クイケン3兄弟盤は、オススメはオススメなのですが、
フルートの響きに、陰影がまだ強く残っている感じで、
ときどき、もっとクリアな演奏を聴きたくなることが
なきにしもあらず(贅沢な奴w)。

というわけで、
プレーヤーにかけることが多いのが、
最近だと、以下の写真の盤になります。

圏外の日乘-アンタイのフルート・ソナタ
(ヴァージン・クラシックス 7243 5 45350 2 4/1992)

ヴァージンの veritas シリーズの1枚。
veritas というのは「真実・真理」という意味で、
厳密には違うのかもしれませんが、
オーセンティックと同じようなニュアンスだと思います。

例によって、輸入盤ですので、
発売月日までは分かりません。
録音は1998年5月11~14日&6月22日。

収録されているのは
無伴奏フルート・パルティータと
オブリガート・チェンバロと
フルートのためのソナタ
ロ短調 BWV1030とイ長調 BWV1032、
フルートとヴィオラ・ダ・ガンバ、
通奏低音のためのソナタ ロ長調 BWV1039
の4曲です。

最後の1曲は、原曲が
オブリガート・チェンバロと
ヴィオラ・ダ・ガンバのためのソナタ BWV1027で、
それを編曲した
2本のフルートと通奏低音のためのソナタ BWV1039を
さらに編曲したもののようです。

演奏しているのは、マルクの他、
チェンバロのピエールと
ヴィオラ・ダ・ガンバのジェローム、
チェロのアヘート・ツヴァイストラ。

マルク、ピエール、ジェロームは兄弟で、
アンタイ3兄弟として知られています。
古楽演奏の第3世代くらいにあたるのかな、
クイケン3兄弟と好対照をなす古楽奏者です。

ピエールはレオンハルトに師事していて、
ゴルトベルクの優れた録音をリリースしています
(これはまた後に紹介したいと思います)。
この『フルートのためのソナタ集』を買ったのは、
バッハのフルート曲が好きだということもありますが、
そのピエールが参加しているからでもあります。

ピエールのゴルトベルクがそうであったように、
軽快で明晰、録音も良く、
まるでモダン・フルートのようです、
と書くと、いささか倒錯的な感想でしょうねえ(苦笑)
モダンの音に慣れている人にオススメしたい1枚です。