「私は幸せだ」
モーツァルトのオペラ「イドメネオ」はこのセリフで幕を閉じる。
世界の大劇場でセンセーショナルな舞台を作り人気演出家となっているミキエレット氏は今回このシーンで、自ら死を選ぶイドメネオ王の覚悟と、大きな愛を表現することに成功している。
ってちょっとかっこよく書いてみたりする。
東京二期会「イドメネオ」の稽古も佳境に入っています。
普通、公演の前に演出の事やセット、解釈について書いてはいけない事が多いんだけど、今回はもうすでにウィ―ン公演を終えているものだから、演出について公表することが許されてます。(でも最後のあのシーンは言わないでって二期会の偉い方が言ってたから言わない、怒られたら怖いから♡)
イドメネオはギリシャ神話の中に出てくる槍の名手で、トロイ戦争で有名なトロイの木馬にも入っていたクレタ島の王様。50歳くらいのおっさんです。
トロイ戦争から帰るときにその偉いおっさんの船が難破して、みんな死にそうになるのです。そこでおっさんは、海の神ネプチューンに頼みます。
「命を助けてくれたら、岸に上がって最初にあった人間を生贄に捧げるから、助けてください!!てへぺろ!!!」
そして無事助かったイドメネおっさんが岸に上がって最初にあったのが自分の息子、王子イダマンテだったから、さぁ大変!!(どうでもいいけどイダマンテってドラクエの魔法に出てきそうな名前だよね。たぶんMP40くらい消費する魔法で、魔物全体に攻撃できるような。っていっつも稽古場で思うんだけど、誰にも言ってない、だってそんなこと考えてないで集中しろって怒られたら怖いから♡)
という出来事から始まるオペラでございます。
てなわけで公演まであと9日。
これから公演まで毎日「イドメネオ」について少しずつ書こうと思っています。
でももうお分かりのように、わたくし三日坊主ならぬ、一日坊主です。
もし公演まで計画通り書けたらば、どうぞ拍手を。
又吉