突撃インタビュー! 西脇博光が語る秘話 | 江戸屋の大旦那

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伊福部昭ファンのキミは、江戸家旦那鈴木正幸の日常を知り感激する
  
 ・・・・はず。。

このサイト読者だけにね♪


———今日は東宝レコードのゴジラについて伺いたいですが———

西脇:実は、このレコード製作に伊福部昭先生は関わっていません。東宝ミュージックの岩瀬(現社長)さんの依頼で特撮映画研究者である僕と竹内(博)君とで作りました。製作時間は28時間で仕上げましたけど。

———たった28時間!———

西脇:僕らのレコード製作とは、曲のサブタイトルを決めてA面B面の中に起承転結を盛り込む訳です。
その作業は、喜び意外の何物でもなかった!

———伊福部昭さんは、出来上がったレコードを聴いていかがでしたか?———

西脇:尾山台の先生の御自宅に、レコードを献呈しようと二人でお邪魔すると「丁度先生も時間があるから、聴きましょうか?」 と先生がレコードに針を落とした訳です。
それから三人ともレコード両面を聴き終わるまで、ずっと無言でいました。

———伊福部さんのご感想は?———

西脇:「凄く良く纏められましたね」と語られた後に、映画ゴジラについてお話しされました。

———どのような?———

西脇:先生は『ゴジラ』と言う映画は、当時ゲテモノ扱いされた作品なので、その仕事を受けた時点で多くの非難を受けました。しかし「オファーの時点でチャレンジだ!」と言い返したのだと。

———カッコいい!———

西脇:面白いのは、先生が音の構成をするのに円谷さんからラッシュを観るまで、先生はゴジラを太古のティラノサウルスの様な巨大な恐竜と考えていたのですが、実際に映像を観て「爬虫類は、背骨の延長上に頭骨があるのだが『ゴジラ』は、背骨の上に頭骨が乗った形状で正に人間の姿ではないか!」と感じたそうです。
それが音の構成のキーワードなのだと。

———音型に爬虫類とか人間とか深いですね———

「だから『ゴジラ』を観た人は、同時にゴジラに成りきったが如く感情移入出来るのだろう」 と、僕らが気が付かない視点でもお話しされました。そこが先生の深い科学者的な見識だと思います。

先生御自身も、戦時中に被爆された経験が動機になっていると語りながらも悪い印象ではなかった!
むしろゴジラ自身は、先生の好きなキャラクターで思う存分曲が書けた楽しい作品だと語られました。