シンクタンクの野村総合研究所が「新生日本イニシアティブ構想の提案」と題して、リーマンショック以降の日本の復興のシナリオを描いている。


それによると、『この大不況の深刻な点は、単なる経済的不況に留まらず、産業・社会の根本的なあり方や人々の生存や生活そのものが脅かされているということだ。こうした世紀的危機を克服していくたけには、世界の再生と持続的発展に向けて、産業、社会、価値システムのパラダイムの転換が必要だ』としている。


このパラダイム転換の中で、世紀的危機からの脱出のために、日本が取り組むべきは、産業システムの転換であろう。これまでは、資源・エネルギー、食糧、環境などの地球的制約を受けず、供給と需要の拡大が可能であった。だが、これからは様々な生物的制約を受けることを前提とした、「生存産業システム」への転換をはかっていくことが重要だ。


この時、基幹産業になるのは、環境、資源・エネルギー、食糧、水供給、福祉介護、医療・衛生、安全安心、健康・保養などの分野だ。これらを担っていくのが日本であり、このシステムを先導的に構築し、モデルを成果を世界に提示していくべきだ。


ここには5つのイニシアティブを柱にしている。

グリーン(環境、エネルギー、資源、森林)、ブルー(海洋、水)、ライフアップ(介護、健康、スポーツ、地域、安心安全)、ジャパンブランド(クールジャパン、就業)、ウィズ・アジア(アジア環境、アジア版交通・原子力・道路システム)などとなっている。


私は、この中のジャパンブランドイニシアティブの中にある『ステイジャパン推進プログラム』がおもしろく、研究もしているが、その成果をすばやく世に出していこうと思っている。