こんにちは。行政書士の大越です。
このブログでたびたび取り上げてきた東京都の青少年健全育成条例の改正問題ですが、今日、許可申請の申請書の書式をダウンロードするために東京都のホームページ
見たら、トップページに条例改正についてのショートカットが大きく出ていてちょっとびっくりしました。
東京都も、大変なようですね・・・・。
ところで、ニュースによると、東京都議会で、問題の、青少年健全育成条例の改正問題で、参考人を読んだ委員会があったようです。
調べてみると、社会学者で有名な、宮台真司先生が出席したようですね。
個人的にこの方に好感を持っているので、どんな答弁をしたのか気になって検索したら、ありました。(都議会で実際に行ったものは、少し違うようですが)
http://2cheureka.nomaki.jp/tojyourei01/
いや、やっぱり説明が上手いですね。
個人的に法律業は、法知識よりも説明力(プレゼン力)だと思っています。(問題発言?)
特に行政書士は、相手が個人であったり、公務員であったりする場合が多いので、なおさらです。(公務員だって管轄する法律以外は、知らない場合が多いですから)
ここまでわかりやすく、かつ理路整然に説明されると、賛成側の参考人は大変なのではないでしょうか。
このような理論展開や説明方法は、ぜひ自分も参考にしていきたいと思います。
このブログでも、この条例の問題点を過去に取り上げましたが
、おおむねずれていなくて安心しました。
ただ、この条例問題の個人的感触を正直に書くと、、、、このままいった場合、この条例が可決される確率は、多分60%前後なのではないかと感じます。
早い話が、情勢は東京都側がやや有利です。競馬でたとえると、東京都がハナの差で逃げ切ってしまいそうかなぁという感触です。
ニュース等で見ていると、東京都議会の与党(自公)は、過半数を割っていますが、賛成への意思が、非常に底堅いです。
他方、野党は、条例反対では一致していますが、廃案と修正決議で割れてしまわないか心配です。
反対運動に参加されている方も、イメージしている着地点が人それぞれ違うでしょうから、仮に野党が対案を作る場合、割れずに支援できるかも心配です。
ちなみに、これからの東京都の行動予定としては、おそらく、自らと与党系人脈にお願いして、条例案の賛成署名を集めて、次の議会に提出するのがとりあえず定石だと思います。
署名は、保護者、教育に携わる人、青少年自身・・・などから集めることになるのではないでしょうか。
そして、署名提出の時の説明は、多分議会で次のように言って野党の動揺を誘うはずです。
「青少年の現場からこのように、条例改正を求める切実な声が多数あがっている。マンガオタクの声ばかりを聞いて、このような当事者たちの切なる声を、都議会は無視するというのか」
たとえばこのような、「ゲンブツ」を持ち出されてしまうと、理論だけで反対するにはなかなか難しい所があります。
理論だけで法令作成・議決が出来ていたら、どんなに効率的で、住みよい世の中になるでしょうか・・・。(元経験者としての愚痴)
これを崩すには、その署名と同じ立場の都民の人から、「条例反対に反対する」という署名を集め(そして出来ればそれを請願として出してしまう)ればよいのですが、署名集めは、かなりの作業量をこなせる事務局を用意できるかなかなか負担のかかる作業なのと、署名してもらう文面の文言で意見統一が図れるかがボトルネックになるような気がします。
今回の反対活動は、MIXIやツイッター、ブログなどで相互に情報を交換しあう、いわゆるP2P型なのだと思います。ネットで見させていただいた限り、反対者のウェブサイトにも明確な「中心」と呼べるものが見当たりません。このような形は、今までの政治活動では考えられなかったことだと思うので(専門家じゃないからはっきり言えませんが・・・)、画期的だとは思いますが、反面、統一行動が難しいという弱点があるように思います。
(追記 5月21日)
条例に反対する請願署名が始まったそうです。
http://yama-ben.cocolog-nifty.com/ooinikataru/2010/05/post-6e5c.htmlあと、この記事の中での条例の行方についての予想は、報道その他の情報による個人的な予想です。
筆者が特に何か情報を掴んでいるわけではありません。