スピードを身につけるために何をするべきか(最終回) | ほぼ日刊 Jのブログ

スピードを身につけるために何をするべきか(最終回)

今日で最終回です。
少し今までよりも長い文章になります。
ご容赦のほどを。

今までのエントリーはこちら。
スピードの重要性
なぜスピードが重要なのか
スピードを身につけるために何をするべきか (1)
スピードを身につけるために何をするべきか (2)
スピードを身につけるために何をするべきか (3)
スピードを身につけるために何をするべきか (4)
プライベートや長期投資よりも重要なもの
スピードを身につけるために何をするべきか (5)
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スピードを身につけるために何をするべきか(最終回)
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他者に業務を委任することも出来るように
なってくると、個人単体でのスピードから
チーム全体でのスピードが重要になってきます。

部下がいなくても、様々な業務での
リーダー格として、色んな人の協力を得ながら、
動くことが多くなってきます。

リーダーシップ、ピープルマネージメント、
コーチングなどマネージャーとしての
様々なスキルが求められるようになりますが、
組織論やマネージャー論は、あまりに広範囲の
話になるため、ここでは触れません。

すばらしい書籍やセミナーが世の中に
溢れかえっていますし、このレベルまで来れば、
遅かれ早かれ勉強すべきものだからです。

私が今日ここで触れておきたいのは、
この次により早く進むための考え方、
物事の認識の仕方です。

それは今これを読んでいる方が
まだ最初のフェーズの方だとしても、
今からでも役に立つ重要な考え方だと思います。

それは、

あなたの顧客は誰ですか?

という問いへの、答えです。

製造業の方であれば、製品を買っていただく消費者。
小売業であれば、お店に来店してくれるお客様。
士業であれば、依頼主。

会社という存在に対する顧客は、もちろん価値に対する
対価を払ってくれるカスタマー(顧客)です。

もちろんその通りなのですが、組織で働く一人のプレイヤー
として考えると、もっと直接的な顧客がいます。

それは、


「あなたの上司」です


あなたに仕事を依頼しているのは?

あなたの評価をしているのは?

あなたの給料を決定しているのは?

あなたのアウトプットで一番インパクトを受けるのは?

すべて、あなたの上司です。

例外はあれど、大多数のケースでは必ず。

自分が個人事業主やフリーランスとして、
現在勤務している会社に席を作ってもらって、
今の仕事を会社から業務委託されていると想像すれば、
分かりやすいと思います。

上司は自分の直接の顧客である。

このことを腹の底から理解できると、
成長のスピードが一気に加速します。

顧客である以上、顧客満足度が重要です。

つまり、彼、彼女の業務上のニーズ、ウォンツ、
抱える課題や悩みを理解して、それを解決してあげる
必要があるのです。

ここまで読まれている方であれば、
これはごますりをして、上司に取り入りましょう、
というレベルの話ではないことは充分ご理解されると思います。

上司の頭の中を常にイメージすること

これが最も重要なことです。

そして目指すべき到達点は、

「上司の先手を打てるようになること」

です。

イメージとして次のような感じだと思います。
後のほうがレベルは高いです。

1. 上司があなたに依頼した時点で既にアウトプットが完成している。
            ↓
2. 上司が依頼する前に、あなたからアウトプットが提出される。
            ↓
3. 上司すら気づいていなかった課題や機会に対する解決策を提案する。

いずれにしても、上司が何を考え、何に悩み、
何をしようとしているのか、を理解していないと
出来ないものばかりです。

そして、これを常に心がけるとビジネスパーソンとしては、
一気に成長が進みます。

なぜならこれは、上司の視点で全ての事象を見ることが、
必須になるからです。

常に自分よりも一段高いレベルで物事を把握、
処理しようとするので、負荷も半端ではないですが、
その分必ず自分の成長に繋がります。

例えば私の現在の上司は社長ですが、
自分が部下として常に考え把握しようとしていることは、

業界やテクノロジーの動向、会社のビジネスモデル、
財務状況、経営資源、製品戦略、競合状況、
コアコンピタンス、人事戦略、重点実施施策、
抱えている課題、潜在的な脅威、、、

などを上司の視点で捉えます。
自分の業務以外に非常に広範囲に及びますが、
とても勉強になります。

そしてこれら全体感の中で自分に今、何が期待され、
求められているのか。彼の頭の中の優先順位も
イメージしながら、日々動いています。

もちろん読み間違えることも多々ありますが、
大事なことは常にそのイメージを持つことです。
それによってどんどんイメージが修正され、
彼の頭の中をより正確に理解できるようになり、
先手が打ちやすくなっていきます。

サッカーでも野球でもそうだと思いますが、
トップチーム(一軍)でレギュラーを獲得している選手は、
みんな監督の戦略や戦術、意図をきっちりと
理解しているはずです。

実力があり、かつ監督の意図を理解している選手が、
使われないはずがありません。

上司の先手を打てる。

そしてこれはある意味、究極のスピードです。

相手の意図を理解して、相手より先に動けるのですから。
時間のロスが一切ない状態です。

そしてこれがかつてのエントリーで紹介した、
トップチームのレギュラーで求められるスピード感なのです。

なぜスピードが重要なのか
<引用>
彼ら彼女らとその周りで働く人達を見ていると、
さながら超一流のサッカーチーム同士の試合を観戦
しているようなもの。

めまぐるしくボールが動き、流れていく。

例えばこんなイメージです(笑)



これは英語が出来るか出来ないか、という内容ですが
私がお伝えしたいのは、その前のパスのやり取りです。

この流れに参加出来るかどうか。

<引用ここまで>

ここまで読まれた方であれば、既にこのレベルに到達されているか、
もしくはいずれ到達するはずです。

少なくとも同期の中では確実に頭一つは抜けているはずです。

そしてそれは、ひたすら自分のアウトプットのスピードを
極めて行くことで、かなりの確率で到達できるレベルです。

以上、過去の自分に対する深い反省と、何かの縁で
このブログにたどり着き、目を通してくれるかも知れない
若く未来あるビジネスパーソンに向けて、自分の見聞と経験を
まとめてみました。

既に私よりも先のフェーズにいらっしゃる方には、
長々とお目汚し失礼いたしました。

皆さんの何かのヒントになれば幸いです。
ここまで読んでいただいて、本当にありがとうございました。