増補・核をめぐる言説
2012年3月


「3.11」から1年後となり、数多くの書籍が刊行された。もちろん、圧倒的に東電福島第一原発事故に関連したものが大半を占める。

70冊ピックアップしたうち、
以下6冊については当ブログで記事を書いている。

原子力と宗教 日本人への問い 角川oneテーマ21 鎌田東二、玄侑宗久 角川学芸出版 
 宗教者による原発、震災論。非常に重要なテーマであるが、あまり良い議論が交わされているようには読めなかった。なお、タイトルは「震災、原子力と宗教」であるべきだったのではないだろうか。


「原発避難」論 避難の実像からセカンドタウン、故郷再生まで 山下祐介、開沼博 編著 明石書店
 3.11以降、長期にわたる原発事故による避難の実態を複数名の研究者がまとめている。ビッグパレットふくしま、さいたまスーパーアリーナなど、その多くは避難した自治体や、避難所の運営の側に焦点をあてている。ある種の緊急出版であり、目に余る誤字脱字や論文としての稚拙さなどがあったとしても、内容そのものは、非常に意義のある刊行物である。

原発と建築家 僕たちは何を設計できるのか。再生可能エネルギーの未来、新しい時代の建築を考えた。 竹内昌義 編著 学芸出版社 
 原発も建築物であり、建築家がどう原発をとらえているのか、知りたいと思い本書を読んだ。大半の建築家はエネルギー問題を避けており真剣に向き合っていないというのが実情のようだが、作者はその中で、省エネを進め、原子力に依存しない生活空間や建築の可能性を切り拓こうとしている。

いまこそ私は原発に反対します。 日本ペンクラブ 編 平凡社
 作家とは何か。「ペンクラブ」とは何か。作家を名乗る人たちが集まって「原発に反対する」という本を出すのは、どういう意味があるのか。本書の中には興味深い文章ももちろん含まれているが、どうもすっきりしないものが残る。

3.11大震災と厚労省 放射性物質の影響と暫定規制 大塚耕平 丸善出版 
 元厚労副大臣が事故当時に食品の規制などどのような考えで対応したのかを率直に知れる。またさらに、脱原発派も推進派もいずれにせよ科学者やマスコミがいい加減な主張をすることを厳しく戒めている。公平な目をもった良書。


核燃料サイクル施設の社会学 青森県六ケ所村 有斐閣選書 舩橋晴俊 有斐閣
 非常に硬質な本。真面目に核燃料サイクル施設の社会的な機能を分析し、その負の側面を明らかにしている。しかし、もう少し読みやすくできると思うのだが・・・

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福島原発事故独立検証委員会 調査・検証報告書 福島原発事故独立検証委員会 ディスカヴァー・トゥエンティワン 

レベル7 福島原発事故、隠された真実 東京新聞原発事故取材班 幻冬舎 

プロメテウスの罠 明かされなかった福島原発事故の真実 朝日新聞特別報道部 学研パブリッシング

放射能に克つ農の営み ふくしまから希望の復興へ 菅野正寿 編著 コモンズ 

原発に「ふるさと」を奪われて 福島県飯舘村・酪農家の叫び 長谷川健一 宝島社

里山の自然とくらし 福島県鮫川村 東京農業大学短期大学部生活科学研究所 編 東京農業大学出版会

フクシマ元年 原発震災全記録2011-2012 豊田直巳 毎日新聞社

フクシマを歩いて ディアスポラの眼から 徐京植 毎日新聞社

最高幹部の独白 福島原発の真実 今西憲之 朝日新聞出版

東電原発犯罪 福島・新潟からの告発 佐藤和良 編 創史社

ラジオ福島の300日 片瀬京子 毎日新聞社

フクシマからはじめる日本の未来 大友良英 アスペクト

福島きぼう日記 世の中への扉 門馬千乃 講談社

3.11東日本大震災3県4紙合同プロジェクト 岩手日報・河北新報・福島民報・福島民友 岩手日報社 企画制作 3県4紙合同プロジェクト 

地方の論理 フクシマから考える日本の未来 佐藤栄佐久 青土社 

福島原発多重人災東電の責任を問う 被害者の救済は汚染者負担の原則で 槌田敦 日本評論社 

世界が見た福島原発災害 3 大沼安史 緑風出版 

放射性廃棄物のアポリア フクシマ・人形峠・チェルノブイリ 土井淑平 農山漁村文化協会

待ちつづける動物たち 福島第一原発20キロ圏内のそれから 太田康介 飛鳥新社 

原発事故と食品安全 農林水産業再建と食品安全確保への試練 遠藤保雄 農林統計出版 

検証原発事故報道 あの時伝えられたこと 広河隆一 監修 デイズジャパン

ドキュメントテレビは原発事故をどう伝えたのか 平凡社新書 伊藤守 平凡社

原発と正義 対話型講義 光文社新書 小林正弥 光文社

メディアは大震災・原発事故をどう語ったか 報道・ネット・ドキュメンタリーを検証する 遠藤薫 東京電機大学出版局

なぜ院長は「逃亡犯」にされたのか 見捨てられた原発直下「双葉病院」恐怖の7日間 森功 講談社

サイエンスカフェにようこそ! 科学と社会が出会う場所 滝澤公子 編著 冨山房インターナショナル

恐るべき柏崎刈羽原発の危うさ 「原発ゼロ」の願いに背く泉田県政 新潟県政ブックレット にいがた自治体研究所 編 にいがた自治体研究所 

チェルノブイリ原発事故がもたらしたこれだけの人体被害 科学的データは何を示している 核戦争防止国際医師会議ドイツ支部 合同出版

終りのない惨劇 チェルノブイリの教訓から ミシェル・フェルネクス 緑風出版 

チェルノブイリ 家族の帰る場所 フランシスコ・サンチェス/文 朝日出版社 

安斎育郎先生の原発・放射能教室 第2巻 安斎育郎 文・監修 新日本出版社

カラー図解ストップ原発 4 大月書店

フランス発「脱原発」革命 原発大国、エネルギー転換へのシナリオ バンジャマン・ドゥスュ 明石書店 

むかし原発いま炭鉱 炭都「三池」から日本を掘る 熊谷博子 中央公論新社 

脱原発の市民戦略 上岡直見 共著 緑風出版

原発と自治体 「核害」とどう向き合うか 岩波ブックレット 金井利之 岩波書店 

図解原発のウソ 小出裕章 扶桑社

誰が負を引きうけるのか 原発・ダム・空港立地をめぐる紛争と市民社会 ダニエル・P.アルドリッチ 世界思想社 

さようなら、もんじゅ君 高速増殖炉がかたる原発のホントのおはなし もんじゅ君 河出書房新社 

おしえて!もんじゅ君 これだけは知っておこう原発と放射能 もんじゅ君 平凡社

原発・放射能キーワード事典 野口邦和 編 旬報社 

新聞記者が本音で答える「原発事故とメディアへの疑問」 わが子からはじまるクレヨンハウス・ブックレット 田原牧 クレヨンハウス

ゴジラとアトム 原子力は「光の国」の夢を見たか 慶応義塾大学アート・センター 編 慶応義塾大学アート・センターBooklet 

原子力市民年鑑 2011-12 原子力資料情報室 編 七つ森書館

今こそ考えよう!エネルギーの危機 第2巻 化石・原子力エネルギー 藤野純一 総監修 文溪堂 

よくわかる原子力とエネルギー 1 放射線がよくわかる本 ポプラ社 

よくわかる原子力とエネルギー 2 原子力発電がよくわかる本 ポプラ社 

よくわかる原子力とエネルギー 3 これからのエネルギーがよくわかる本 ポプラ社

今、原子力研究者・技術者ができること 有冨正憲 編著 培風館 

現代原子力法の展開と法理論 卯辰昇 日本評論社

あの日からのお母さんのしごと わが子を放射能から守る知恵と工夫 境野米子 ワニ・プラス

放射能除染の原理とマニュアル 山田國廣 藤原書店

これから100年放射能と付き合うために 菅谷昭 亜紀書房 

放射能時代を生きる3つのアクション Danger 危険値を知る Decision 判断する Do 行動に移す先に進む 辛淑玉 七つ森書館 

世界一わかりやすい放射能の本当の話 完全保存版 宝島sugoi文庫 別冊宝島編集部 編 宝島社 

東日本大震災後の放射性物質汚染対策 放射線の基礎から環境影響評価、除染技術とその取り組み 齋藤勝裕 監修 エヌ・ティー・エス 

放射線リスクコミュニケーション 健康影響を正しく理解するために 柴田義貞 編 長崎新聞社

放射線線量測定学 西臺武弘 文光堂 


放射性廃棄物の憂鬱 楠戸伊緒里 祥伝社新書 

反被曝宣言 武田邦彦 双葉社 

内部被曝 岩波ブックレット 矢ヶ﨑克馬 岩波書店 

台湾の被爆者たち 平野伸人 編・監修 長崎新聞社 

核セキュリティの基礎知識 国際的な核不拡散体制の強化と日本のとるべき対応 木村直人 日本電気協会新聞部

ふたたびの春に 震災ノート20110311→20120311 和合亮一 祥伝社


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