おととい登米市南方仮設住宅第一集会所で行われた
SAP交流イベントのご報告、その続きです。
そのまえに…ひとこと。
ふだんこのブログ上では、できるだけ明るく楽しい話題
笑顔になれるこぼれ話等をご紹介できるようつとめているつもりです。
そのため、今回ご報告しようとしている内容については迷いました。いまも迷いながら書いているというのが正直なところです。ですが、この拙いレポートを通じて少しでも被災者の方々の現状を知っていただき、関心が薄れて行くことをふせげるきっかけになればという願いをこめまして、今回の訪問でボクが見たまま聞いたまま、感じたままを書かせていただくことにしました。
二回に分けてアップします。長い文章になって恐縮ですが、
お時間のある時にでもお読みいただけましたら幸いです。
しかし、この南方(みなみかた)地域だけでもまだ、約200世帯もの方々が、老朽化の進んだせまい建物の中、窮屈で不自由な暮らしを余儀なくされたままでいます。もはや「仮設」とは呼べないほどの時間をずっとココで耐えておられます。
お邪魔するのは、個人的なものを含めて6度目のこと。今回は着いてすぐに、これまでと違った雰囲気を感じたのでした。
いつもは開場時間よりだいぶ早く来て、お茶を飲んだり談笑したりしていた元気なおばあちゃんたちの姿が見えません…。お客様の出足が遅いことが気になり、鈴木先生の指示のもと学生さんたちと一緒に一軒一軒PRをしに回りました。
ご年配の方々はこれまで通り私たちの訪問を喜んでくださり「ありがとう。ごくろうさま」と微笑んでくれます。でも、その表情は以前のものとは、あきらかに違っていました。少なくともボクの目にはそう映りました。笑っているのに、その顔々には表情が感じられない…。
一帯には、重苦しくどんよりした無力感のようなものが漂っていました。
「これまでと明らかに違ってきている」
そのことをひしひしと感じながら、焦りに似た気持ちで仮設住宅の敷地内を歩き回りました。 駐車場付近には、視線の定まらないうつろな感じの目をしながら、曇り空を眺め立ちつくす年配の男性―。
仮設と仮設の間の小路では、ひそひそ話のような声でしか会話しない(できない?)おばあちゃんたち…。
あの豪快な「ガハハハ!」が響いてこない。気が満ちていない…。
久しぶりに外から訪れた人間にしか感じられないことなのかもしれませんが、
仮設全体に驚くほど生気がなくなっているように思いました。
そしてそのことは単に、
住んでいらっしゃる人の数が減ったということだけがその理由ではない
ということを、自治会長さんからのお話で知ることができたのでした。
(その3へ)つづきます。