私が沖縄で一番美味しいと思う沖縄そばのお店、八重瀬の「風庵」。私にとって最も心地のよい場所のひとつでもあります。来沖するお友達がいれば、必ずお連れします。
先日は京都から、同じ綿本門下でヨガ講師をしているHappyが来ていたので行ってきました。昨年夏の終わりに伺ったのが最後なので久しぶりに楽しみにしていましたが、いつもながらの至福の時を過ごしました。


OkiShanti 沖縄、ヨーガ。-whiteFlower


冬の風庵、板の間に何気なく置かれた読谷の巨匠、大嶺實清氏の花器に霞草が可憐に生けられていました。今回はプライベートに奥のお席で軽めのそば懐石「風薫る」を頂きましたが、最初に出てくるのがおそばのお出汁です。味が変わるからとまずは何も入っていないままのお出汁からお食事が始まります。京都あたりでこんな事をされると個人的に鼻が広がってしまいそうですが、団さんのおもてなしを知る方は私を含めて、ただ、楽しいと思うのではないでしょうか。

OkiShanti 沖縄、ヨーガ。-katsuoBroth
最初のエントリー、かつお出汁。かなり濃いですが、クリアでとても上品なお味。幸せな気持ちになります。

いつものように座敷でお出迎えしてくれる青いシーサーたち。


OkiShanti 沖縄、ヨーガ。-Seasers


少し早めに到着した私たちは外でお庭を見ながら待っていたのですが、出てきた団さんがすぐに戸を開けてくださいました。帰り際には「大事なお客さんをお連れの時はお電話をしていただければ10分でも15分でも早く開けますから」とおっしゃいましたが、こころのこもった気取りのないお庭のお手入れを眺めているだけで楽しいのです。小さな、名もない花が器の中にたたずんでいたり、苔玉なのか盆栽なのかよくわからない小さな世界がぽつりぽつりとお庭に置かれています。そのどれもがお庭の中で存在感を持ち、同時に宇宙の一部として息づいているのです。

そば懐石はふたつめのお皿から箸がいりました。箸おきを置くときに発せられた言葉、実は風庵でも、私は初めて聞きましたが。

「みなさん、利き腕は右でしょうか。」

なんとこころが和むのか。ひととひとの関係が瞬時に花のように開き輝くような言葉。

OkiShanti 沖縄、ヨーガ。-genmaiSushi


お食事は変わらず美味しく美しく、お腹も満たされるのですがこころもみたされてゆき、その時間が止まった空間に身を置きながらある感覚に気がつきました。心づくしのおもてなしがされている場所というのは時間が連続的に流れていないのです。こころが開き、感覚の目覚めにも寛容になり、ゆったりしたり、驚きと共に少し興奮したり。「くつろいでいってください。」と言った団さんの言葉どおり、私たちはくつろぎ、幸せな気持ちになりました。

そして団さんはいつでも同じように、風庵に居ます。いつでもあの笑顔で、もてなしで迎えてくれる。私はスタジオにいらっしゃる受講生さんたちに、このような気持ちになっていただいているだろうか。至福の時を過ごしながら、自分を省みる良い時間ともなりました。



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