公務員試験の面接官はプロなのか | 岡野朋一ブログ ~数的処理 特講~

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「面接ではウソをつけ」という本があります。

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この本は、民間就活向けに書かれた本ですが、民間就活でも公務員試験でも、面接は本音で行くべきか、ウソをつくべきかというのは、ある種の論争になっているようです。
「面接ではウソをつき通せるかどうかが勝負」と公言している人もいますし、ウソをつくほどではないにしても、「面接では小さな経験を誇張するのは当たり前」と言う人もいます。
では、実態はどうなのでしょうか。面接ではウソをつくべきなのでしょうか。

民間就活の場合は、面接官は「人事のプロ」、「人を見るプロ」だと言えます。
なぜなら、民間企業では新卒採用はもちろん、中途採用やキャリア採用など、年中採用活動を行っています。
しかも、面接官は何年も採用に関わってきたプロが担当します。

それに比べて、公務員試験の面接官はプロではないことも多い。
例えば、特別区のような大型の採用は、多くの受験生をさばくために、23区から寄せ集めた即席の面接官で対処することになります。
都庁も様々な部局から集めた職員で、面接に対処するわけです。
もちろん、面接官のための研修は行いますが、民間企業に比べれば、経験の乏しい素人と言っても過言ではないでしょう。

例えば、過去に、都庁の面接において学歴を聞かれた受験生がいました。
都庁の面接では受験生の側から自分の学歴を言ってはいけないし、学歴を聞かないことになっています。「○○先生のゼミに入っていまして…」というような大学名が分かるようなことも言ってはいけないことになっています。
しかし、その受験生は大学名を聞かれました。
「大学はどこ?」と聞かれ、受験生が口ごもっていると、「大学名を答えなさいよ」とさらに質問してきたのです。
これはあきらかに面接官のミスです。最後まで大学名を言わなかった彼は、結果、落ちてしまいました。その受験生は
この話を大変悔しそうに語っていました。

彼はどうすれば良かったのかというと、大学名を答えるべきだったと思います。面接の場に臨めば受験生は「まな板の鯉」ですから、面接官の問に答えなければいけません。この場合、大学名を聞いてきた面接官の落ち度であって、受験生には何の落ち度もありませんから、答えるしかなかったのだと思います。

しかし、ここで強調したいのは、「面接官の中にはこんなド素人もいる」ということです。
ということは、冒頭の「面接ではウソをつくべきか」という問は、「ウソを突き通してしまえ」ということになりそうですが、結論は逆です。
「やっぱりウソをつくべきではない」というのが答です。

なぜか。

プロの面接官は、面接のテクニック(採用する側にもテクニックがある)を使って、受験生の本性を見ようとします。
一方、素人面接官も、テクニックなしで、受験生の本性を見ようとします。
このいずれの面接官にも、ウソは通用しません。むしろ素人面接官のほうが、ウソを見抜きます。
なぜなら、素人面接官はテクニックがないゆえに、全力で受験生のメッキをはがしにくるからです。

したがって、いずれにしても、「面接は本音で行け」というのが私の結論です。
「面接官に語れるレベルまで、本音を高めること」
これが、面接官との相性に左右されない、絶対勝利の要諦なのです。