ヨイコと野花なカンケー | 高山広ショー店のブログ

高山広ショー店のブログ

シンガーソングライターのようなアクターディレクトライター、高山広のオフィシャルブログ。

先週のこと。

夕暮れ時リハーサルを終えたボクはめずらしく
小洒落たイタリアンで食事を、
いや、一杯やっておりました。
そこへ、
小学一年生くらいのお子さんを連れた
セレブな感じ漂う
二組の母娘がご入店、
ボクらの斜め後方のテーブルに座りました。
席に着くや女の子は良く通る声で
「すみませーん!この花を入れるカビンをくださ~い」
と、叫びました。 その子の手には、
どこからか摘んできたと思われる小さな植物が握られておりました。
若いママふたりは、黙って微笑みあいました。
「野に咲く小さな花のことまで思いやる、
なんて優しい心根をしたわが娘なのだろう」
そんな心の声が聞こえてきそうでした。
店員さんは戸惑い気味に返事をしたあと、
お水やおしぼりよりも先に
なにか器のようなものをテーブルに届けました。
「あ・り・が・と・お!」
女の子はとってもお行儀よくお礼を言いました。
満足げに4人はさらに微笑み合いました。
「だってぇかわいそーだもん!」
ママ二人は大きくうなずき、
そのとってもヨイ子の頭をなでました。

肝心のオーダーは、
その後しばらくたってからでした。


ボクはそのやり取りになんだか少し
違和感をおぼえたのでした。


お店を出たあとも、
ピロシ菌に侵されまくっている「劇励脳」をもつ
変態オヤジの妄想は続きます。

「キミ(花)にとって、元いた場所と
活けられたあの器のなかとでは、
どっちが幸せなんでしょう?
浅はかなボクなんかには気の毒としか映らな…」

…ボクのコトバを優しくさえぎり、
その小さな野花ははにかみながら、こうつぶやきました。

「カワイ草(そう)という名の植物はありませんから…」


梯子した場所へ移っても
おキモチ妄想は止まりません。
「あのあと、あの植物と母娘はどうなったのか」
ボクの予想はこうです。

食事を終えた女の子は得意げに、さらに屈託なく叫ぶのでした。
「すいませーん!このお花を持って帰る入れ物くださあーい!
ママたちは目を細め、その目には
うっすらと涙さえ浮かんでおったそうな。。

きっと当たってる。


(※写真は本文と関係ありません)

花瓶として再利用のボトル…
花瓶ではなくペットボトルに活けられた花…。
両者のおキモチはどんな。
アナタにはどんなドラマが浮かびますか。



本日も 愛し合ってまいりましょーー


For Smile…