『新ウルトラマン列伝』内で放送中の
『ウルトラマンギンガS』
第6話「忘れ去られた過去」、
夏期講習で帰りが遅くなったので
今回も録画したものを観ました。

以下、やや詳しく内容にふれます。
未視聴の方はご注意ください。




今回は
ゴモラ、ファイヤーゴルザ
シェパードンと、
三大怪獣登場の豪華編でした。

ゴルザだと思って観てましたが
公式HPで確認したら
単なるゴルザじゃなくて
ファイヤーゴルザというんですね。

例によって Wiki で調べたところ
『ウルトラギャラクシー大怪獣バトル』に
登場した個体だそうですが
その時もゴモラと戦っているので
ある意味、ファン垂涎の
因縁の戦いでしょうか。

今回のゴモラ、
初代ウルトラマンの時の個体に似てますが
超振動波を角から放って
光線のように使うのは
『ウルトラギャラクシー大怪獣バトル』
以降のことでしょう。

『ウルトラギャラクシー大怪獣バトル』は
ほとんど観ていなかったに等しいので
ここらへんの知識は
まるまる抜けています。

それでもまあ、ゴモラにせよゴルザにせよ
初登場時の個体ではないとはいえ
地底がらみの怪獣といっていいだろうし
聖獣シェパードンは
地底の民ビクトリアンの守護獣ですから
まさに三大地底怪獣・夢の競演
というノリでしょうか。


住宅地のミニチュアも作られていましたが
住民への避難勧告やらモブシーンやらが
挿入されなかったのは
やや物足りない感じでした。

前回のエピソードがエピソードだけに
建物を破壊するなどのシーンだけじゃ
ダメなんじゃないかと思ったり。

ただ、EXレッドキングナックルと
超音波光線(熱戦?)を発車寸前の
ファイヤーゴルザとがぶつかった時の
ハレーション(?)と衝撃波で
家屋の窓ガラスが壊れるという表現には
素直に「すごい!」と
感心させられました。


以上の特撮バトル面も
充実していましたけど
今回は
地球を追われたビクトリアンのエピソードが
なんといっても優れていたように思います。

キサラ女王すら知らない過去の歴史があった
という設定はともかく
それは「争いを嫌った祖先」が
「同じ争いが起きないように」
記憶を消し去ったためだと解釈し
それを「大きな過ち」だと言った後
「自分たちの平和の陰で
 苦しんでいる者がいることを
 決して忘れてはいけませんでした」
と祖先の行ないを批判するくだりは
8月のこの時期の放送でもあり
近年の状況を思い合わせると
そのメッセージ内容は
明らかであると思います。

ドラマ本編を観る前は
ノンマルトの平成バージョンだとばかり
想像していたものでしたが
過去の遺産のリニューアルではなく
ちゃんと同時代のメッセージたり得ていた点が
優れていると思った次第です。

ヒヨリの属していた一族が
どういう考えの持つ一族だったか
という点が曖昧なのが
やや気になりますけどね。


気になるといえば
ヒカルはアリサとのパトロール中に
ショウを尾けるヒヨリを見かけたのに
一人でショウに会いにいったというのが
展開上、納得がいかない。

30分で
いろいろなカットを詰め込むのは
たいへんなのは分かりますけども……。


あと、ヒカル軽すぎ。
気安すぎるというか。

女王に会うんですから
それなりの敬意を表してほしい気がします。

それは「女王」だからではなく
自分とは違う世界の民族の長であり
自分とともに戦う「仲間」が
敬意を表している相手だからです。

それは「仲間」に対する
礼儀であるとも思うし
人懐っこいというのと
馴れ馴れしいというのは
違うと思うんですけどね。


まあ、それでも今回のエピソード、
ギンガというシリーズに対する印象を
改めさせるような
傑作に仕上がっていたと思います。

素直に脱帽しました。


ちなみに脚本は黒沢久子。

調べてみたら、未見ですが
『キャタピラー CATERPILLAR』(2010)
を書いた人だと知って、びっくり。

『キャタピラー CATERPILLAR』
観たくなってきた……


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