$圏外の日乘-『エロチック乱歩/人間椅子』
(アートポート APD-1212、2007.9.28)

「人間椅子」つながりで、
というとヘンですけど(^^ゞ
映画化された「人間椅子」の
DVDを買ってあったので、観てみました。

2007年6月に劇場公開された映画で、
『エロチック乱歩』という総題の下
2本同時上映、か、間をおいて上映された
と思われる作品の内の1本です。
(劇場公開時には観ていないので
 よく分かりません)

監督は佐藤圭作。
これが劇場映画デビュー作だそうです。

出演は、
劇場版『仮面ライダーアギト』に出ていた
小沢真珠と、
舞台『路地裏の優しい猫』で奈央ちゃんと共演した
宮地真緒。
そして、『聖白百合学園』の同時上映
『真一文字 拳』に出演していた
板尾創路という、
こちとらの覚え方がメチャクチャな面々(^^;ゞ

役者のみなさん、それぞれ
代表作とかあるんでしょうけど、
自分の視界に入ったのは上の作品群なので(苦笑)

個々の役者のファンの方には申し訳ない。


で、原作はもちろん乱歩の短編ですが、
原作とはまったく違う話になってました(藁

女性作家と人間椅子が出てくるところは
原作通りですが、その他は、え~、な感じで。

問題の椅子が、カウチのような感じなのもなあ。

原作を読んでいる観客も驚かせたいのか、
原作の設定だけ借りて他を無視しているのか
よく分かりませんけど、
もうちょっと原作に忠実に作ってほしいなあ。

映画の設定は設定で、
それなりに興味深いんですけど……
これなら乱歩の冠はいらない気もします。
人間椅子というアイデアを使ったら
やっぱりマルC乱歩にしなくちゃ、
ということなんでしょうか。

とはいえ、小沢真珠の妖艶というか、変態な演技は、
綺麗な人だけに、なかなか見物でした。

でも、いわゆるエロ度は、おとなしめです。
もちろん、お子さんに
見せられる映画ではありませんが(藁
(公開時 PG-12 指定だったようです)

直接的エロでなく観念的なエロですかね。
(ソフト?なSM描写があってもw)
だからこそ、やらしい感じもするんですがね。


ところで、舞台が現代なので、
宮地真緒演じる女性編集者が勤める出版社に
中央公論新社が使われていたり、
小沢真珠演じる女性作家・今野佳子の
新作サイン会に、ジュンク堂・池袋店1階の
レジ脇が使われていたりして、
(たぶん、あのレジのカーブは池袋店w)
大いにウケたことでした。


「人間椅子」映像家作品では他に
テレビドラマ『乱歩R』(2004)の第1話で
武田鉄矢が乙葉に、やらしい感じで絡むのを
観たことがありますが、
あちらも原作通りではなかったなあ……


ちなみに、まだ観てませんけど、
このあと宮地真緒は、乱歩原作の
映画『失恋殺人』(2010)に出ているんだよね。

ちょっと観てみたくなったかもなあ。


なお、DVDには劇場予告編と
メイキング映像が収録されています。
あと、ジャケ裏には
なんと乙一のコメント付き!