「女脳文学特講」 著者 山下聖美さん 日芸の准教授。
タイトルを見るとどんな内容なのと思いますが
林芙美子、尾崎翠、与謝野晶子、平塚らいてう、伊藤野枝、野上弥生子、金子みすず
そうそうたる女流作家たちはこんな人だったよ~という本です。
与謝野晶子VS平塚らいてう ← これ面白いです
「母性保護論争」で国家は母親と子どもを保護すべきと主張した平塚らいてうに対し
女性は経済的に独立することが大切、国や夫から経済的な援助を求めることを依存主義と批判し
た与謝野晶子。
その性格の違いを私立女子高タイプ、平塚らいてう。
公立共学校タイプ、与謝野晶子と表現していて思わず、なるほど~
明治、大正、昭和と女性解放、社会主義と自分の意見を持つものの声を出せない世の中で
表現する手段が文字であり文学だったのね~と今頃気づく
雑誌「青鞜」を立ち上げた平塚らいてうは日本女子大出身
発起人メンバーもほぼ日本女子大出身
当時大学に進学できる女子は良い家柄の人だと思うんだけど
文学を学ぶのはいいが、小説を書くのは禁止だったらしく
日本女子大を中退して作家の道を進む人も多かったのだと。
恵まれた環境で女子大に進学しても、自分の意見が言えないのなら辞めてやる
作家になって自由に自分の意見を発信してやるってな感じでしょうか
日本女子大創立者、成瀬仁蔵の掲げた教育方針は
「女子を人として教育すること」
「女子を婦人として教育すること」
「女子を国民として教育すること」
いつでもそうだけど、理想と現実の間にはギャップがありますね
その後、いろいろやらかした平塚らいてうのエピソードが物語ってる気がする
与えられた理想じゃなくて、私は私の生きたいように生きるのよって
女流作家の生き様を知るのは楽しくてワクワクしますよ
今度は作品を読んでみようかな