アルゲリッチと仲間たちによるバッハ・コンサート
(BelAir classiques BAC-115、2015.8.7)

正確なタイトルは
BACH: PIANO CONCERTOS
par Orchestre de chambre de Lausanne
avec Martha Argerich & Friends
ということになるのかしらん。

上記の発売月日は
タワーレコードの
ネットショップに拠ります。


過ぐる日
新宿のタワーレコードに寄った際
店内のディスプレイで
映像が流れていて
おやっと興味を引かれ
ちょっといいかもと思い
帰ってからネットのストアで
購入したものです。

すみません、
ちょっとでも安く買えるかと
思ったもので。f^_^;


マルタ・アルゲリッチという
クラシックに関心のある方なら
よく御存知の
女性ピアニストと
そのフレンズ、仲間たちで
ヨハン・セバスティアン・バッハの
独奏クラヴィーア協奏曲と
複数のクラヴィーアによる協奏曲を弾いた
公演のライブ映像です。

2013年の10月21日と22日
2日間にわたって
パリのサル・プレイエルという
コンサート・ホールで行われました。

2日間にわたるライブを
2枚のDVDに収めていますけど
演奏される曲は
4台のクラヴィーアのための協奏曲を除いて
ダブっていません。


マルタ・アルゲリッチといえば
ショパン弾きとして
知られているような印象があるのですが
もちろん、レパートリーは
ショパンに限ったわけではなく
オールラウンド・プレイヤーといって
いいかと思います。

バッハのクラヴィーア曲を弾いた
レコードも出していて
そのCDも持っています。

今回のDVDに収められたライブでは
ソロでの演奏はなく
4台のクラヴィーアのための協奏曲で
仲間たちとともに
楽しげに(?)演奏しています。

いや、アンコールでは笑顔も見せますが
演奏中は基本的に
しかめっ面なのですけどね(笑)


アルゲリッチ以外の奏者は
誰なのか
寡聞にして知りませんが
(中には日本人と韓国人もいます)
映像を観ていて思ったのは
どの奏者の運指も実に軽快であること。

ピアノは打楽器で
非常に腕の力を要とすると思ってましたが
打鍵を見ていると
まるでチェンバロのようです。

それに見合って
という訳でもないでしょうけど
音色も軽快ですね。

古楽の方ではお馴染みの
いわゆる
疾走するバッハが
感じられます。

自分は古楽器演奏が好きですけど
これを観ていると
ピアノ演奏もいいかなと
思わしむるライブ映像でした。

ちなみに使用ピアノはスタンウェイです。


オジサン的な視点からは
DVD1枚目のトップを飾る
カティア・ブニアティシヴィリ
グヴァンツァ・ブニアティシヴィリ
というグルジア生まれの姉妹ピアニストによる
2台のクラヴィーアのための協奏曲が
観ていても楽しい演奏でした。

どっちがお姉さんで
どっちが妹なのか
分からないのですけど。

黒いドレスの方がお姉さんかな?


ちょっと思ったのは
曲によってはピアニストではなく
第1ヴァイオリンの入りを基準に
演奏していることでした。

てっきりクラヴィーア奏者の方が
リードをとるのかと思ってました。

ちなみに弦を担当するのは
ローザンヌ室内管弦楽団という
スイスのオーケストラです。


あ、あと
ブニアティシヴィリ姉妹の演奏を除き
複数のクラヴィーアの協奏曲のときは
譜めくりの人がついてました。

これはびっくり。

バッハの当時も
譜めくりの人って
いたのかしらん???

古楽器による演奏が観てみたいものです。

ちなみにアンコールのみ
譜めくりの人は
メインのソロ奏者が務めてました。

ちょっとしたサービスってやつ?


それにしても
黒髪の
若い頃の中島みゆき風の美女
という印象だった
(個人の印象ですw)
アルゲリッチも
ジャケ写でもお分かりの通り
すっかり白髪の老婦人になってしまい
ちょっとしみじみしてしまったことでした。

ご本人は実に楽しそうなので
何をか言わんや、ですけどね。


以下、蛇足ながら
各ディスクの収録曲と
クラヴィーアの独奏者を記しときます。

[DVD1]
2台のクラヴィーアのための協奏曲 第3番 ハ短調 BWV1062
 カティア・ブニアティシヴィリ
 グヴァンツァ・ブニアティシヴィリ

クラヴィーア協奏曲 第5番 ヘ短調 BWV1056
 スティーヴン・コヴァセヴィチ

クラヴィーア協奏曲 第4番 イ長調 BWV1055
 ネルソン・ゲルナー

Improvisations
 ガブリエラ・モンテーロ

3台のクラヴィーアのための協奏曲 第1番 ニ短調 BWV1063
 ミシェル・ダルベルト
 フランク・ブラレイ
 ダヴィド・カドゥーシュ

4台のクラヴィーアのための協奏曲 イ短調 BWV1065
 マルタ・アルゲリッチ
 リーリャ・ジルベルシュテイン
 マウリチオ・ヴァッリーナ
 イム・ドンヒョク

アンコール
 4台のクラヴィーアのための協奏曲 イ短調 BWV1065
 (第3楽章のみ。独奏者は同上)

[DVD2]
4台のクラヴィーアのための協奏曲 イ短調 BWV1065
 マルタ・アルゲリッチ
 ニコラス・アンジェリック
 酒井茜
 ネルソン・ゲルナー 

クラヴィーア協奏曲 第3番 ニ長調 BWV1054
 リーリャ・ジルベルシュテイン

クラヴィーア協奏曲 第7番 ト短調 BWV1058
 イム・ドンヒョク

Improvisations
 ガブリエラ・モンテーロ

2台のクラヴィーアのための協奏曲 第2番 ハ長調 BWV1061
 フランク・ブラレイ
 ダヴィッド・フレイ

3台のクラヴィーアのための協奏曲 第2番 ハ長調 BWV1064
 イム・ドンヒョク
 マウリチオ・ヴァッリーナ
 酒井茜

Improvisations
 ガブリエラ・モンテーロ

アンコール
 4台のクラヴィーアのための協奏曲 イ短調 BWV1065
 (第3楽章のみ。独奏者は同上)


Improvisations というのは
独奏の即興曲で
バッハのメロディーに
基づいているのかもしれませんが
自分には分かりませんでした。

2枚目のDVDでは
2回目の演奏時のみ
会場からメロディーを求めているように
見受けられました。

『音楽の捧げもの』のような例もありますし
クラヴィーア協奏曲を披露していた
コーヒーハウスの演奏会では
バッハもやっていたかもしれない
と想像したりすると
ちょっと楽しいですね。


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