辺り一面に積み上げられたゴミ
バーリトゥード系外からも不法投棄されたさまざまなゴミ山は、この小惑星「ダストラ」のキャパシティを近年越えようとしていた
左右のリストバンドの位置を調整しながら、激動山がカクメイに向けて言う
激動山「つくづくこの試合が、観客の手前でなくて良かったと思うぞ」
激動山「太古より何千回、何万回と繰り返された試合と何も変わらんからな」
カクメイ「・・・・?」
激動山「ガハハハハ!勝つ側がわかりきった試合という意味だよカクメイ」
激動山「おまえが死ぬパターンを俺が1つ選択するだけだ」
激動山「貴様は自分の死に様すら、決めることも許可されていない!ガハハハハ!」
包帯を全身にまばらに巻いたカクメイが走り出す!
仁王立ちで待ち受ける激動山
ガシッ!
激動山のすぐ目の前で歩みを止めたカクメイが、ベアハッグ(両腕で前方から抱きつくようにボディを締め上げる技)で激動山を捕らえた!
激動山「ガハハハハ!カクメイラリアット以外に技があったのか?体力自慢だけが取り柄の猿が!」
自らの腰部に前方からしがみつくカクメイの姿を、呆れ顔で見下ろす激動山の表情が、一瞬だけ青ざめた
カクメイ「気が付いたか?俺は惑星「猿奴(エンド)」のエイプ星人!体力自慢だけが取り柄だが、あんたはどうだ?」
ベアハッグを食らう激動山の視界が捕らえたのは、カクメイが全身にまばらに巻いた包帯の内側に仕込んだ無数の爆弾だった!
カクメイ「革命に火薬はつきもの!起爆する!」
ドドドドォォオオオオオオオンッ!
激動山をベアハッグに捕らえたまカクメイが自分もろとも躊躇なく大爆発した!
爆風でお互いバラバラの方向に吹っ飛ぶ二人!
その全身は炎に包まれており、両者がどちらなのかわからない
自らの体が燃えている・・
激動山はある記憶がフラッシュバックしていた!
燃え盛る列車・・事故・・そして燃え盛る頭の男・・不意打ちのスリーパーホールド・・
今、激動山は過去、自らが絶命した一瞬の記憶をハッキリと思い出したのだ
アンノンの存在を・・
炎に全身を包まれた激動山が立ち上がる
激動山「ゆ・・る・・せ・・ん」
右腕を天高く掲げると上空に向けて、右のチョップを空打ちする!
2秒後チョップは大気を震わせ、激動山の頭上にだけ多量の雨が降り注いだ!
全身の炎が消えた激動山の全身は重度の火傷でケロイド状態だったが、それを意に返さず、燃え盛り倒れたカクメイの左足首を掴み
引きずるようにして、降り注ぐ雨の下へと投げ捨てる
炎が消えたカクメイは既に絶命していた
激動山「殺す前に死ぬとは・・許せん!!」
激動山「がぁぁぁあああああああ!」
激動山が、全身から溢れ出す怒りにまかせて右の手刀を垂直に大地に振り下ろす
衝撃で、小惑星「ダストラ」の大地に亀裂が入り、やがて惑星が真っ二つに切り裂かれた!
激動山「カクメイよ!貴様の革命!確かに受け止めたわ!!」
宇宙レスラートーナメント予選 330日目
宇宙レスラー
カクメイ:死亡により予選敗退
バーリトゥード系加盟惑星「ダストラ」両断される