以前、岩波少年文庫で新訳なった
アーサー・ランサムの
『ツバメ号とアマゾン号』を
新宿のジュンク堂で買ったとき
宮崎駿 選『岩波少年文庫の50冊』
という小冊子が
特典で付いてきました。

$圏外の日乘-『岩波少年文庫の50冊』
(スタジオジブリ、2010.7.15/2010.10.31、3刷)

ラッキーと思ってたら
何と3刷だったという( ̄▽ ̄)

特典で3刷って……

まあ、タダだから文句はいえませんが(藁

最近、その小冊子をベースにした第1部に
(配列を変えてあるようです)
いくつかのインタビューをまとめて
聞き書きというか
語り下ろしという体裁にした第2部を加えた
1冊本が出ました。

$圏外の日乘-『本へのとびら』
(右:岩波新書、2011.10.20)

『岩波少年文庫の50冊』の
大きさを知ってもらうために
並べて撮ってみました。

『本へのとびら』の副題は
「岩波少年文庫を語る」です。


自分は、もう30歳を過ぎてからでしょうか
いっとき翻訳児童文学にハマったことがあって
岩波少年文庫を始めとして
何冊かまとめて読んだことがあります。

どれもこれも面白かった記憶がありますが
中でも面白かったのは、
ルイス・キャロルの同時代人である
ジョージ・マクドナルドは別格として、
イーディス・ネズビットと
E・L・カニグズバーグ、そして
フィリパ・ピアスでした。

そこらへんの作家については
また機会があれば、読み直して
ぜひ紹介したいところです。

残念ながら宮崎駿は
カニグズバーグとピアスしか選んでませんが、
その他、紹介されている本はどれも面白そう。

当方の既読本も何冊かありまして
サッカレイの『バラとゆびわ』とか
バーネットの『秘密の花園』は、
最高に面白かったです。

でも、『クマのプーさん』とか
『トム・ソーヤーの冒険』のような
チョー有名作は
いまだに未読だったりします(苦笑)

映画になった『借りぐらしのアリエッティ』は
原作の『床下の小人たち』を読む前に
映画になっちゃって
かえって今、読まないでいるんですが。
(映画の方も、まだ観てません【^^;ゞ)

でも、これは自分の経験からも断言できますが、
子どもの時に出会うべき本(翻訳児童文学)は
大人になってから出会っても面白い。
だから、未読でもいいんです。

それに、最初と最後の方に書いてありますが
児童文学自体
「やり直しがきく話」(p.70, p.152)
なわけですから、
これから読むというのでもいいんです(藁

定義的なものとして、もうひとつ、
児童文学は
「『生まれてきてよかったんだ』
 というもの」(p.163)だ
という話もしています。

だから読んでないのをこれから読んで
「ああ、読めて良かった :*:・( ̄∀ ̄)・:*: 」
でいいんです(藁

その他、岩波少年文庫には入ってませんが、
アンドルー・ラングの世界童話集や
杉浦茂のまんがへの言及もあって、
なかなか面白かったです。


自分は、
宮崎アニメなら全部観るというほど
熱心なファンではありませんが、
宮崎駿という名前(ブランド)の力で
海外の優れた児童文学を読もうかな
と思う読者が多くなれば、それはそれで
いいことだと思う次第です。

別に、岩波少年文庫に
限定する必要はありませんけどね(藁