星の時間 -Stella tempus-
 ダール・アラムを後にして、
同じ村にあるダール・エッサラームに泊まることにする。
こちらはもう少しカジュアルなプチホテル。
 このホテルを、クスール・ボヤージュと組んで作る、
砂漠のスペシャルツアーの中継地点にするのもいい。
実は、この日は満月(12月2日)。
スコーラという村は、まったく何もないところだけど、
月や星を見るには、最高のロケーションだ。
ダール・エッサラームのランプが可愛かった。

星の時間 -Stella tempus-
シンプルなランプシェードにアラビア語で、
「宗教」と言う文字が書かれている。

 夜になり、私はこのランプの明かりの下で、
なんと『CREA1月号』の山羊座、水瓶座、魚座をせっせと書いていた(笑)。
こんなところまで来て仕事もなんだが、12月は年末進行なので、
通常よりも締め切りが早まるのだ。
ときおり、外に出て空を眺めると、満月が頭上高く上り、柔らかな光を放っていた。

 次の日早く起きて、一気にマラケシュまで四駆を飛ばし、帰途に着く。
楽しい一泊旅行だった。

 さてマラケシュに戻ってからの私は、
メディナをぶらついて、ムアッシン通りの親父友だちの店で、
いつものようにお茶を飲んだり、おしゃべりを楽しんだりした。
 いつも歯科技巧室でタジンを作ってくれるオマールが、
病気だと聞いて、見舞いにいこうかどうか悩む。
でも手術を間近に控えているとのことで、
電話でお見舞いを言うに留める。
早くよくなって欲しい。

星の時間 -Stella tempus-

星の時間 -Stella tempus-

 そして2月から約3ヶ月住むことになるアパートメントに、
必要なものを徐々に買い揃えたりした。







 これは、私が育てていた植物と、モーリタニアのお人形たち。
植物はシバ(アブサン=ワームウッド)、マルダッドゥーシュ(マジョラム)、ラハザマ(ラベンダー)、ルウィザ(ベルベイン)などなど。
 帰国前日には、タクシーで友人宅に運び、庭に移し変えてもらった。“翔子の植物”として、また私が行くまで代わりに育ててもらうのだ。