韓国の朴槿恵(パク・クネ)大統領が、任期満了前に辞任することを記者会見で明らかにしました。韓国の国内情勢について、具体的なことを知り得る立場ではありませんし、また、私が何かコメントすることは適切ではないと思います。

ただ、朴槿恵大統領と長く交流してきた私としては、大変残念な辞任表明だと思っています。

事件の真相は、これから明らかになっていくと思いますが、そのこととは別に、2つだけ指摘したいと思います。

1つは、やはりこれだけ国民が大統領に対して厳しく批判した、支持率も5%を切ったというのは、韓国の国民の中に、大きなエネルギーが溜まっているということだと思います。

若者の高い失業率や、格差の拡大、あるいは厳しい経済状況などが背景にあるのではないかと思われますが、これだけの批判のエネルギーが蓄積されていたということに、驚いています。

今一つは、これからどういう手続きになっていくかは分かりませんが、事実上大統領不在という時期が長引けば、アメリカの大統領の交代時期ということもあり、特に北朝鮮に注意が必要だということです。

今までも、国連決議を無視したミサイルや核実験などが行われています。この年末年始にかけて、韓国の混乱がさらに深まるということではあれば、北朝鮮がそれを1つの機会と捉えて、大胆な行動に出る可能性があることは、十分に注意しておかなければいけないと思います。

官邸に対しても、政府に対しても、そこの備えはしっかりやってもらいたい。総理や官房長官いずれもが官邸を離れるといったことはないように、何があってもしっかり対応できるような態勢をとってもらいたいものだと思っています。