西暦2×××年
『…………クッ…………』
「アッ……アァァ………」
女の身体からズルリと抜き取れば、俺が吐き出した残骸が流れ落ちる
さっさと衣服を整えた俺は見張りの看守に声を掛けた
『…………終わったけど?』
看守はフゥとため息をついて俺を連れて部屋を出た
入れ替わるように別の看守が部屋に入って行く
「………ったく………ほんとお前は冷てぇな……他の奴を見習えよ……」
『なに?愛してる、とでも言えば良いの?俺、あの子の名前すら知らないけど?』
看守はそれ以上何も言わなかった
沈黙のまま俺の部屋に辿り着いた俺は部屋に入る
ガチャン
鍵が掛かる音が冷たくて響く
「………次は夕飯後だ……また迎えに来る……」
『ハイハイ、お疲れさま~』
白く無機質な部屋のベッドに身体を投げ出す
この部屋にあるのはこのベッドとソファーと簡易トイレだけ
この施設で生まれて来た俺たちは繁殖機能が発達したら毎日のように女を抱かなければならない
名前も知らない女を抱き、子種を植え付けるのが俺たちの仕事
それが悪魔の遺伝子を持って生まれて来た俺たち、悪魔の子の宿命だった
※このお話は某小説をヒントに妄想致しました