
(Sony Music Labels SICC-1891、2015.5.20)
ソニー・クラシカルの
「名盤コレクション1000」の1枚として
昨年、再リリースされました。
原盤は1982年にリリース。
フィリップ・グラスの
メジャー・デビュー盤になります。
今年の6月初旬に
フィリップ・グラスの
来日コンサートがある
と生協のカタログで知りました。
おおっ! と思ったものでしたが
2日公演で
それぞれプログラムが違う
ということもあり
どうせ行くなら2日とも行きたいけど
懐に余裕はないし
というふうに考えてしまい
諦めたのでした。(´・ω・`)
仕事の予定もまだ決っておらず
会議が入るかどうかも
読めなかったし。
グラスを知ったのは
イェーン・ヴァン・ヴェーンの
ソロ・ピアの演奏による
ミニマリズムのCDボックスを
聴いてからです。

(BRILLIANT CLASSICS 8511、2007.1.1)
9枚組みのうち
3枚がフィリップ・グラスに
当てられています。
上記のBOXを手に入れて聴いて以来
ミニマリズム音楽にハマってしまい
コンポーザーについて調べ
CDを探しまくったのでした。
ミニマリズムのコンポーザーとして
代表的なのは
ラ・モンテ・ヤングと
スティーヴ・ライヒ、
テリー・ライリー、
そしてフィリップ・グラスの4人。
この流れの先に
マイケル・ナイマンや
ヤン・ティルセンがいるわけで
すでにナイマンやティルセンに
ハマっていた人間としては
源流も聴かなくちゃね
という感じだったわけです。
日本では
スティーヴ・ライヒの音楽が
というか
その名前が
わりと知られていて
CDなんかも
手に入りやすかったですけど
グラスのCDになると
途端に入手が難しく
『グラスワークス』は
2015年に再リリースされたこともあり
入手が容易でしたので
まずはこれから聴くことになったわけです。
音楽史上のミニマリズムというのは
最少の旋律というか
最少のブロックというか
とにかく
ひとまとまりの短い旋律の塊を
何度も何度も繰り返すことを特徴としています。
インド音楽の影響も受けていますし
オーディオ装置の発展なんかも背景としていて
先にふれたライヒの
初期作品なんかには
演説の一節を何度も繰り返し交差させ
重なりとブレとで
ひとつの効果をあげる
という曲(?)もあります。
そういう、
一種の実験音楽だったわけですが
ライヒが初期から現在まで
一貫して実験的な要素が強い印象を
受けるのに対して
グラスの楽曲は
実にメロディアスなんですね。
少なくとも
『グラスワークス』に収められた作品は
ロマンティックな感じすらするほど
メロディアスで
そこらへんは
ヤン・ティルセンと
似ている感じがします。
『グラスワークス』には
グラス自身も
電子オルガンで参加しています。
でも、何といっても美しいのは
トラック1のピアノ・ソロ
「オープニング」です。
イェーン・ヴァン・ヴェーンの演奏で
聴き慣れていたこともあり
一瞬にして魅了されました。
『グラスワークス』の後
何枚かグラスのCDを購入しましたが
その中ではピアノ・ソロの作品が
『グラスワークス』の
オープニングと似た感じで
メロディアスで親しみやすい
それでいてミニマリズム
という印象の楽曲だったりします。
グラス自身は
自分はミニマリストではない
と言っているようですが
ライヒ風のミニマリズム音楽ではないけれど
同じ旋律が重なりズレながら続くという
モチーフというかシークエンスは
やっぱりミニマリズムじゃないの
という感じがしますね。
というわけで
『グラスワークス』は
音も旋律も綺麗ですし
おすすめです。
このCDを買った前後に
スティーヴ・ライヒの初期作品が
CDで復刻されたりしたのですけど
グラスの代表的なCDは
自分が聴き始めた頃には
あまり店頭で見かけなくなっていました。
先にあげたコンポーザー4人の内
テリー・ライリーは
『インC』くらいしか手に入らないし
(『グラスワークス』と同時に
「名盤コレクション1000」に入りました)
ラ・モンテ・ヤングなんて
影も形もなく
いまだにCDを見つけられず
聴くことすらできてません。
フィリップ・グラスは
輸入盤なども充実していて
ライヒ以外の
ミニマリスト3人の中では
比較的、入手できた方なので
続いて良さげなものを
紹介していければと思っています。
