日本一周の旅43日目:大子温泉~いわき湯本温泉 | スパ☆太郎の日本一周!3000温泉の旅

日本一周の旅43日目:大子温泉~いわき湯本温泉

本日の温泉入浴数:9湯(トータル303湯)

本日の走行距離:112キロ(トータル4103キロ)

本日のルート:大子温泉~いわき湯本温泉(茨城県~福島県)


いつもは7時半~8時くらいに起床しているのだが、

昨日は、9時に目覚めた。

震度3の地震の振動で起きる最悪の目覚め。

チェックアウトの時間が12時までOKの宿だったので、

気がゆるんでいたようだ。

地震が起きなかったら、まだまだ寝ていたかもしれない。

くわばらくわばら。


【第1湯】は、月居温泉・滝見の湯 (地図)

袋田の滝の周囲に点在する温泉を奥久慈温泉郷というが、

そのうちのひとつが、月居温泉。

地区民が運営する素朴なログハウス風の建物。

白木荘という湯治宿も併設している。


滝見のゆ 


岩づくりの内湯と露天は10人ほどのサイズでこじんまり。

湯口からは透明な湯が投入されている。


だが、循環、塩素ありの湯で、内湯、露天ともに塩素臭が強い。

茨城県に入ってから必ず塩素が投入されているので、

悲しいことに、すっかり塩素になれてしまった・・・。


雰囲気がよい湯小屋と浴室だけにもったいない。


【第2湯】は、袋田温泉・思い出浪漫館 (地図)

袋田の滝から1.5キロの距離に位置する大型ホテル。

大正ロマンをモチーフにした洋風のデザインが特徴だ。

昭和8年に湯を掘削したのを契機に開業した老舗でもある。


実は、数年前に購入した「自遊人」という雑誌で、

源泉かけ流しであると紹介されていたので、訪問を楽しみしていた宿。


思い出浪漫館


が、オーバーフローなしの循環湯であった。

もちろん、塩素あり。

渓流沿いの内湯と露天風呂は、ロケーションがすばらしく、

広々としているので、環境は悪くないのだが・・・。

雑誌の情報も古くなってしまうので注意が必要だなあ。


なお、渓流沿いの露天風呂は清掃中で入れなかったが、

川に手が届きそうな位置にあるので、循環湯でも満足感は高いかもしれない。


【第3湯】は、湯岐温泉・和泉屋旅館 (地図)

いい加減に塩素と循環湯から逃れたい、ということで、

車を1時間ほど走らせて、福島県の山中の温泉へ。

湯岐温泉は、3軒の湯治宿が軒を連ねる小さな小さな温泉地。


もっとも手前にあるのが和泉屋旅館で、平日の昼間にもかかわらず、

多くの入浴客が訪れていた。

連泊しながら湯治に励む人も多いようだ。


和泉屋旅館


源泉は2つあり、それぞれ別の浴室に注がれる。

自噴泉である混浴の内湯に入浴したかったが、

女性が入浴していたので、遠慮して男女別の八幡の湯へ。

こちらは新しく掘削された湯。


浴室はもともと混浴だったようで、

湯船の真ん中に壁があり、湯船の中は男女でつながっている。

洗い場はひとつしかなく、スペースのほとんどが湯船。

5~6人のサイズ。


入浴客とあいさつを交わし、一緒に湯口を探すことに。

オーバーフローは激しいのに、湯口が見つからなかったからだ。

女湯側に湯口があるという結論に達した。

このような他愛のない会話をしながら、長時間浴をするのが

ここのスタイルのようだ。

源泉が39℃とぬるめなので、1時間近く浸かっている人も多いという。


さっぱりとした透明の単純温泉であるが、

硫黄臭がほんのりと漂い、体に泡が付着する個性的な湯。

一口に単純温泉といっても、いろいろな種類があるのだ。


結局、混浴の浴室には入れなかったが、

久しぶりの100%源泉かけ流しの湯に大満足♪


【第4湯】は、湯岐温泉・岩風呂 (地図)

和泉屋旅館から、さらに坂道を数百メートル上っていくと、

2軒の旅館がある。

そのうちの一軒が山形屋で、

その向かいには「岩風呂」という共同湯がある。

共同湯がある温泉街には上質の温泉が湧くというのが定理である。


湯小屋は無人だが、管理しているのが山形屋なので、

旅館の受付で料金300円を払って入浴。


入口はひとつしかない。

混浴である。

脱衣所も男女共同だ。

幸い誰も入浴していなかった。


岩風呂


湯船は5~6人ほどが入れるタイル張りのもので、

岩風呂という名前の通り、

自然の岩が浴槽内に突き出ているのが面白い。


岩風呂2


湯は無色透明のぬる湯。

和泉屋旅館の源泉と近いものがあるが、

硫黄臭と泡付きは岩風呂のほうが上。

共同湯の鄙びたムードに、上質のぬる湯・・・。

さっきまで塩素に苦しんでいたのがウソのようだ。


このまま長時間、湯浴みを楽しみたいところだったが、

お客が入ってきた。

湯治に来ている風の老夫婦。

年配の方なら女性でもいいか、と思っていたが、

入ってきたのは男性だけで、女性は脱衣所で待機しているようだ。

こうなると、こちらも落ち着かないので、そそくさと湯からあがる。

もう少しゆっくりと入りたかったなあ。


【第5湯】は、志保の湯温泉・志保の湯 (地図)

湯岐温泉から、さらに山中を突き進んだところにある一軒宿。

こちらも湯治宿の風情をもった、のんびりとした環境にある。


入浴を乞うと、女将さんが、

「今日は宿泊する人のチェックインが遅いからまだ湯をはっていない」と。

「あー、残念」と踵を返そうとすると、

「打たせ湯の源泉は入れますが、29℃しかないですけど」と続けた。

「それでもいいので入りたいです!」と言うと、

実際に触ってみて、よければ入ってくれとのこと。


志保の湯2


浴室に案内されると、2つ並んだ湯船のひとつは空。

もうひとつの湯船には天井近くから源泉が打たせ湯となって流れ落ちる。

手を源泉槽につっこむと・・・・冷たい!

「これは水だ」と思いながらも、

「大丈夫です!入ります!」と言っている自分がいた。

女将さんもあきれ気味だったが、通常より料金も割引にしてくれた。


志保の湯


水温計を見ると、29℃どころか25℃しかない。

サウナもないのに、水風呂に入る感じ。

かき氷をかきこんだときのようなキーンという感覚が脳を襲うが、

一度入ってしまうと、なんとか大丈夫。

注ぎ落ちる源泉がほんのりと温かいのも、気持ちが良い。


源泉は硫黄臭がほんのりと香り、甘い味のする湯。

加温湯だと、こんな鮮明に源泉の特徴を感じられなかったかもしれない。

これも不幸中の幸い、だと思おう。


「風邪をひかないようにね」と女将さんに心配されながら、

旅館を後にした。

ハックショーン。


【第6湯】は、いわき湯本温泉・上の湯 (地図)

志保の湯の後は、すぐに熱い湯に入りたい気分だったが、

2時間の移動を敢行。

福島県屈指の歓楽温泉街として賑わういわき湯本へ。

大型旅館から小さな旅館まで数十軒が軒を連ねる一大温泉街だ。


本日の宿は、いわき湯本に押さえていたので、

とりあえずチェックインして、湯めぐりを再開。


まず向かったのが共同湯の「上の湯」。

いわき湯本温泉は、歓楽街的な雰囲気が強いが、

地元の人が生活湯として利用する共同湯が存在する。


上の湯


そのうちのひとつが、温泉街から離れた集落にある「上の湯」。

集会所を併設するだけに、地元色が強い。

夕方という時間帯もあり、入浴客が後を絶たない。

観光客は自分だけ・・・完全なるアウェー。

脱衣所では「見かけない若者がいるなー」という視線が突き刺さる。


浴室は4人くらいの湯船に、カラン6個くらいのサイズだが、

常に10人以上は浴室内に滞在。

だが、ごった返すということはなく、

一定の秩序にしたがって、みんなが動いているような感じ。


秩序を崩さないように、機を見て湯船に体を沈めるが、

かなりの熱さ。

さっきは、冷たすぎたが、今度は熱すぎ!

ピリピリとした感触が全身をつつみこむ。


だが、湯は100%源泉かけ流しで、黄緑色の濁り湯。

硫黄臭がプンプンと漂う。

「これぞ温泉だぁ!」と心の中でガッツポーズをするが、

熱いのと、所在ないのとで、早々に脱衣所へ。


すると、おじさんから「もう出たのか!体洗ったのか!」と

大きな声で話しかけられた。

体を洗わずにかけ湯しかしなかったことを怒られるのかと思いきや、

「石鹸がないなら貸してやったのに」と言ってくれた。

なんと、やさしいおじさん!

気持ちだけでも、嬉しい♪


このあと、もうひとつの共同湯である東湯へと足を運んだが、

取り壊され、更地になっていた。

昨年、いわき湯本を訪れた時に入浴しておいてよかったが、

ここもまた、温泉銭湯の素朴な雰囲気がよかったのだが・・・。

残念至極。


【第7湯】は、いわき湯本温泉・さはこの湯 (地図)

温泉街の中心にある日帰り入浴施設。

こちらも共同湯の雰囲気をもっているが、

設備なども整っているので、地元客のほか観光客も多く訪れる。


さはこの湯


岩風呂と檜風呂があり、男女入替制。

この日は、男湯は岩風呂のほうであったが、

湯船の形が入り組んでおり、ちょっと圧迫感がある。


しかし、湯は硫黄臭が強い透明の硫黄泉で、

白い湯の花も浮かぶ本格派。


ちなみに、いわき湯本の源泉は一元管理されており、

同じ源泉がそれぞれの温泉施設や旅館に配湯されている。

したがって、どれも同じ泉質なのだが、色が異なったりするから面白い。

実際に、さはこの湯は透明だが、上の湯は緑色に濁っていた。

なぜ、このような違いが生じるのかは定かではないが、

いわき湯本の湯は、透明か緑色系のどちらかであることが多い。


【第8湯】は、いわき湯本温泉・古滝屋 (地図)

いわき湯本温泉街の中でも、もっとも背の高い建物なので、

遠くからでもよく目立つ。

温泉街屈指の大型旅館だ。


古滝の湯


6階にある大浴場は、30人ほど入れる岩づくりの湯船で、

夕暮れどきの温泉街を一望することができた。

18時過ぎの夕食時を狙ったので、入浴客も少なく、ゆっくり入浴。


ちなみに、古滝屋は透明湯。

さはこの湯や上の湯よりも硫黄臭は弱く、パンチに欠ける印象。


【第9湯】は、いわき湯本温泉・福美館 (地図)

この日の宿湯。

7時過ぎに温泉めぐりから帰ると、宴会が始まっており、

大音量のカラオケと男女の嬌声が外まで聞こえてくる。

どうやらコンパニオンが入っているようだ。

これもまた、いわき湯本らしい一幕だ。

それにしても、部屋までカラオケが聞こえてくるのには、

ちょっとうんざり・・・。


福美館


湯は、オーバーフローのある源泉かけ流し。

透明の湯が10人ほどのタイル張りの湯船に注がれる。

硫黄臭あるが、やはり、さはこの湯や上の湯ほどのパンチ力はない。


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源泉かけ流しや塩素が投入されていないことが、

どれだけありがたいかということを、福島に帰ってきて改めて実感。

茨城の温泉が悪いというわけではないが、

県境を挟んだだけで、これだけ湯の質が異なることには正直驚く。

やはり、温泉は東北が一番だ。


今日は、いわき周辺の温泉をめぐる予定。