ふしぎミラー~第四夜~ | 雨の日も晴れの日も・・・~アロマとあなただけの童話~

雨の日も晴れの日も・・・~アロマとあなただけの童話~

心に雨が降る日も、日差しが眩しい日も。
アロマとハーブで体と心のケアをさせていただく、傘のようなサロンです。
ご希望の方には、施術中にお客さまから伝わってきた、世界にたったひとつのフェアリーテイルをお伝えしています。



今年は、松ヶ崎の方では、例年よりホタルを見なかった気がします・・・。


このあたりだけかなぁと思っていたら、先日市原に行った時も、今年は少なかった汗☆という話を聞きました。


なんだかさみしいですね・・・ぐすん


来年は、たくさんのホタルが戻ってきてくれるように、私たちにできることを探したいものですかるも






お客さまから伝わってきたこのストーリーも、今回は、お妃さまが自然がもたらす危機に悩まされています・・・。


でもきっと、何かできることがあるはず祈る


そんなメッセージを、私もこのお話から受け取らせていただきました。



では、アロマトリートメント中に私に伝わってきたおとぎ話キラっとハート


ふしぎミラー~第一夜~



ふしぎミラー~第二夜~


ふしぎミラー~第三夜~


の続きをどうぞ笹2
(今回は、夏休みイベントに出店してくださるあの方の施術中に見えたお話です昼





その日、帰宅した妃は、自分の部屋で泣きじゃくっている王子を見つけました。


「どうしたの?」


王子の目は真っ赤に腫れています。


「お母様、ごめんなさい。ぼく、ぼく・・・。」


妃は、王子の足元に、まっぷたつに割れて落ちている鏡を見つけました。


妃はショックを受けながらも、王子の頭を優しく撫でてやりました。


「いいのよ。それより、怪我はなかった?」





その年の夏から秋にかけて、王と妃の国は、今までにない大飢饉に見舞われました。


「こんな時なのに、鏡が割れてしまっているなんて・・・。」


あの日、王子が割った手鏡は、妃が何度覗き込んでも、もう何も映すことはありませんでした。


妃は、割れた鏡を鏡台の引き出しに戻しては、誰にも知られないように、そっとため息をつくのでした。


こうしている間にも、国民は飢えに苦しんでいるのです。


鏡に答えを見出すこともできず、苦悩する妃の頬を、いつの間にか涙がつたいます。


そこへ、部屋の扉をノックして、王子が入ってきました。


「お母様、元気がないけれど、大丈夫?ひょっとして、ぼくが鏡を割ったせい?」


妃は、笑顔を作って言いました。


「違うのよ、お母様、考え事をしていただけなの。」


そして、王子にさとられないように、そっと涙をふきました。


「ちょっとだけお外の空気を吸ってくるわね。」





妃は、何日かぶりに城の外へ出ました。


そこには、妃の想像を超える光景が拡がっていました。


田畑は枯れ、ひからびた雑草だけが、雨乞いをするように頭を垂れていました。


妃は、服が汚れるのも厭わず、その場に膝をついて祈りました。


(どうか神様、雨を降らせてください。この荒れた土地に恵みを与えてください。)


妃の願いを笑うかのように、陽の光だけが残酷なほどに降り注いでいました。




しばらく、陽射しの中で身をさらしていた妃は、ふと、足元の土に目をやりました。


その土にそっと触れてみます。


渇ききっているかと思っていた田畑の土は、ほんの少しだけ湿っているようでした。


土に触れてみた妃は、不意に何か突き動かされるようなものを感じました。





妃は、その日、陽が落ちても城へ帰ってはきませんでした。


彼女は、夢中であるものを作っていたのです。


いくつもいくつも、妃の手から作りだされていたのは、土でできた花でした。


たんぽぽや、ひまわりや、あじさいや、ばら・・・。


たったひと晩で、魔法のようにいくつもの花が、妃の手から作りだされました。


それは、人々の住む家の前に、道々に、国中に飾られていったのです。


「見て!こんなところに土でできた花があるよ!」


「あっ、あそこにも!誰が作ったのかしら・・・。」


その土の花たちを見た国民たちは、少しずつ、元気を取り戻していくのでした。







つづくrose
(次回、完結篇とストーリーの読み解き、の予定です。)