
(エイベックス・マーケティング・コミュニケーションズ
AVCL-25043、2005.9.21)
先の記事で
ルネサンス音楽の歌い手として
波多野睦美を(名前だけは)知っている
と書きましたが
探してみたら
すぐ見つかるとこに
波多野睦美のCDがありました。
新譜で買ったのか
中古で買ったのか
もはや記憶にありませんが
久しぶりに聴いてみたら
これ、いいですね!
ヘンリー・パーセルの声楽曲が6曲
ヘンデルの声楽曲が1曲
モンテヴェルディの声楽曲が1曲
アントニオ・チェスティの声楽曲が1曲
そしてバッハの声楽曲が2曲
歌われています。
全部、バロックの音楽ですが
どれも美しいです。
ヘンデルの曲は
この手の歌曲集では定番と思われる
「オンブラ・マイ・フ」ですが
自分は、このCDでしか知りません。
まあ、ヘンデルは
あまり好きではないので( ̄▽ ̄)
バッハの曲は
『ロ短調ミサ曲』から
「ラウダムス・テ」
『マタイ受難曲』から
「私を憐れんでください」の2曲です。
バッハの宗教曲から
こんなふうに抜き出して
演奏するのを聴いたのは
これが初めてです。
最初に聴いた時は
そういう抜き出しに
何となく違和感を覚えたものですが
今回、聴き直してみると
なかなかいい感じがするから
不思議なものです。
イギリスで勉強しただけあって
パーセルはお手のもの
という感じですが
自分的には、やっぱり
聴き馴染んでいるバッハが
何といっても素晴しい。
これは伴奏陣の功績でもありまして
バロック・ヴァイオリンの
寺神戸亮がリーダーを務める
アンサンブル・レ・ボレアートに
通奏低音として
チェンバロの芝崎久美子
ポジティフ・オルガンの今井奈緒子が
曲によって、どちらかが加わって
素晴しい響きを聴かせてくれています。
このアンサンブルは本当に素晴しい。
器楽オンリーの曲も3曲ほど入っていて
内1曲は、バッハの有名な
〈G線上のアリア〉です。
自分の知るかぎり
最小編成の〈G線上〉でして
それはそれで好みなのですが
途中、ちょっと
ヴァイオリンが歌い過ぎな気がする(苦笑)
個人的には
「ラウダムス・テ」の方が
優れていると思います。
これは「私を憐れんでください」にも
いえることですが
器楽パートの旋律が美しいだけでなく
ヴォーカルと器楽の絡み合いが絶品!
さすがバッハ! という感じ。
自分は、どちらかといえば
オリジナル主義で
単独で作られたわけではないのに
全体から一部を抜き出した
ハイライトものというか
アンソロジーは
少なくとも最初に聴きたくはない
と思っている方です。
今回のCDで
「ラウダムス・テ」がいいと思うのも
『ロ短調ミサ曲』を何度も聴いて
旋律が耳に馴染んでいるからだと
思うわけでして。
だからほんとのところは
波多野睦美がソロを担当する
『ロ短調ミサ曲』を
通しで聴きたいのですが……。
でも、そういうことを気にしない
という方なら
このCD、おススメです。
