当地淡路島でも毎年のようにコンサートを開いてきておられるが、すべて自腹を切ってのことである。決して金が有り余っているわけではない、今回の新事業にもしかるべき筋から借金してのことと聞いている。それでもやりたい、やらずにおれないのは、ひとえに、音楽への並々ならぬ愛着ゆえであろう。

 どこの出版社も引き受けてくれず、最悪自費出版になってもいい、この稀有なる出来事、稀有なる人物を多くの人々に知ってもらいたい、との一念に駆られて長い物語を紡いできた私の執念に一脈相通じるものがある。

 当日、風間さんは、50人ほどの招待客の前で、こちらは足掛け4年がかりで上梓を見た私のその作品、片手では持ち切れぬ長編「マックスとアドルフ―その拳は誰がために」を紹介して下さった。

 淡路島産の魚は無論美味であった。そして、この日のために呼び集め、開店後は折に触れて併設のスタジオでピアノやバイオリンやエレキや歌を披露するであろう若き芸術家たちの音楽も楽しかった。

 65歳で自宅を改造して開業に踏み切った大学の同期生三浦君は、洛北高校で風間さんの一年後輩だ。幸い自宅が近くなので風間さんに声をかけてもらったところ、喜んで出てきてくれた。彼は5年前に奥さんをなくし、息子さんと暮らしている。歩いてこれる距離に朝、昼、夕、いつでも食事ができるところ、しかも大好きな音楽を聞かせてくれる店ができたことを知って喜んでくれた。

 彼は、君の家からあの素晴らしい夕日が見たい、と言っておととしだったか、当地を再び訪ねてくれた。最初は5年前、がんも末期の奥さんと息子さんともども来てくれたが、奥さんはそれから数か月後に亡くなった。しかし、一席設けたさる小料理屋のコース食を、奥さんはおいしい、おいしい、と言って全部きれいに平らげてくださったのだが。二度目は息子の嫁とその子供を伴ってきた。いつでも使ってくださいという風間さんのご好意に甘んじて別邸のゲストルームに泊まってもらった。

 三浦君は演奏会のチケットを二枚携えていて、会食が終わったところで私と連れに、じぶんも行くがいっしょにどう?と言ってくれた。ベートーベンのピアノソナタとなっている。翌日は神戸の三宮で映画を見る予定だったが、一晩考えて、急きょ予定を変更、彼の好意に甘んじることにした。イタリアのピアニスト、クリスチャン・レオッタの演奏は圧倒的な迫力に満ちていた。何人かがスタンディングオベイションをした。三浦君もその一人だった。

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2016-04-14 16:29:27

その477

テーマ:診療所便り

☆慌ただしく日が過ぎて4月もはや半ば、本コラムをだいぶサボっていたことに気付く。いつもまだかまだかとけしかけてくださる畏友のTさんからもなぜか催促がなかったので今日までの無沙汰になってしまった。この間何をしていたか振り返ってみると、3月下旬に手元に届いた足掛け4年越しの労作「マックスとアドルフ―その拳は誰が為に」を、メディアやこれはと思う方々に送る作業に追われていた。

 何せ1400ページ、それも上下段に亘っているから、腹をくくって読み出してくださった方もまだ読み切れないでおられるだろう。小著はほとんど読みこなして感想を送ってくれる、小中高大学を共にした京都在住の親友R君も、「あまりのボリュームに尻が引けて(ふつうは腰が引けてと言うが)ためらわれたが」と前置きしてから、「気を取り直して読みだしたら結構引き込まれた、これからの展開が楽しみ、毎日一章づつ読ませてもらう。途中で一度、最後まで読んでもう一度感想を送る」とメールをくれた。全部で67章あるから毎日読んでくれても2ケ月余かかる計算だ。途中のメールもまだ来ていない。ちなみに、ブログの更新をせかせてくださるTさんは、大変な読書家であるが、小著をなんと2週間に満たず読了してくださった。元世界史の高校教師だけあって、史実の誤りも23指摘されたのには恐縮した。

☆アキレス腱を切ってから5か月近くがたった。装具からも解放されて卓球の練習も始められているが、まだつま先立ちが十分できない。それでもこの月末の南あわじ市の卓球大会には出るつもりでいる。チームメートの足を引っ張りそうだが。

 明日は久々学会に出るため上京する。靴を普通にはけるようになったのはうれしい限りだ。

☆前立腺の腫瘍マーカーPSA を数日前4か月ぶりに計った。十分排尿し、気合を入れて採血に臨んだ。淡路医療センターから研修に来てくれていた若い女医さんに取ってもらった。結果は7.2、前回の10.6からさらに下がっている。正常域≪4.0以下≫には達してないが、まず癌の疑いはないと自己診断した。ご心配くださった方々に厚く御礼申し上げます。

☆上記の小著につき、5年来エッセーを月に一度書かせてもらっている産経新聞の担当記者がポイントを踏まえた紹介文を書いてくれたので紹介させてもらいます。






マックスとアドルフ





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