~二人が拉致されて5日~
「まだ堕ちないの?ほんと白虎ってしぶといのね」
マタタビの匂いに朦朧とする俺を見下ろしているのは以前、和が黒猫の姿から戻れなくなった時に和を嘲笑ったアノ黒猫の女優だった
『………クッ……ふざけんなよ……お前こそしつこいんだよっ……いい加減に諦めろや……』
この部屋に監禁された日、俺の前に現れたこの女はあり得ない商談を持ち掛けて来た
「悪い話じゃないでしょ?何も結婚しろとは言ってないわ。私が欲しいのは貴方の……白虎の子供なんだから」
コイツ、ふざけやがって……コイツが欲しいのは俺じゃない……俺の子種だ
白虎の子供の母親の称号……それが猫社会でどれだけの価値か俺には分からねぇがコイツは犯罪を犯してまでも欲しいらしい
「貴方のご実家、二宮さんの事反対なんでしょ?クスッ、どんなに頑張っても彼は子供を産めないんですからね」
『……だからってお前みたいな野良猫が産んだガキなんか欲しがっちゃいねぇよ……そもそも俺は和以外に起たねぇんだよ』
俺の言葉が余程癪に障ったのかグッと唇を噛み締めた女は部屋を後にした
「もっとマタタビを強くしなさいっ」
部屋の外に待機しているらしい部下に怒鳴りつける声
ほんと、うるせぇ雌猫だ……女が部屋を出た後、ようやく身体の力が抜ける
すると俺の下半身はみるみる形を成していく
『……クソッ……あんな女の前で起てられっかよっ……』
和以外に反応しない俺の身体も、さすがにマタタビの匂いにやられてしまう
和を想いながら形を成したソレに手を伸ばす
その時、フッと頭の中に和の声が聞こえた気がした
貴方、一人でナニやってんですか?
一人でイク気ですか?
あぁ……ほんと、ナニやってんだかな……
伸ばした手を引っ込める。和と一緒じゃなきゃ意味ねぇんだよな……
和……お前の中に一滴残らず吐き出してぇよ
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