以前、4手のピアノによる
ブランデンブルク協奏曲を紹介しましたし、
ソロないし2挺のギターによる
ゴルトベルク変奏曲を紹介しましたが、
そのふたつを掛け合わせたような編曲もの
というのがこれ↓(関連させ方が無茶振りw)

$圏外の日乘-『バッハ・インスピレーション』
(BMGジャパン BVCC-35005、1998.11.21)

録音は1985年のオランダ、ユトレヒト。
原盤も同年に出たようですので
10年以上経ってから邦盤が出たことになります。

邦盤は『バッハ・インスピレーション
:ブランデンブルク・コンチェルト』
というタイトルです。
これは原盤ディスクのレーベル面とライナーの表紙に
For Inspiration とあるのによるのでしょうが
Bach for なのかどうか、微妙なのですねえ。

ただ、『バッハ・インスピレーション』というのは
そこらへんの分かりにくさを上手くごまかした
意外といい訳なのかも(苦笑)

ライナーのトラック表示ページ(要するに目次)では
シンプルに
Brandenburg Concerts Nos.2, 3, 5 & 6
となってますけど。

アムステルダム・ギター・トリオの演奏で、
世界初のチェンバロ協奏曲といわれる
(昔は世界初の「ピアノ」協奏曲といわれてましたw)
第5番のみ、ティーニ・マトゥ Tini Mathot が
チェンバロ・パートを演奏しています。

この5番に関しては
チェンバロの音だけ、浮いている感じが
しないでもない。
響きが全然、違うから。

ギターの弦は何を使っているのか。
もともと3本のギターのための現代曲を弾いていた
とライナーに書いてあるので
スチール弦なんですかね。

チェンバロはガット弦なのかなあ。

リラクゼーションCDという売り方だからなのか
そこらへんの楽器情報がいっさい
ライナーに書かれてないんですよね。

まあ、そういう細かいことを気にしなければ
これは、なかなかいいCDです。

ギターの音が柔らかいので
確かにリラクゼーション効果があるかも。

異色なのは、第3番の第2楽章です。
原譜では速度指示と
和音になった音符がふたつしかありません。
これまで聴いてきたものの記憶では、
古い録音だと、ただ和音をふたつ鳴らすだけ、
(この処理だと、かなり情けなく聴こえるw)
新しい録音だと、教会旋法風に装飾をこらす、
という感じで済ましているようですが
この録音ではギターソロによる
即興(カデンツァ)で処理しています。

だから演奏時間が55秒もあるんですが、
それはそれで、当時の演奏習慣として
間違いではないらしい。

第6番のみ
変ロ長調からハ長調に移調してますが、
他はすべて原曲の調通り。
といっても、
聴き分けられるわけもないのですが(^^ゞ


リラクゼーションCDという売りだったからなのか
新譜で買った時は安かったのですけれど、
今は、たとえば Amazon だと中古で
約3倍の値段になってますね。

……買っといて良かった。