前に、ディズニーランドの
エレクトリカル・パレードの原曲は
チェンバロの音をサンプリングした
1967年発表のシンセサイザー音楽だと、
ウンチク書いときましたが、
そのネタ元は、有橋淑和(ありはし・すみな)の
CDのライナーでした
(執筆はたぶん、本CDのプロデューサー宮山幸久)。

圏外の日乘-チェンバロ・レボリューション
(キングレコード発売 KKCC 3004、2002.12.4)

レーベルは tamayura(たまゆら)だと思いますが、
マルPもキング・インターナショナルになってます。

このCD自体は、
19世紀末から現代に至るまでに作曲された
チェンバロ曲を集めた、珍しい企画アルバム。

ラヴェル(あの「ボレロ」のラヴェル)から
伊福部 昭(あの《ゴジラ》のテーマの伊福部)まで
15人の曲が収録されています。

その中のひとつが、
ジャン=ジャック・ペリーと
ガーション・キングスレーのコンビが作曲して
1967年の2枚目のアルバム
『カレイドスコーピック・ヴァリエーションズ』に収めた
「バロック・ホーダウン」。

これがウォルト・ディズニーの希望で、
エレクトリカル・パレードに
使われることになったのだとか。

有橋淑和が使用している楽器は
ミートケ(ジャーマン・タイプ)と
18世紀フレンチ・モデルのレプリカ。
つまり歴史的チェンバロです。

収録曲のほとんどが、
モダン・チェンバロを想定して
作曲されたもののはずですから、
かなり倒錯的な趣向のアルバムです(藁

ブゾーニのソネチネ第3番「子供のために」は
チッカリング社製のチェンバロを想定して作曲された
とライナーの楽曲紹介にありますけど、
チッカリングといえば、
グールドが、自宅で愛用していた
チェンバロに似た響きだだというピアノの
製造元ではなかったかしら。
チェンバロを作っていたとは、知らなかったけど、
面白い偶然(?)ですね。

ライナーのもう一人の執筆者・片山杜秀が、
1960年代生まれの人に
チェンバロの響きを初めて聴いた体験を聞くと、
アニメ『キャンディ・キャンディ』のイントロ、
と答える人が多いと書いてますけど、
『キャンディ・キャンディ』のイントロって、
そうだったの~?(いまだに未確認w)

私の場合、おそらく
映画《犬神家の一族》(市川崑監督、1976)の
大野雄二によるオープニングなんですけど(藁

ちなみにアニメ『おジャ魔女どれみ』のBGMでも
使われているので(もちろんサンプリング)、
80年代生まれの人にチェンバロ体験を聞くと、
こっちになるのかなあ(苦笑)

ともあれ、このCD、自分は
「バロック・ホーダウン」が入っているだけで
買いだと思って購入したのでしたが、
今のところ、まだ Amazon に在庫があるようです。

加えてこのCD、ネットで検索してみたら、
去年、ドイツのハンスラー(ヘンスラー?)から
再リリースされたようですね。

また有橋淑和は、淑虎 -Sumiko- という
ユニットの奏者として活躍しているようです。

いわゆるクラシックではなくクロスオーバー系?
この手のジャンルは詳しくないので、
よく分かりません。(^^;