
(講談社ラノベ文庫、2012.5.2)
知らない間に出てました、
小説版『おジャ魔女どれみ』の第2巻。
昨日、前田知香さんのライブの帰り
近所の本屋で見つけて、
さっそく読み終えました。
(ライブのレポ待ちの人が、もしいたら、
すんません、もう少しお待ちくださいまし)
タイトルに「16」と
数字が入っているので
「2」と巻号数を入れると
紛らわしいと思ったのか、
「Naive」というふうに
サブタイトル処理になってます。
Naive(ナイーヴ)というのは、
仲間たちは将来の夢を持って
しっかりと前に進んでいるのに対し
自分は出遅れているという
どれみの心情を表わしています。
カバー裏の内容紹介には
「悩めるお年頃」に「Naive」と
ルビを振ってますけど(苦笑)
やや長めの第1章以下、第7章まで
エピソードを重ねた作りなのは
前巻とご同様。
前巻の出たのが去年の12月ですから
6か月ぶりですか……
もはや前巻の内容は忘れています(^^;ゞ
ももこが来日したところで終わったのは
さすがに覚えてましたが、
そのももこの登場でMAHO堂が
スイーツ・ショップになりました。
おいおい、展開速すぎやろ(苦笑)
これに限らず展開が速いというか、
どれみたちは当然
ケータイやパソコンを持っているんで
メールですぐ連絡を取り合って
集まったり意見交換したりできるから
ストーリーがさくさく進む。
結果的に、
場面を切り貼りしてつないだような
印象を受けてしまうのですが……。
5人の会話文の文体だけで
「と××が言った」と書かなくても
誰が喋ったのかが区別がつくのは
すごいと思いましたけど。
あと、全編どれみの一人称による
主観描写で話が進むので、
どれみの知らないことは
基本的に書かれません。当たり前ですが。
ただ、そうすると登場人物の
心理の書き込みができないわけで、
どれみが主観的に、こうなんだろうなあ
と思っていることしか書けない。
アニメの時は三人称的な
客観描写の場面もあったし
どれみの解釈というフィルターを通さず
各キャラの表情で表現することもできた。
どれみの一人称にしたことで
上に書いたようなことができないため
上っ面の展開を追うだけに
なっっちゃった気がします。
たとえば、おんぷの心理なんかは
正確なところはまったく分からない
というのが、おんぷファンとしては
物足りないというか、残念なところです。
以上は、活字者としての感想です。
活字者的な視点からは
第4章の扉と柱(見開き左肩のページ数の横)の
章題の表記、「顛末」の「顛」の字だけ
新聞活字というか
ワープロ用の異体字になっているのが
気になりました。
本文中の「繋ぐ」という字は
ちゃんと正字なのに。
ももこの父親は建築家で
中国が建築ラッシュで忙しいとか、
さりげに最近の情勢が踏まえられてたり、
ジャズに関する簡単な蘊蓄があったり、
「モテ期」なんていう流行語が
さっそく使われてたり、
パティシエではなく
パティシエールと変えたり、といったあたりは
アニメの空気がよく出ているかとも思ったり。
ティーンズ向けのラノベで
それも『どれみ』で
ジャズへのこだわりを垣間見せるなんて
書き手の趣味としか思えない(藁
巻末インタビューは
カバー絵から想像がつくように、
はづきを演じた秋谷智子です。
てことは、最低でも6冊は
出してくれるのかな?(藁
次回はいよいよハナちゃん登場。
この展開でハナが出ないわけない
というか
出さないわけにはいきませんですからね。
3冊目ともなると
懐かしさだけでなく
ストーリーの工夫も
必要になってくると思います。
それをうかがわせるような
ミステリアスな引きになってますが
どんな話が展開されるのか
期待して待ちたいですね。