このシリーズを読んでくださった方から、ご相談をいただきました。

内容は、どのご家庭、どの学校でも起こり得ることですので、こちらにご紹介いたします。

みなさまも、どうかご一緒に考えてみてください。


男子校中学1年生の息子さんが、日頃から頻繁に友達とLINEでやりとり。

ある時、LINE上でけんかが起きて、100%悪いとされるA君への非難から「A君をいじめる会」が出来る。

息子さんは中立の立場をとりグループには入らなかったが、そのことでA君側に立ったと誤解され、グループの招待も却下される。

学校でもLINEの延長で、けんかが起きる。

学校の先生の指導も入ったが、真相は知らない様子。

息子さんは、「LINEは怖い。やらなければ良かった」と後悔。

黙って見るしかないのか?学校へ伝えた方がいいのか?


ご相談くださった方は、息子さんと一緒にこのブログを読んでくださいました。

まず、大勢に流されなかった息子さんの態度、立派です。

そして、中学生ともなると面倒な出来事はなかなか親に話さなくなる傾向がある中、親子間の信頼関係を強く感じました。


この場合、理想的な対応と流れは以下のようになります。


①親から学校に伝える。

②教師が生徒に指導し、学校は臨時に保護者会を開き、「ネットいじめ」について理解を促す。

③学校と家庭での指導が行き届き、LINE使用に注意を払い、あるいは使用を禁止して、「ネットいじめ」が軽減する。


クラスでいじめが起こる前に指導を行う場合は、効果も期待出来ます。

いじめが起きた時、学校に伝えることは原則です。

しかし残念ながら…

実際にいじめが起きてからの指導は、反省よりも「誰が告げ口をしたのか?」という恨みを買い、たとえ表面的にはおさまっても、いじめを激化させる可能性があります。

このあたりは、いじめの相談に関し教師にどれだけ配慮があるかにもよりますし、相談したことにより生徒が不登校になったり、命を絶つという最悪の結果につながるケースもあるのです。

逆に、大人に相談しなかったことによっても、最悪の結果は起こり得ます。


ではいったい何をすれば良いのでしょう…?


いじめは、「人はなぜ争うのか?なぜ戦争をするのか?」という問いと同様、人類がまだ答えを出し切れていない問題のひとつです。

その答えのない中で、「では、自分はどう生きるのか?」

親として、「どうやって子供を守りたいのか?」

そのことを、お子さんとじっくり向き合って話をしてください。

マイナスのように見える経験があるからこそ、自分が加害者にならない、後悔しない生き方を学ぶことが出来るのです。


ここで仮に、これから出来る行動の可能性を以下にあげてみますね。


A君が100%悪いのならば、A君に「謝ることは出来ないか?」と、実際に会って促してみる。

⇒(それにより解決するかもしれませんが、二人の接触を突き止められて、A君と同様、あるいはA君以上に息子さんがいじめられる可能性があります。)


「いじめる会」に抵抗があるならば、グループの中で話しやすい友達に、「もうやめよう」と促してみる。

⇒(相手も内心「これは良くない」と気づいていて同意するかもしれませんが、そのことがグループ全員に知れ渡り、いじめられる可能性があります。)


親を通して、学校に相談する。

⇒(改善するかもしれませんが、告げ口を恨まれたり、教師に指導されたストレスでいじめがひどくなる可能性があります。)


グループの親同士で話し合う。

⇒(理解を得られるかも知れませんが、子供のネットいじめに対し、親がネットいじめを始める事例があります。)


何もしない。

⇒(息子さんの今の微妙な立場はしばらく続くでしょう。万が一A君へのいじめがひどくなった場合、何もしなかった自分に責任を感じて苦しい思いをするかも知れません。)


これらは一例ですが、ご覧のとおり、「良かれ」と思って選んだことが、思わぬ結果につながることが、どの場合にも起こり得ます。

もちろん、子供の中にある良心だけで、おのずと解決に向かうこともあります。

その良心がおもてに現れるためには、家庭や学校、そして社会全体の日常的な支えが必要です。

そしていじめであれ何であれ、どういう事態になっても…

親が「子供を絶対に守りつづける」という思いを持ち、その思いを言葉にして、日頃から息子さんに伝えてください。

親に「子供を守るための知識やアイデア」がたとえなくても、この「絶対に守る」という強い思いがあることがいちばん大事なことなのです。

息子さんはその中で、「では、自分はどう生きるか?」ということを獲得していくようになるでしょう。


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