星の時間 -Stella tempus-
 山中湖から帰ったその足で、
『料理通信』の編集部に直行。

 広告部のTさんからの依頼は、
お酒と星の関係について、
広告がらみの企画を考えたいとの話。

 今年は木星が魚座を運行していたので、
魚座=海王星=海の幸やアルコール類という図式で、
今年のラッキーフードには、酒も入るとの話を前にしたのだった。

 ラッキースター、木星を使い、
その年の流行を探るというやりかたが占星術にはある。
しかしこれは一年単位のこと。

 もっと長いスパンで、時代や流行に関わってくる星はといえば、
公転周期84年の天王星(ひとつの星座に7年間留まる)や、
公転周期168年の海王星(ひとつの星座に14年間留まる)だろう。


 2011年4月4日、夢と幻想を司る海王星が、その守護星座である魚座に入る。
これは約170年ぶりのことである。
惑星が、自身が守護する星座に入ることを、Own sign(オウンサイン)
と言って占星術では重要視する。
 つまり海王星がその力を最大限に発揮できる魚座に入るのが、
2011年4月というわけだ。
芸術家に必要なイマジネーションやインスピレーションなども、
海王星が司る事象である。

 海王星をギリシャ神話の神にたとえると、
海神ポセイドンではあるが、
酒の酩酊の神ディオニソス(ローマ神話のバッカス)も、
海王星的な神と言える。
酒の力を借りて“自我”を滅却させること。
それこそが、ディオニソスの秘儀であった。
聖なるものとのコンタクトは、
まず“私”という意識を捨てることから始まる。


 2011年春から始まる、
海王星IN魚座時代をどう読み解くか、
それは『MOONBOOK2011』に書いたので、ご覧ください。
(出し惜しみ!?)

 この海王星が魚座に入る時代と、
酒との関係を占星術的に説明するのが私の役目である。
言葉が成立する以前に象徴あり。
シンボル=象徴は、
あるイメージを伝え合うコミュニケーションツールなのだ。


星の時間 -Stella tempus-
 星を使って時代を読み、
また商品の魅力を星で説明していく。
それには論理的思考ではなく、
一見、何の関係もないもの同士を、
シンボルでつなぐ直観的思考が必要とされる。

 とかなんとか小難しいことを書いたが、
要はイマジネーションを駆使した遊びの世界なのだ。

 商品開発などにも、占星術のシンボリズムは、
優れたツールとなりうるのだ。

 ちなみに写真は、5月末に出かけた
イギリスのDEVONの海。

星の時間 -Stella tempus-
サバを釣っているのは、スロバキアから来た旅人。

なんの関係があるのかって?
海=サバ=海王星なのだ(笑)。