ある意味こちらが本題かもしれません。
「耳の悪い音痴」
は、自分で歌う音を想像できないので、正しい音を正しく声に出すことが
できないという事です。
自分の歌う音を想像できないというのは「音程が取れない」という事です。
歌を上手に歌う以前の問題です。

音程を取るというのは、階段の上り下りに似ています。
音程がとれないというのは、目をつぶって階段を上り下りするのと同じです

この辺りかな?とおそるおそる足を踏み出すもののやはり見えていない分とても不安になりますよね。
それが一段ならまだしも、2段、3段となると目をつぶってはもはや危険です。
同じように、次の音が想像できないまま音を出すと階段と同じく音程を踏み外してしまいます。
ではどうすれば良いのでしょうか。
目を開けて階段を上り下りする=次の音が分かっていればはずさないという事です。

皆さんは気導音とか骨導音という言葉を聞いたことがありませんか?

気導音は、空気を伝って聞こえる音。普段我々が耳にしている音の事です。
骨導音は、自分の顎や頭蓋の骨を伝って聞こえている自分の声の事です。
よく録音テープに自分の声を録って聴くと「あれ?自分の声じゃない!」と思うという話を聞きますが
これがまさにそれです。
人の声は気道音で耳に伝わり、自分の声は
骨導音で聞こえているために録音テープに録った
自分の声(気道音)は耳慣れなくて変に感じる現象です。

自分の声(歌声)を正しく認識する事はとても大切です。
ものまね芸人さんが何故すごいかというと、自分に聞こえている骨導音ではなく、
他の人に聞こえる気導音でどのように聞こえているのかを判別できるからなのです。

ではまず正しく音程を取る練習から始めましょう。
ピアノに直に耳をあてて音を鳴らし、その音を歌います。
アップライトでもグランドでも生ピアノがあれば一番良いです。
これで
直接骨に音の振動が伝わりますので、耳よりも確実に音をつかむことが出来ます。
ド→レ、レ→ミと一音ずつ確認しながら歌って下さい。繰り返す事でだんだん音程が身に付いてきます。
次にドレミファソラシドと音を鳴らし、その直後に自分が同じようにドレミファソラシドと歌って下さい。
それを録音して聞き比べて下さい。

最初から音がはずれているようならピアノに耳をあてる所からやり直しです。
途中であれ?と思う音程が出てきたら、そこがあなたの苦手な音程です。
例えばミ→ファが苦手だったり、ラ→シが苦手かもしれません。
その苦手な音程のあたりを徹底的に練習しましょう。

その次はさっきの逆です。ドシラソファミレドと音を鳴らし、そしてドシラソファミレドと歌い、録音。
それを聴いてまた苦手な所は徹底的に練習して下さい。
これで自分の歌う音を想像する、そして自分の出している音を認識するというところまでを
克服する事ができます。
その際、出来れば他の人にも聴いてもらえると良いでしょう。自分では合っていると思っていても、
実際にははずれていたとなると、自分の出している音の認識には程遠くなります。
とにかく「よく聴いて」歌うこと。これが大切です。なんとなしに音を聴くのではなく、
音の響きをよく聴いて下さい。

さて、音程がざっと取れるようになったら、次は歌いたい曲を用意して下さい。
本当は簡単な曲からが良いのですが練習に飽きたら意味がありませんので、好きな曲でも結構です。
その曲を全て歌詞ではなくドレミで歌って下さい。
小・中学校の音楽の時間でこういう歌い方させられましたよね^^
あれ、実は音痴矯正に結構効果があるんです。
歌詞ではなく、ドレミで歌うことによって、音程が見えてきます。
次の音が何かというのを想像しやすくなります。

さて、これでもうちゃんと歌えるようになった!でもちょっと待って下さい。
ドレミファソラシドでは歌えても、曲を歌詞をつけて歌うとなると意外と難しい!という事態が待っています。
ここからは「慣れない音痴」と同じです。音程さえとる事が出来れば、後はひたすら練習あるのみです!