$圏外の日乘-綾瀬麦彦『フーディーニ』
(メディアファクトリー、1992年7月20日発行)

〈The LIFE STORY〉という、
アメリカのエンターテイナーや偉人を
物語風に紹介するシリーズの1冊です。

自分が持っているのはこの1冊だけですが
国会図書館の蔵書検索で調べてみたら
20冊、出たようですね。


ハリー・フーディーニは
脱出王と呼ばれた
アメリカの奇術師です。
(フーディニと表記されることもあります)

閉じ込められた監獄やミルク缶、
水槽から脱出したり、
逆さ吊りになって
拘束衣から抜け出したり、
スコットランドヤード自慢の手錠を外したり
といったパフォーマンスで知られています。

後には、あのコナン・ドイルと知遇を得ていて、
それをふまえたミステリも書かれています。

そのフーディーニは晩年、
交霊術のインチキを暴くことに
精力を傾けるのですが、
本書はミナ・クランドンという
女性霊媒師のインチキを暴く実験をメインに
フーディーニの回想を交えながら
そのライフ・ストーリーが語られています。


オビはもともと付いておらず
タイトルと惹句をプリントした
ビニールカバーがオビ代わりになっていて
カバーを外すと下の通り。

$圏外の日乘-『フーディーニ』本体

当時の風俗を伝える写真や
フーディーニの公演ポスターなどが
挿絵代わりに入っていて
中にはコラージュ風に処理されたものもあり
ページ表示もイラスト風の独特なものです。

$圏外の日乘-『フーディーニ』ノンブル

こんな感じで
そこそこアートしてる
なかなかオシャレな本ではありますが、
内容的には薄い(苦笑)

大人の絵本、というには
活字の量が多いですけど、
内容的にはそんな感じ。
イラスト人物伝的というか。

だからサクッとすぐ読み終わります。


なお、巻末には
映画評論家で海外コミックの研究者
小野耕世のエッセイが
解説代わりに付いています。