中学時代からの友人と1年ぶりの長電話をした。


腐れ縁的に仲良くしてきたK。


特に共通の趣味もなく、全く違う人種の私たち。


これと言って何かが一致していたわけでもないのに、


中学時代からなんだかんだで一緒にいた。


学校が離れ離れになってから


距離が近まった。


お互いに変化していったというのもある。


2人とも長電話が苦でなかったので、


平気で3~4時間語り合っていた。


そしていまだに気軽に連絡を取り合う友人だ。


何年連絡を取っていなくても、


急に


「いま何してる?」


とメールを送ると


「今日お茶する?」


と返してくれるKが好きだ。



 これは本人には伝えていないが、


私が私立中学を転出した理由の3分の1位はKが原因だった。


Kは言い方がきつくて、考え方がとても淡白。


何を聞いてもなにも教えてくれない。


私 「彼氏いるの?」


「付き合ったことある?」


「昨日は誰と遊んだの?」


Kの返事は


「秘密~。なんであなたにそれを言わなきゃいけないの?」



この15年間位の間、


Kのプライベートな話を教えてもらったことが無い。


彼氏ができたことがあるのかすら知らない。


はたから観れば滑稽な2人だ(笑)


けれど私はKとカフェで語り合う時間に居心地の良さを感じていた。


カフェで過ごしている時間も、


私ばかりが はしゃいで


ドリンクに食事にデザートに・・・・・・


と繰り返しオーダーをする。


Kは1杯のドリンクで済ます。


Kは決っしてお金が無いわけでもケチなわけでもない。


常にテンションに差がある関係だった。


 近年、Kが格段に変化しているように感じていた。


少しずつではあるが、


円くなってきた。


そして先月、


1人でフリマをしていたら


淋しくなってきて、


連絡をしたら


すぐに渋谷まで来てくれたK。


1年ぶりの再会だった。


Kの左手の薬指には指輪が光っていた。


私「彼氏できたの?」


K「左手の薬指に指輪をしているからといって彼氏がいるとは限らないじゃない~」


お決まりのパターンだ。


けれど今回は違った。


微妙にKが彼氏を酔わす様な会話をしてくる。


遠まわしに肯定してくれているかのような発言と、恋愛の相談的な内容をしてきた。


15年越しの願いが叶った瞬間だ。


メチャクチャ嬉しかった(笑)



 そしてつい最近、沖縄旅行の相談を受けた。


まず、Kから相談を受けることに慣れない私。



Kの希望にはかなり無理があり、


予算内でパッケージツアーを探しきれなくて困っているとのこと。


私は自分なりの方法で調べてみた。


そして出来るだけ希望を叶える手段を見つけた。


Kはとても驚いた声色で


「方法があったの?」


と飛び上がるような声を出した。


そのはしゃぎ様は15年間の中で初めてのもの。


K「私はあなたの人生になにか役に立ちたい」

 「これからも末永くよろしくおねがいします」

 「私は旅行に関してはそれなりのノウハウを持っていると自信を持っていたけれど里紗には負けたわ。私よりも執念深いんだね。本当に沖縄が好きなんだね。心から尊敬するよ。」


Kの声はいままでになく素直な音色だった。


本当に嬉しかった。



 私は沖縄が好きだ。


数年前まで、沖縄のことなんて全然知らなかった。


それがいまこうして誰かの役に立っている。


沖縄を愛することで誰かに「ありがとう」と言ってもらえた。


この上ない幸せだ。


 Kはこんな風にも伝えてくれた。


K「里紗は変わったよね。柔軟な人になったと思う。

昔はもっと視野が狭くて、人の意見を聞けない人だった。

自分の意見が絶対で、押し付けるところがあった。

でもいまは色んな人の意見を聞くことができる人になった。

幅が広がったよね。」



 K、ありがとう。


なんだかんだダラダラと長電話したり、友人関係を続けてきたような気がするけれど、


私もあなたに出会えて本当によかった。


過ごしてきた時間は宝物です。


お互いに屈折していた時期もあるけれど、


いま こうして微笑んでいることが嬉しいよね。


これからも、また数年平気で音沙汰無いかもしれないし、


頻繁に会うのかもわからない。


けど、突然連絡してもなにも変わらない


私の居場所がそこにあることが支えになっています。


いままでKは淡白で冷たい人だと思ってきた。


強い人だとも思っていた。


けど本当は違う一面もあるんだね。


私はあなたを決め付けて生きていた。


だからそういうあなたしか写らないし、あなたもそういう姿で私に臨んでいたのだろう。


どんなにモテるクラスの人気者も、スーパースターも


誰だってコンプレックスはある。


悩みも不安も持っている。


それはみんなに見せるわけじゃない。


それをわかってくれる・或いはわかってもらいたい人にさらけ出すのだろう。


 K、いままで私のことをわかってくれていないと思っていたけれど、


私もあなたのことを、ちっともわかろうとしていなかったね。


ごめんね。


これからも変化していくお互いの様をずっと楽しみにして生きていくからね。


こちらこそ、末永くよろしくお願いします。


いつか機会があったら、一緒に旅行に行こう。


(やっぱり気まずいから辞めておこうか(笑))