前に中野振一郎のDVDを紹介した際、
ロワイエの「スキタイ人の行進」は
曽根麻矢子の演奏で聴いたことがあると書きましたが、
それが収められているのが下の1枚。

(エラート WPCS-5901、1997.6.25)
通算4枚目のソロアルバムです。
録音は1997年3月4~6日。
販売はワーナーミュージック・ジャパンです。
現在、品切れの様子。
10年以上前だから、しょうがないか…(-_-)
Je l'aime はフランス語で
私はそれを愛す、という意味。
それ、とはチェンバロです。
そこで日本盤のサブタイトルに
「チェンバロに恋して」と付けられた次第。
使用楽器は、日本人の設計になる
クラヴサン・ビヤン・タンペイ社製のものとか。
詳細は不明ですが、音色からして
ピリオド楽器のコピーではあります。
実によく響いて、みやびな感じです。
フランスのクラヴサン曲と
スペインのチェンバロ曲を収録し、
最初と最後でバッハを弾いています。
最初はバッハの平均律クラヴィーア曲集 第1巻の第1曲。
グノーのアヴェ・マリアに使われたことで有名なので、
耳にする機会は多いし、
曽根さんも何度か録音してますが、
このCDで聴くといつもハッとさせられます。
音と響きが絶妙なのですね。
これでつかみオッケー、という演奏です(藁
ジャン=フィリップ・ラモーの3曲はどれもいいです。
《恋の嘆き》ニ短調は切ない感じだし、
《キュクロプス》ニ短調はドラマティックで、
《ソローニュのお人よし》ニ長調は愛らしい。
フランソワ・クープランの3曲のうちでは
《小さな風車》ホ短調がいい感じ。
ジャック・デュフリは《ポトゥアン》ハ短調のみ。
半音絡みの出だしが実にいい感じ。
ジョゼフ=ニコラ・パンクラス・ロワイエの
《スキタイ人の行進》は
自作のオペラからの編曲らしいですが、
騎馬民族が馬に乗って草原を駆け抜ける様が
目に見えるような、
実にテンポが良く、印象的な旋律です。
演奏は、力強さということでは
中野振一郎の方に軍配が上がるかと思いますが、
曽根さんの演奏は軽やかさが身上。
中野さんのが男性的で野趣がある演奏だとすれば、
曽根さんのは女性が颯爽と草原を駆け抜ける感じ。
ダンサブルな感じもします。
こういう印象の違いは、
使用楽器にもよるんだと思います。
どちらもいい。どちらも聴いてほしいですね(藁
以上がフランス人作曲家によるもの。
スペインからは
ドメニコ・スカルラッティのソナタ3曲と、
カタロニア民謡3曲を曽根が編曲して収めています。
スカルラッティのソナタ3曲の内では
ト短調ソナタ(K. 12)が、
ドラマティックでいい感じです。
カタロニア民謡の内、
《アメリアの遺言》と《鳥の歌》は
どちらも哀愁あふれる曲で、
まるでギター演奏のような音を出してます。
たぶんリュート風の音色を出す
リュート・ストップ(というものがあるはず)
をかけて、弾いているんじゃないでしょうか。
最後はバッハのトッカータ BWV 915で〆。
これは途中で、
阿波踊りのようなメロディーの
フーガがあるやつなんですけど、
ここでの演奏は、バッハにしては、
ちょっとフワフワしてる感じかな(藁
ま、当方、トッカータ自体が
あまり好みではないこともありまして(^^)ゞ
このCD、最初、買ったときは
バッハ以外はメジャーではないし、知らないし、
めったに聴かないしで、
あまりプレーヤーにかけなかったんですけど、
それでも何度か聴いている内に、
だんだん良くなってくるから不思議ですね。
個人的には、クラシックは
認知の度合いによって
親しみが湧いてくるものだと思ってます。
要するに、漢文の素読と同じ要領なわけです。
知っている曲だと気づくだけで、
いいなあ、と思えてくることもしばしば(藁
初見、というより初「聴」ですか、
それで分かるのはプロだけでしょう。
素人は訳が分からないまま聴いて
好みを云々してればいい(開き直り? w)。
というわけで、
思いがけず長くなっちゃいました。
長文深謝m(_ _)m
ロワイエの「スキタイ人の行進」は
曽根麻矢子の演奏で聴いたことがあると書きましたが、
それが収められているのが下の1枚。

(エラート WPCS-5901、1997.6.25)
通算4枚目のソロアルバムです。
録音は1997年3月4~6日。
販売はワーナーミュージック・ジャパンです。
現在、品切れの様子。
10年以上前だから、しょうがないか…(-_-)
Je l'aime はフランス語で
私はそれを愛す、という意味。
それ、とはチェンバロです。
そこで日本盤のサブタイトルに
「チェンバロに恋して」と付けられた次第。
使用楽器は、日本人の設計になる
クラヴサン・ビヤン・タンペイ社製のものとか。
詳細は不明ですが、音色からして
ピリオド楽器のコピーではあります。
実によく響いて、みやびな感じです。
フランスのクラヴサン曲と
スペインのチェンバロ曲を収録し、
最初と最後でバッハを弾いています。
最初はバッハの平均律クラヴィーア曲集 第1巻の第1曲。
グノーのアヴェ・マリアに使われたことで有名なので、
耳にする機会は多いし、
曽根さんも何度か録音してますが、
このCDで聴くといつもハッとさせられます。
音と響きが絶妙なのですね。
これでつかみオッケー、という演奏です(藁
ジャン=フィリップ・ラモーの3曲はどれもいいです。
《恋の嘆き》ニ短調は切ない感じだし、
《キュクロプス》ニ短調はドラマティックで、
《ソローニュのお人よし》ニ長調は愛らしい。
フランソワ・クープランの3曲のうちでは
《小さな風車》ホ短調がいい感じ。
ジャック・デュフリは《ポトゥアン》ハ短調のみ。
半音絡みの出だしが実にいい感じ。
ジョゼフ=ニコラ・パンクラス・ロワイエの
《スキタイ人の行進》は
自作のオペラからの編曲らしいですが、
騎馬民族が馬に乗って草原を駆け抜ける様が
目に見えるような、
実にテンポが良く、印象的な旋律です。
演奏は、力強さということでは
中野振一郎の方に軍配が上がるかと思いますが、
曽根さんの演奏は軽やかさが身上。
中野さんのが男性的で野趣がある演奏だとすれば、
曽根さんのは女性が颯爽と草原を駆け抜ける感じ。
ダンサブルな感じもします。
こういう印象の違いは、
使用楽器にもよるんだと思います。
どちらもいい。どちらも聴いてほしいですね(藁
以上がフランス人作曲家によるもの。
スペインからは
ドメニコ・スカルラッティのソナタ3曲と、
カタロニア民謡3曲を曽根が編曲して収めています。
スカルラッティのソナタ3曲の内では
ト短調ソナタ(K. 12)が、
ドラマティックでいい感じです。
カタロニア民謡の内、
《アメリアの遺言》と《鳥の歌》は
どちらも哀愁あふれる曲で、
まるでギター演奏のような音を出してます。
たぶんリュート風の音色を出す
リュート・ストップ(というものがあるはず)
をかけて、弾いているんじゃないでしょうか。
最後はバッハのトッカータ BWV 915で〆。
これは途中で、
阿波踊りのようなメロディーの
フーガがあるやつなんですけど、
ここでの演奏は、バッハにしては、
ちょっとフワフワしてる感じかな(藁
ま、当方、トッカータ自体が
あまり好みではないこともありまして(^^)ゞ
このCD、最初、買ったときは
バッハ以外はメジャーではないし、知らないし、
めったに聴かないしで、
あまりプレーヤーにかけなかったんですけど、
それでも何度か聴いている内に、
だんだん良くなってくるから不思議ですね。
個人的には、クラシックは
認知の度合いによって
親しみが湧いてくるものだと思ってます。
要するに、漢文の素読と同じ要領なわけです。
知っている曲だと気づくだけで、
いいなあ、と思えてくることもしばしば(藁
初見、というより初「聴」ですか、
それで分かるのはプロだけでしょう。
素人は訳が分からないまま聴いて
好みを云々してればいい(開き直り? w)。
というわけで、
思いがけず長くなっちゃいました。
長文深謝m(_ _)m