昨日、ある友人(法曹関係者です)が、SNSでこんなサイトを引用していました。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20130220-00000301-bengocom-soci&1361332890
大雑把に言うと、以下のような内容です。
①恋人や夫に浮気相手がいる場合などに、浮気相手側に別の相手を近づけて誘惑させて結果的に恋人や夫に破局させる「別れさせ屋」という商売がある
②別れさせ屋に依頼した人が、「公序良俗に反する」として、支払った約100万円の返還を求める訴えを起こした
③公序良俗に反するかはケースバイケースだが、わかれたいと思っている夫婦の一方が相手を陥れて離婚訴訟を有利に進めようとするような使い方(①とは違う使い方です)の場合は公序良俗違反と言えるだろうが、恋人が浮気相手と別れさせるための場合などは、いえない場合もあるのではないか
というような内容です。
その友人は、そこに書いてある記事に批判的でしたが、そもそも、議論のすり替えやら法的説明の不十分さやら、あらためて読むとつっこみどころ満載の記事ですね・・・。
というのも、支払った100万円を返してもらえるかは、公序良俗に反するかどうかだけでは決まらない(法律用語だけで説明は端折りますが、不法原因給付にあたるのではないかという問題もあります)し、陥れようとした人が、恋人を取り返したい一途な人より保護されやすいかのような記述になっていてミスリーディング気味だし、2つの事例の違いが依頼者の動機にあるのか夫婦と恋人の違いにあるのかも分からないし・・・
それより何より、この「別れさせ屋」の一番の問題点は、本当に看板通りのことをやっているかどうか非常に怪しい、ストレートにいえば、金だけ前払いで取って何もしない、要するに詐欺の可能性がかなり高いと思われることでしょう。
というのも、この手の商売というのは、
①依頼者は大抵いっぱいいっぱいの精神状態で正常な判断が出来ない
②実際に実行したか確認できない
③実行したとしても、失敗する可能性は高い
④依頼者にも良心の呵責や恥ずかしさがあるので中々公に出来ない
ということで、だましやすく、かつ、いいわけも出来て、表に出づらい。こんなに詐欺をしやすい環境はないわけです。
商売そのものの存在等を前提にした法律解説というのは、根本的にずれてると私は思います。