あと2時間で、期間1年間という長きに渡って続いた「宇宙レスラートーナメント予選」が終了しようとしていた
中央惑星「ニューサン」B.Bタワー最上階
秘書であるゲソアレクサンダーに、B.Bチョップが言う
B.Bチョップ「・・ゲソよ。闘いとはなんだ?」
王者からの突然の問いかけに、言葉を詰まらせるゲソアレクサンダー
B.Bチョップが徐ろに、椅子から立ち上がり、ゲソアレクサンダーを2つの頭で見下ろした
B.Bチョップ「・・わからぬのなら教えよう」
ゲソアレクサンダーの全身に緊張が走る!
ゲソ「ボ・・ボス?これは!?なんのつもりですか?」
B.Bチョップが右の手刀を振り上げる
その一瞬!
ゲソアレクサンダーには心の決意が芽生えた!
ゲソ「(ボスのチョップを受け止めた後、投げ切るぞ!私は!やるぞ!やるぞ!私はやるぞ!)」
だが意外にも
B.Bチョップの右手はゲソアレクサンダーの右肩にそっと置かれただけだった
B.Bチョップの2つの顔が笑みを浮かべて言う
B.Bチョップ「・・冗談だ」
胸を撫で下ろし、腰が抜けた様に崩れ落ちるゲソアレクサンダー
王者の顔が、真剣な表情に再び変わる
B.Bチョップ「・・もし本戦で俺に何かあれば、後の事はおまえに頼みたい」
ゲソ「へ?・・」
B.Bチョップ「・・もう1度だけしか言わん」
B.Bチョップ「・・ジャンボォでも、ポッキーでもなく、おまえに任せると言ったのだゲソアレクサンダーよ」
ゲソ「は・・ハイ!了解しましたボス!」
ゲソアレクサンダーは、緊張と恐怖と喜びの入り混じった心境で、自然と4つの目から涙が溢れていた
B.Bチョップ「・・まぁ俺に何かある可能性などないだろうがな」
B.Bチョップ「・・宇宙レスラートーナメントくらいではな」
タワー最上階の大窓から差し込む日差しが眩しすぎて、B.Bチョップの姿が見えない程であった
ゲソアレクサンダーは思った
自分にとって唯一の神は目の前にいるのだと
宇宙レスラートーナメント予選
終了