人を育てられる人を育てたい | 老舗ニット会社三代目社長岡崎博之の自分らしく事業承継

老舗ニット会社三代目社長岡崎博之の自分らしく事業承継

東京の下町・墨田区・両国で、糸とセーターを売っている [丸安毛糸]の3代目社長です。 経営者の視点、後継者の視点、アパレル業界人の視点・・で気づいたこと、そして、自分らしく事業承継していく方法を書いています。みんなで一緒に元気になれるようにお伝えしていきます!


「Yさん、一つとっても感心することがあるんです。

私たちが仕事を教える時に、メモを取りながら聴いてるんですけど、すぐにそれを
マニュアル形式にまとめているんです。

どうして? って聞いたら、もし自分が教える立場になったらこれを使えるし、
私が教える人にもキチンと早く理解して欲しいし。それに、会社の業務マニュアルが
出来たらなおさらいいな、って思ったんです。と 」


これは、私が1月に中途採用で入社してくれたYさんのことを、担当上司に
聞いた時の答えです。

なるほどね〜

こんにちは。

私たち中小企業、恥ずかしながら、特に業務マニュアルがきちんとあるわけでは
ありません、、、

新しく入ったスタッフは、緊張し慣れない環境の中、新しい仕事、初めての仕事。
もちろんわからないことだらけ、ですよね。

私たちはしっかり教えて育てたいし、早く育ってイッパシになって欲しい。

教えられる人は、もちろん必ずメモを取ります。
でもそれって、大概は自分用。自分視点です。
自分さえわかればいい。

でもYさんの場合は、最初から違った。

最初から、他者視点です。

自分が理解すればいいのではなく、自分が教える立場になった時に
その人がより理解出来るように、、、と言う視点。

今自分はわからないことばかりだから、今だからこそ、これが出来ますよね。

う〜ん、いいな〜。

この話を聞いたので、早速Yさんを褒めようと思い呼びました。

ホントありがとうね。でもどうしてそう考えたの?

「以前の会社にもマニュアルがなかったんです。

後輩を教える立場になった時に、実は大失敗をしてしまい、、、その時の経験があったので作りたいと思いました。」

それに、、、

教わる立場になってまとめ直すことで、自分もより理解出来るし、自身の復習にも
なるんです。


私はスタッフをどう育てていきたいのか、と考えた時にいつも思っていることは、

人を育てられる人を育てたい

そう、自分が仕事を教えてもらって成長していくのですが、それを仕事で返すのと
同時に、その恩返しとして今度はそれを後輩に伝えていくこと、教えていくこと。
そうしてやっていきたい、と言う気持ち。

それも会社の一つの文化として、続けていきたい。

まあ、俗にいう難しいコトバだと、OJT ( On Job Training)かもしれないけれど、
テクニック的なことだけではなく、これを、この気持ちを社風、文化にしていきたいな、と思う。

企業が継続する一つの方法として、スタッフの教育、そしてそれを先輩から後輩へ
継続していくことが大事なんです。