更新履歴

  • 2012-06-23
    • 初版
  • 2012-06-30
    • 懇談会の公式な要約にリンクを張りました

概要

2012年6月21日14時からパルテノン多摩の大ホールにて行われたサンリオ第52回定時株主総会のメモと駄文です。

株式会社サンリオ第52回定時株主総会のポスター

冒頭からトラブルがあったり、質疑がぶっ飛んでたり、議長自らが質問を出したりで、すばらしいエンターテイメントでした。

議長挨拶

議長の辻社長が「お忙しいところお越しくださり(略)」などの挨拶をしているときに、最前列にいた株主が「総会のやり方が法律に従ってない」などと大声を出してきた。辻社長が「後で質問の時間を設けるから座ってなさい」といったが、その株主が黙る気配がなかったため、辻社長は「私は85歳なのであなたは子供みたいなもの。発言したことは分かったから」とあしらい無視。それでも黙らなかったため「お引き取りください」と議長権限を行使し退場させた模様。

総会が法律に従ってない点があるのかは不明だが、議案の賛成と反対の票数を正確に数えること、役員の選出では役員個別で票数を数えること、ということあたりは東証からお達しが出ているので、面倒ではあるが実施したほうがよいとは思う。

あと、総会の最中なのに総務の人たちが当該株主の噂話をするのはやめたほうがいい。他の株主がいる前だから。

株主数と議決件数の報告

株主数は3万3130名、議決権の個数は88万。昨日までに権利行使した株主と総会に来た株主の合計は、株主数が7008名、議決権が71万により定足数を満たしていると総務部長から報告。

監査報告

監査役から間違いがないと報告。

事業報告

今年もアニメーション多すぎで BGM 付きの謎な PowerPoint。昨年のように YouTube にあげられるたらそこにリンクを張っておきます。

以下はいくつか気になったこと。

  • 売り上げは微減だが営業利益が爆増で過去最高。一般にこういう推移をするときは従業員が搾取されているケースがあったりするが、ビジネス形態が販売からロイヤリティへ移行していることによるものと考えるべきであろう。
  • 発表スライドの順序が国外が先で国内が後。国外を重視していることの表れだろう。
  • 米国ではウォルマートの影響もあり2.4倍の売り上げ。欧州は微減だが現地通貨ベースでは増加。為替で苦しんでいる模様。
  • 国外でのマスターライセンスの売り上げは国内扱いになってる。マスターライセンスのアプルーブをするのは日本本社だからということなのだろうけれども、素人考えでは国外扱いにしたほうが的確な気がする。まあ仮にそうすると日本が今以上にまずくなるけど。
  • 羽田空港の店舗での年間売り上げ実績が3億円。3億達成できているサンリオショップなんてほとんどないはずなので驚異の数字。たいていの店舗ではクリスマスシーズンに1日で100万達成したかで一喜一憂しているくらいのはず(要出典)。スカイツリーやお台場も好調らしい。
  • 株主優待はハンドタオルセット(100株以上)とキッチンマット(1000株以上)。シナモロール10周年でシナモンデザインになっている。うかつだった。過去、優待がシナモンデザインの時は多めの株数で、そうでないときは100株かそこらで権利確定していたが、今回は見逃していたっぽい。
  • 株主構成比率で外国が昨年9%だったのに今年は13%になっている。
  • BGMが昨年は『ハローキティの妖精フローレンス』の曲をループさせていたが、今年は複数のショーからインスト版の曲を流していた。『ジュエルペットのどきどき! マジカル☆マーチ』、『シナモンのひみつの扉』、『ハローキティのオズの魔法の国』からかな。『シナモンのひみつの扉』はもう上演終了していることもあり、尚且つDVDでは収録されていない部分もあったりしてで、つい聞き入ってしまった。

質疑

敬称略です。受付番号というのは総会の会場に入るときに議決権行使書と引き換えで受け取る入場票に書かれている番号のことです。

辻社長が質問の途中に割って入ることが減り、回答するときに鳩山さんや佐藤さんに振ることが増えていました。株主総会としては正しいこととはいえ、辻節が減ってしまったのは残念です。

質問者1 (受付番号41)

外国人株主

  • 質問者: 外国人株主が増えてきている。どの国が多いのか、今後も増やしていく方針があるのか、なぜ外人が日本の株を買うことができるのか。
    • 信太郎: 株式公開は日本だけ。
    • 鳩山: 大きい会社だと外国人比率のうちの30%か40%を占めている会社もある。米国、香港、シンガポールに起源がある投資家が主に買われている。海外投資家は増やしていきたい。その理由としては、日本の市場で海外投資家が増えてきていることとサンリオが海外で成長していることによる。中長期的には20%くらいを目指したい。
  • 質問者: 今後海外で株式を買えるようにする予定はあるか。
    • 鳩山: 現在のところない。
  • 質問者: 外国人投資家はどのようにして日本の株を買えるのか。
    • 鳩山: 正確に述べると、株式公開は日本のみで行っており、海外の企業は日本の証券会社を通じて買っている。
  • 質問者: 外国向けのイベントをする予定はあるか。
    • 鳩山: 年に2-3回は大きなカンファレンスやイベントに参加している。個別に投資家向けの説明も行っている。
  • 質問者: ライセンスを受ける企業に重点を置いて説明をしているのか。
    • 鳩山: していない。株を買われる海外投資家はほとんどが金融機関だからだ。
  • 質問者: ありがとうございました。
    • 信太郎: 先の数字でもあったように外国人投資家が増えてきている。今日の日経新聞では、外国人投資家が日本の市場から去っていっていると言っている。特にソニーなど。サンリオはその逆。

質問者が株のことを知らな過ぎて質疑がかみ合っていない。質問者は株をやったことがないのだろうか。

質問者2 (受付番号83)

女性役員

  • 質問者: 女性の役員を増やしてほしい。
    • 信太郎: 女性向けの商品が多いのでそうしていきたい。

不自然な質問。何かの回し者だろうか。

大学教授の社外取締役

  • 質問者: 大学教授の取締役を入れてほしい。
    • 信太郎: 現在も入っているし今後もお願いしていきたいと思っている。

これまた不自然な質問。何かの回し者だろうか。

質問者3 (受付番号99)

他社キャラクターへの対抗戦略

  • 質問者: リラックマが売れている。それに対抗する策はあるか。
    • 信太郎: 売れてますか。
  • 質問者: 自分の周りを見た限りではとても売れている。私もちょっと好きになりかけている。
    • 信太郎: じゃあ今度はキティちゃんを好きになってください。キャラクターマーチャンダイジングというビジネスは私が40年前に始めた。今では他社もたくさんキャラクターを出してきており、それらはサンリオのビジネスのやり方を真似してやってきているわけであり、ビジネスのやり方は真似されてしまう。それらに対抗することよりかは、コラボレーションしていきたい。リラックマの隣にキティちゃんが並ぶようなこともあるかもしれない。対抗するのではなく仲良くやっていくのがコラボレーションというやり方。リラックマのファンもキティちゃんのファンも両方が喜ぶ。そこの会社(サンエックス)の人のことは知らないので、(質問者は)キティちゃんとのコラボレーションどうですかって(サンエックスに)言ってあげてください。

随所で辻節が連発されており、競争ではなく協調を重視する辻社長らしい回答。

質問者4 (受付番号444)

ショー小道具のグッズ

  • 質問者: 『ハローキティのオズの魔法の国』でキティが劇中で使っているイチゴの携帯電話をグッズとして出してほしい。『ハローキティのくるみ割り人形』での剣だったり洋服だったり。ショーの DVD もサンリオショップになかなか売っていない。値段が高くてもよいので子供の買いやすいものを出してほしい。
    • 信太郎: 近場で(DVDを)売ってくれということか。
  • 質問者: いいえ。ピューロランドで売ってくれててもいいが、(オズでの)携帯電話などを売ってほしい。そういったものを出してくれると子供の為に親がお金を出しやすくなる。
    • 佐藤: オズについてはエメラルドグラスを販売している。他の商品についても前向きに検討したいが、値段が高くなってしまって売れないと思われ難しい。DVD については本社からサンリオショップに置くように言っているので店頭に置いてあるはず。レンタル用のDVDもあるのでツタヤなどにも行ってみてほしい。
    • 信太郎: いつもピューロランドに来てくださりありがとうございます。

ショーDVDをよく買わさせてもらっている身としては、ギフトゲートでピューロランドのショーDVDが扱われていないことはめったにないように思える。確かにピューロランドのフェスティバルプラザなみに揃えているところはないだろうけれども。

レンタル用のDVDについては、サンリオが行っている各種バーゲンで放出されることが最近よくあるのでレンタルDVDを買ってしまうのもおすすめ。5枚で1000円だったりするので本当におすすめ。ショーDVDはピューロランドでのバーゲンでは出てきてない気がするので、ピューロ以外でのバーゲンでゲットしましょう。

質問者5 (受付番号410)

海外事業所

  • 質問者: 先日のNHKスペシャル(追跡!世界キティ旋風のナゾのこと)によるとヨーロッパ向けのデザインはミラノで作っているということになっていた。ヨーロッパは広いので今後はどうする予定か。
    • 鳩山: ヨーロッパではハンブルグを中心として営業、デザイン、アプルーブなどを行っている。ミラノは出張所であってマーケティングやデザインを行っている。イギリスにも出張所がありイギリス向けのマーケティングとデザインを行っている。ファッションやトレンドに感度の高い街のミラノに出張所を置くことで流行に沿ったデザインになることを狙っている。NHKの放送で誤解をさせてしまったかもしれないが、他の地域ではドバイ、ロスアンジェルス、ブラジルなどで各地向けのデザインを行っている。

確かにヨーロッパは広い。2010年10月にデンマークとスウェーデンに出張に行く前にSanrio Europe の店舗検索で北欧4国 (デンマーク、スウェーデン、ノルウェー、フィンランド) にあるサンリオショップを調べたらデンマークのコペンハーゲンに1店 Sanrio Shop Cph があるだけだった。その1軒しかない店舗も日本の百貨店内サンリオコーナーよりも小さく、置いてあるグッズの半分くらいが日本で売られている商品のラベルを張り替えただけで、出張先の選定誤ったかなあと思わなかったわけではない。まあ日本で手に入らなそうなグッズを持てるだけ持ち帰りはしましたが。

それから2年近く経ったこともあってか、現在のデンマークでは店舗がたくさんあるようだが、他の3国は1軒も出てこない。やはりまだヨーロッパと言えど国ごとの差異があるのだろう。

作者サイン会

  • 質問者: 5月にハーモニーランドでの崎山先生のサイン会は2番目にサインさせてもらいました。サイン会の開催が不定期なので定期的にやってほしい。それによってハーモニーランドやピューロランドの売り上げにも貢献して赤字が減るはず。色紙にサインするのではなくぬいぐるみなどにサインすればもっと売れるのではないか。
    • 信太郎: (崎山さんのほうを向いて)ぬいぐるみにもサインできますよね。
    • 崎山: (うなづく)
    • 信太郎: 崎山さんは一人しかいないのでサイン会を頻繁に実施することは出来ない。たとえばシャツに書いてくれって言われれば書けますよね。
    • 崎山: (うなづく)
    • 信太郎: 書きますからどうぞ持ってきてください。

色紙以外のサインって少ないんでしたっけ。自分の場合、色紙と色紙以外を選べるときには色紙以外のを選ぶことが多いこともあってか色紙以外のほうが多い。憶測ではあるが、サイン会の開催上の都合で遠地の場合は色紙しか用意されておらず、遠地のサイン会にまでも頻繁に出かける熱心な人の場合には色紙ばかりになるのかもしれない。

中には調子に乗るお客さんが出てくるので、冗談とは言えシャツにもサインするというこのような不注意な発言はいかがなものかと。グリーティングの時に私物を持たせるなだとかみたいな余分な注意書きが増えてしまう。

地下駐車場のキングハッピー

  • 質問者: 地下駐車場にあるキャラクターの像の中でキングハッピーだけが汚い。お客さんが他のキャラクターの像の写真を撮っていたりするのはよく見かけるが、キングハッピーだけが取り残されている。キングハッピーの替わりにいちごの王様を置いたらどうか。
    • 佐藤: キングハッピーは22年も前のキャラクター。今ではピューロランドはピューロ (キングハッピー、ティンカー、ヤムヤム、キャプテン、チックトック、トワイライト、ツゥインクル、メロディのこと) ではなくサンリオキャラクターを優先するようになっている。
  • 質問者: ピューロはサンリオキャラクターではないということか。
    • 佐藤: サンリオキャラクターではあるがピューロランドのためのコンセプトキャラクターである。

今はもうほとんど見る影もないピューロたち。某所の忘年会において、ピューロの名前を列挙するというクイズが出され、オープニングスタッフも結構な割合でいたはずなのにクイズとして成立してしまうくらいにまで忘れ去られている。この会で一番偉い人の爆弾発言は今でも忘れない。ああ無念。

質問者6 (受付番号505)

ピューロランドでは外国人を満足させられない

  • 質問者: 会社の経営はグローバルになっているようだが、ピューロランドはグローバルになっていない。外人が遊びに来てもがっかりして帰っている。
    • 信太郎: がっかりしないでくださいよ。
  • 質問者: アトラクションは頑張っているしパレードはすばらしい。一方でレストランはスタッフの覇気が感じられず天と地の差である。館長が変わったことで改革をしていってほしい。私にもいろいろと案がある。
    • 信太郎: ピューロランドの劇場ビジネスであって、乗り物が少ない。劇場でショーを出す必要があるので大変な手間がかかる。パレードの Believe は大変なショーであり、上演するには200人もの人手が必要 (多すぎるので1回あたりではない数字か) である。Believe の全容を知るには1回見たきりでは足りない。大学の先生曰く1か所で10回見て、見る場所が10か所あるので合計100回見る必要がある。そのくらいピューロランドの一つ一つのショーは作りこんである。
  • 質問者: 平塚さんはなぜやめることになったのか。
    • 信太郎: 体調が悪くなったため。40年以上サンリオに勤めており一番古くからいたといってもいいくらい。決して成果が出なかったから退陣というわけではない。
  • 質問者: (何か言っていたが、マイク担当の人がマイクを取り上げていたため聞こえず)
    • 信太郎: レストランについては頑張ってもらうことにする。
    • 佐藤: 改善していきます。
    • 信太郎: 人間なのでその日によって気分が重いこともある。

レストランはいつも何か言われるのようだ。一昨年と去年のラーメンとか(昨年の質問者3)。まあ自分も1階のレストランがおいしいと思ったことはない。すまぬ。4階は味が良いところとか、見た目で楽しむところとかがあるので、とりあえず4階に行けばいいんじゃないですかね。

質問者7 (受付番号154)

M&Aされる危険性

  • 質問者: 他社キャラクターを取得するために M&A をなさっているようだが、サンリオが他社に M&A される危険はないか。たとえばアメリカの某ネズミの大きな会社とかがキティを欲していたりしないだろうか。ただ相手が猫だからネズミが逆に食われてしまうかもしれないが。
    • 信太郎: ネズミのキャラクターというとミッキーマウスですかね。ディズニー社とは昔は仲が良かった。ディズニー社がサンリオのキャラクターを欲しがっているかもしれないが、今のところ M&A される危険はゼロと言ってよい。サンリオは50年以上も続いている会社であり、私がずっと社長をしてきている。社長が頻繁に変わるそこらの会社とは違う。安心してキティちゃんのファンになってください。

会社の存続年数の統計は簡単に調べられるとしても、社長の就任年数は簡単には調べられなさそう。50年だと上位何パーセントくらいになるのかな。

質問者8 (受付番号532)

中国系ファンド

  • 質問者: 中国系のファンドが日本の株を買いあさっているという噂がある。
    • 信太郎: 実態は分からない。

質問者は何を聞きだしたかったのだろう。分からない。

サンリオ株の低迷に対する対策

  • 質問者: 平成13年度はサンリオの株価が急落している。増配や自己株式取得などで市場にメッセージを出す必要があるのではないか。
    • 信太郎: 配当を上げるなどを行っていきたい。今年は配当が40円だったので株価4000円くらいだったとしたら、配当を50円にしたら株価が5000円になるかもしれないということで配当を上げたい。サンリオは工場を所有しているわけではないので、利益を再投資をする必要がない。そのため利益を配当に回すことや自社株買いが可能である。自社株買いはこの間やったばかりではあるが、状況によってはまた実施する。日本人に株を買ってもらいたい。

この回答では日本人に株を買ってもらいたいとなっており、質問者1に対する回答と食い違っている。社長陣営と副社長陣営の方針がまだ一部あっていないのだろうか。

北米とアジアの戦略

  • 質問者: 北米とアジアが伸びている。それらの地域での戦略を聞きたい。
    • 信太郎: 後の懇談会で詳しく話すので要点のみ。中国は偽物が多く手間がかかる。今年あたりから中国に手を付ける。中国は北米よりも大きなマーケットになると思っている。マレーシアにピューロランドのようなものがそろそろできる。中国にもテーマパークが再来年でき、明日佐藤館長が中国に行って話し合ってくる。こういう商売はステップバイステップで時間がかかる。事実キティがここまで大きくなるまでに50年 (キティ自体はまだ30うん年) かかっている。

マレーシアか。旅費も安いし、昔は英語が公用語で現在は準公用語のようだし、行ってみたいのう。

質問者9 (受付番号160)

円高による影響

  • 質問者: 北米はウォルマートがけん引したものの、ヨーロッパでは為替レートの関係で健闘できなかった。今後ヨーロッパではどのようにしていくつもりか。
    • 信太郎: 為替は本当にとんでもない。円高になっているのは政府がそういう方針なのだから仕方がない。ウォン安を仕掛けている韓国と真っ向勝負できるわけもなく、日本の企業はみな痛手を負っている。
    • 鳩山: ヨーロッパでは物販からライセンスへの移行をしているため売り上げは減っているが利益は増えているので成長している。ヨーロッパでは特にフランス、ドイツ、イタリアがメインだが、中東やアフリカやインドも含んでいる。そのため長期的にはヨーロッパ地域はもっと伸びると思っている。ただし短期的には為替の影響がある。北米では数字で分かるようにとても好調である。海外事業に期待してほしい。

円高が政府の方針などという危ない発言をして消されなければいいですが。ITバブル後に不景気は政府に責任があるとかいう危ない発言をしていたのにもかかわらず無事だったので、今回も大丈夫だと信じてます。

パレードのリニューアル

  • 質問者: パレードの Believe が長く続いている一方で、アトラクションでのショーはサイクルが短い。パレードもそろそろ新しいものに変えるべきではないか。
    • 信太郎: 先ほど (質問者6での回答) も言ったが Believe は100回見る必要がある。ピューロランドは全天候型屋内パークであるため入場者数に制限があり、6000人以上入れると消防庁からおしかりを受ける。自分はすでに80回ほど見ているがまだ飽きてきていない。100回以上見ている人もいるかもしれないが、まだ100回見ていない人はたくさんいるだろうから、しばらく Believe を続けさせてもらいたい。

自分の場合見る場所がチョコレートファクトリーやジュースファクトリーの方面ばかりになっていて、すみません。たまに違う場所から見ることがあっても10か所から見てない気がします。本当にすみません。

HKT の指原をハーモニーランドとコラボ

  • 質問者: AKB から HKT に左遷 (原文ママ) された指原莉乃は大分出身で大分市観光大使も務めている。大分にあるハーモニーランドとコラボレーションさせてはどうだろうか。
    • 信太郎: 名前までは知らないが、九州のほうに島流し (原文ママ) になった人ですかね。ピューロランドの中には200人の出演者がいて、その中に20人に対して訓練を行っている最中である。そのため他所のタレントではなく内部のタレントを育てていく方針で行きたい。

このブログ記事はまず各見出しだけを一気に書いて、それから本文を埋めていくという書き方をしています。自分で見出しを書いておきながら、この見出しの HKT という三文字を見て Hello KT のことかと勘違いしてしまいました。KT の二文字を見て Kitty と読めてしまったとしたらあなたも同類です。

質問者10 (受付番号884)

テーマパークの海外客

  • 質問者: ピューロランドにくる海外客の数や構成を教えてほしい。
    • 佐藤: ピューロランドでは去年6万人、今年3万5千人、ハーモニーランドでは今年8千人であった。震災の影響が大きい。香港や台湾などが多い。ハーモニーランドは韓国が多く3割ほど。今後は海外のテーマパークにも力を入れていく。

中国での観光ビザの要件が緩和される前に、総会で緩和による影響がどのくらいかという質問がありましたが、それについての結果報告を聞いてない気がします。来年以降の質疑での回答でどっかに混ぜ込んでくれるとうれしいです。

ヨーロッパでの物販からライセンスに切り替える理由

  • 質問者: ヨーロッパで物販からライセンスに切り替えようとしている理由を教えてほしい。ヨーロッパでの売り上げが成長していないように見える。
    • 鳩山: (ペンを手に持ちながら) 仮にこのペンが500円だとしたら、物販の場合は売り上げが500円だが、ライセンスの場合は 5% の25円の売り上げとなる。物販からロイヤリティに切り替えることで見かけ上の売り上げは減っているかのように見えているが、実際の市場での売り上げは大きくなっている。そのようにビジネスモデルを切り替えているため、売り上げが伸びていないことについてはご理解いただきたい。北米の成長はウォルマートによるものは20%程度の影響であり、ウォルマートだけでなく北米全体が伸びている。
    • 信太郎: ロイヤリティとは特許料でビジネスをするようなもの。著作権ビジネスと言ったら、昔は作家が原稿を書きその本を売るくらいのビジネスモデルしかなかった。一般の商品に著作権をつけることでロイヤリティを取るという著作権ビジネスにおいてサンリオは先駆者なので応援していただきたい。

かつては、今でもであるが、ブランドのロゴが入っていることによって品質にたいする安心感があるためにブランド品が類似品よりも高い値段であっても売れていた。現在では工業化のおかげで品質はもうどれも十分な域に達しており、消費者の要求がより高次に移ってきているためだろう。

質問者11 (受付番号310)

キャラクターを増やさず守りに入っていないか

  • 質問者: 昨年の総会でキャラクターを増やしたくないとおっしゃっていたが (昨年の質問者7)、守りに入っているのか。
    • 信太郎: 難しい質問でよくわからない。ともかくキティちゃんについては、NHK で『東京カワイイ★TV』という番組があり、その番組の取材が世界中に行っているがどの地域にもキティがいたことを不思議に思ったらしく、NHKスペシャル(追跡!世界キティ旋風のナゾのこと)になった。キティちゃんは世界一なのでみんなキティちゃんとコラボしたがっている。そうやってみんなに育てていってもらいたい。キャラクターのイメージというのは重要なのでスキャンダルになるようなことは避けたい。たとえば自動車だとした場合にキティちゃんの自動車が事故を起こしたりしたら、キティが人を牽いたなどと報道されかねない。
    • 佐々木: 国内ではマイメロディが前年比2倍ペースで売れている。キキララも同様に売れている。ジュエルペットは国内の市場規模150億円になっており、8月11日には映画(『ジュエルペット スウィーツダンスプリンセス』のこと)が計画されている。このようにキティ以外にも力を入れている。コラボレーションについては ONE PIECE やエヴァンゲリオンなどと手広くやっているので、いろいろと見ていただきたい。
    • 信太郎: キャラクターとのコラボレーションの話がったので、今度は商品とのコラボレーションの話をしてもらう。
    • 福嶋: ピューロランドについての質問が多いため出番が来るとは思っていなかった。商品とのコラボレーションについては、マクドナルドなどとコラボレーションを行っている。他にも食玩関係がよく売れており、デパ地下などの商品にも使われていて非常によく売れているとのこと。ホテルとのコラボレーションもあり、国内にはキティとシナモンで計33室の部屋がある。宣伝で申し訳ないが、明日キティの切手が3000万枚発売される。団扇型のダイカットとなっており切手ファンの人にも満足していただけると思っている。キャラクターを使いたい方は私に一声かけてください。

自動車の例は、まさかキティ自動車に乗っている人への牽制なのか。

海外のご当地キティ

  • 質問者: 国内でご当地キティが売れているが、海外でもやっているか。

この質問に対する回答はこの場ではなかった。質問者12での鳩山さんのところでフォローされているのでそちらを参照のこと。

質問者12 (議長)

議長自らが質問をしたと仮定してほかの役員に喋らせるという珍しい催し。台本でそうなっていたのか無茶ぶりだったのかは不明。いつも質問が偏るので、このような方法で事業領域にもれなく質疑があるようにするのは面白い。

国内物販

  • 信太郎: 「国内の物販はどうなっているんだ」という質問がありますが、実際にはないのでこっち (議長) からあったとして、国内物販の状況はどうなっているか聞いてみたい。
    • 宮内: 毎年の報告では不採算店の退店の話が出てきており消極的になっているかのように思われるかもしれないが、積極的に進めている。お台場やスカイツリーなどのツーリストが多いところに出店することで売り上げを出している。特にスカイツリーが予算を大幅に達成しており、8月に20アイテムを投入する予定。12月には梅田でも子供だけでなく大人も満足できるような店舗を出店する。

数年前にエンターテイメントショップという枠のフラッグシップ店が何店かありましたが、そういうコンセプト店を今後も出していってほしいなあと個人的には思ってます。

外国におけるキャラクター

  • 信太郎: 外国のキャラクターの状況を。
    • 鳩山: 海外では9割がキティであるがほかのキャラクターについても営業をかけている。キティのおかげでサンリオの知名度が上がってきているため、他のキャラクターも営業がだいぶやりやすくなってきた。キキララやマイメロディが売れてきている。アジアではキティ以外が30%を占めるようになってきている。海外のご当地キティについては、ニューヨークでは自由の女神キティ、ロサンゼルスのハリウッドキティ、ロンドンのハロッズキティ、パリのエッフェル塔キティなどのメジャーな地域のご当地キティはすでにある。今後は大都市以外のご当地もやっていきたい。

ぜひともシナモン君もお願いします。

ヨーロッパ、北米以外の海外

  • 信太郎: ドバイ、親日のトルコ、イスタンブールあたりの状況を。
    • 邦彦: ドバイには15店出店しており Hello Kitty Beauty Spa というエステ店もある。中東では40店ありクウェートに Hello Kitty Cafe をオープンする予定である。レバノン、ヨルダン、カタールなどにも出店している。サンリオは110国の企業とビジネスをしており、150国で商品が流通するようになっている。未確定ではあるが2015年にニューヨークにフラッグシップ店を、同じく2015年に中国にテーマパークを開く。アフリカにも進出していきたい。海外旅行の予定があれば、どこにサンリオ関係の店や商品があるかを問い合わせてほしい。
  • 信太郎: 韓国の済州島にあるロッテホテルは1フロア丸ごとがキティになっていて予約をしようとしたが、予約が1年先まで埋まっていて取れなかった。たまたまキャンセルがあったと連絡があったが、仕事の都合で行くことは出来なかった。なのでまた1年待ちになっている。今度は2フロアがキティになるらしい。皆さん株主は、株主なのでサンリオを応援してくれているはずです。僕は真面目にきちっとした企業として守ることだけは守っていくので、株主の皆さんはキティちゃんを宣伝してもらうことで、他のキャラクターたちをキティちゃんの配下 (原文ママ) にしていきたい。質問は以上を持って終わりにさせていただきます。みなさん拍手してください。ここ (議長台の上のカンペ) に拍手って書いてあるんですよね。

株主からの質問は、場合によっては長くなりがちで要点がよくわからないことも少なくない。質疑の進め方は、最初は事業報告と議案に関するもの、後でその他の質問という風に議長から指示が出されるものの、守られることがほとんどない。

なので質疑の進め方として以下のものを提案したい。総会の前か最中に、紙なりメールなりツイートなりで質問を集めておき、質疑の前半はそれらの質問の中から選んで回答していく。後半は従来通り挙手で質問をしてもらう。このようにすれば、質問の内容が逸れまくって議長が「ここぞという質問を」と修正をかける場面が減るはず。

議案の決議

3つの議案とも拍手で適当に可決。総会前の権利行使で可決が確定しているからでしょう。

  1. 定款一部変更の件
  2. 取締役13名選任の件
  3. 退任取締役に対する退職慰労金支給の件

懇談会

今年も『このごろ思うこと』というタイトルで辻社長がひたすらしゃべる。時間は20分だけだったのでだんだん時間が短くなっている気がする。時間は短くなってしまっているが内容はいつもの辻社長の通り。

勝手な3行まとめ

  1. デフレスパイラル
  2. 幸せとは仲良く助け合ってゆくこと
  3. キティのメッセージを広めてください

公式の要約

第52期(平成24年3月期)営業のご報告 の2ページ目に掲載されています。この営業報告は総会後に株主に郵送されてくるものになります。

要約していない長いバージョン

最近の国内情勢、世界情勢を見てみても明るいことがなにもない。国内だけでなく海外も大変な時代になっている。こんな状況で日本で大きく伸びている企業が少なくなってきているように思えたならない。イノベーションが最近全く出てきていないことに原因があるのではなかろうか。

150年前に蒸気機関が発明され、電球、ラジオ、電話、自動車、航空機が発明されていった。僕が大学を卒業したときに出たきたものがテレビであり、プロレスを目の前で見ることができた。野球中継も実況の声ではなく目で見ることができるようになった。テレビが欲しいと思った。最初はアメリカ製のしかなかったが、東芝、日立、松下、ソニー、東洋、シャープなどが作り始めた。これにより雇用が発生し国民所得が上がり景気がよくなるというサイクルが発生した。

テレビ以降は発明がない。iPhone や iPad はあるとはいえど、雇用が生まれておらずテレビ以上のイノベーションになっていない。iPod は7000円と安いので雇用を生んでいないことがよくわかる。ものづくりはテレビ以降は停滞している。雇用を生まないから世界中で景気が悪くなっていると考えている。

ものづくりのが終わってしまったが、その次に終わったものは販売業だった。かつては商店街にはいろんな店があったが、百貨店や量販店、コンビニにより商店街はシャッター街になってしまった。テレビショッピングや通信販売などの販売業も成長の余地がなくなっていった。

作る喜びもなくなり所有する喜びもなくなったとしたら何が残っているのだろうかと考えてみた。今はものがあふれている時代であり、自動車免許を取ったとしても自動車に乗らない人が多い。何が幸せなのだろうかと考えたら、やはり長生きすることなのではなかろうか。僕が子供のころは、60歳といったら年寄りで80なら長生きと言われていた。自分は85歳であるが、今の基準ならば80で年寄りで100なら長生きといったところだろう。医学が発展したらそれらの基準も100と120になる。がんも移植で治ってしまう時代がやってくる。ところが医学も薬学もアメリカが先行している。日本は医学や薬学の道では勝負できない。

長生きをする中での幸せはなんであるかを考えて、親子や兄弟が仲良く助け合っていくことで幸せにしてあげようとした。白物家電で工業国日本ができているときにソーシャルコミュニケーションビジネスを始めた。ホールマークとギフトカードを作り、お祝い事にちょっとしたメッセージをつけて贈ることでコミュニケーションをしてもらいたかった。そうやってサンリオはソーシャルコミュニケーションビジネスを始めてとうとう50年たってしまった。

今の人間にはものにあふれていてコミュニケーションが大切であることが浸透してきた。アメリカでもコミュニケーションビジネスが広がってきている。Facebook などがその例。Facebook をはじめたらすぐに友達が200人くらいできてしまったが、そんなのは本当の友達ではない。Facebook の友達は友達とはいえない。仲良く助け合って分かち合えるの友達のことを友達と呼ぶ。

コミュニケーションビジネス自体は真似をされてしまうので、small gift big smile のキャラクターマーチャンダイジングの方式をとった。キティちゃんを代表としたキャラクターたちで仲良くすることの大切さを伝えようとした。

キティちゃんはかわいいが、単にかわいいだけではない。3つのメッセージがある。「かわいい」というメッセージでは、かわいい格好をしなさいということではなく、皆からかわいがられるように振る舞いなさいという意味。「リボン」は結んで仲良くしなさい。「口がない」のは口で言うのではなく行動で示しなさい。このようにして世界中の人が助け合ってすばらしい社会を作ろうというメッセージが込められている。キャラクターを通して世界中の人が仲良くなってくださいというのがソーシャルコミュニケーションビジネスの意義。

世界中の人が助けあってほしいから海外でビジネスしてる。ギフトで幸せになってもらい、劇場で楽しんでもらって助け合うことの重要性を訴えている。サンリオショップは110か国にある。直接営業をしているわけではないが、多くの国にその精神が伝わってきているのではないかと思う。日本に来た外国人のお土産はかつて日本人形だったが、今では日本でしか売られていないキティちゃんを買っていくのが最高の土産になっているくらいだ。

ロイヤリティというビジネスは、物を売るのではなくキティちゃんを貸してビジネスを助けるというもの。助けた分の利益増分をロイヤリティとして分けていただくビジネスモデルだ。キティちゃんのグッズを持ちたい、キティちゃんのベッドで寝たいという気持ちを、子供たちだけでなく大人にもそのような気持ちを満たしてあげたい。メッセージ性を持ったキャラクターは他社ふくめキティちゃんくらいしかいない(要出典)。サンリオにもたくさんのキャラクターがいるがメッセージを持っているのはキティちゃんだけ(要出典)。

サンリオの株価は昨年の4000円から安くなってしまって申し訳ないと思っている。株主を重視するサンリオは、利益を配当や自社株買いに割り当てていきたいと思っている。工場も持っているわけではないので再投資の資金は必要ない。小売店の出店に必要な資金はたかが知れている。

お台場やスカイツリーに入っているテナントで売り上げが一番大きいのはサンリオ(要出典)。お土産にはキティちゃんがついているものがいいという現れ。

経営においては、法律を犯さないことを第一に刻んでいる。昔は脱税が当たり前だったが、サンリオは過去の一度もやってはいない。株価が安くなっていることであちこちから電話がたくさん来ている。市場全体が安くなっているからという言い訳はせずに、サンリオ株を持つことの意義を伝えるようにしている。

株価が仮に高くなったとしても売らないでほしい。株主名簿を見ると1年間で個人が1万人以上減ってしまった。サンリオを応援してくれているのだからずっと持っていてほしい。それに応えるべく配当や自社株買いでメッセージを出していきたい。また役員、社員一同が努力して結果を出していくようにしていく。ぜひとも今後も応援していってもらいたい。

ピューロランドが面白くないといわれたが、こんなに努力してショーを作っているところは他にはない。テレビとかでは15分のショーで1度も衣装チェンジがなかったりするが、ピューロランドでは30分で衣装を3回も変えている。みんなに喜ばれるショーの集団を作って世界に出していきたい。ピューロランドでも利益を出せるようにしろと言われているが、日本のピューロランドは同時に6000人までしか入れないので、お客さんの数を増やす方向ではなく質のいいショーでより満足していただけるようにしていきたい。

マレーシアにもテーマパークができる。ユニバーサルスタジオでもキティちゃんが人気である。中国で計画している大型のテーマパークでは、出資はしないが入場料のロイヤリティをパーセンテージで取る形態で進めている。ショーなどはこっちから教育を行う。

コラボレーションの売り上げというものは予測ができない。そのため来期計画はいつも弱めに出している。心の中では計画よりも先を行けるようにいろいろ考えている。ヨーロッパで売り上げが落ちているのは市場が落ち込んでいるだけ。現に北米は延びている。

今期末の配当は25円。預金しても利息がつかないからサンリオ株をもってください。株価の上下で一喜一憂するのではなく、キティちゃんのファンになって応援してください。

特に外国人に対してみんな nakayoku というメッセージを伝えてほしい。東北で被災者に水や食事を配るときに彼らはマナーよく一列に並ぶ。中国人はそのマナーを見て信じられないという。自分らであれば並ばずにわれ先に取りに行くと。このような日本人の譲り合いの心を世界に広めていくのがキティちゃんである。

最前列に座っていたおっかない人 (議長挨拶の時に騒いでいた人のこと) は前回も「この次は見てろ」とか言っていたけれども、皆さんは温かい目でサンリオの将来を見守って応援してください。

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