先日のダウンロード版の発売に続いて、

 

与謝野晶子訳『源氏物語』CD版 全五十四帖、このたびすべて発売となりましたビックリマーク

http://www.digigi.jp/bin/showprod?a=66649&c=9784775984314

 

 

オーディオCD版全八巻 CD78枚 各巻6000円+税 一巻にCD9~10枚が収納されています。

第一巻  1帖 桐壺~ 8帖 花宴

第二巻  9帖 葵~ 15帖 蓬生

第三巻 16帖 関屋~27帖 篝火

第四巻 28帖 野分~34帖 若菜上

第五巻 35帖 若菜下~41帖 幻+雲隠

第六巻 42帖 匂宮~47帖 総角

第七巻 48帖 早蕨~50帖 東屋

第八巻 51帖 浮舟~54帖 夢浮橋

 

今回はMP3データCD版もあります。

(こちらは音声が圧縮されているので、パソコンやデータ音声対応機器では再生できますが、一般的なオーディオプレーヤー、カーステレオなどでは再生できませんのでご注意ください。)

全五十四帖 CD3枚 10000円+税 

http://www.digigi.jp/bin/showprod?a=66649&c=9784775984390

 

 

オーディオCDの第一巻MP3データCD版をお買い上げの方には特典冊子がついてきます。伊井春樹先生監修の40ページフルカラーの源氏物語ブックレットです!!

【収録内容】
・解説「源氏物語の世界」 伊井春樹
・全五十四帖あらすじ
・人物相関図(第1~3部)

 

パンローリング株式会社にて絶賛発売中ビックリマーク 書店でも取り扱われる予定ですラブラブ

 

本当に多くの方々に支えられて、こうして発売に至りましたこと、心より感謝申し上げます。

ありがとうございます。

 

取り急ぎ、発売のご報告でした。

 

 

このところずっと『源氏物語』のことばかり書いているけれど、いろいろ思うことは、あります。

 

今日は東京大空襲から72年。明日は東日本大震災から6年。

つい最近、ひょんなご縁から熊本県で被災している方とお話しました。

 

こうして自分の生業をさせてもらっていることが、いかにありがたいことか。

 

ささやかな日々の暮らしほど大切なものはないと、最近よく思います。

 

明日も鎮魂の日。

 

3月11日に限らず、そういう日は数え切れないほどたくさんあるのでしょう。

誰もがささやかな暮らしを大切にできる世の中であるように、自分のできることを考えて、行動して、生きたい。

 

その中で、『源氏物語』のことも大切に書いていきたいと、思います。

 

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パンローリング株式会社より発売中ビックリマーク

与謝野晶子訳『源氏物語』 全五十四帖  朗読:岡崎弥保

オーディオCD MP3データCD ダウンロード

 

 

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源氏籠りの日々でしたが、今日は久々に外へ。

 

横浜のとある中学校。

 

被爆者小野英子さんが当時のお話をしてくださると広島のフェイスブック友達から情報をいただいたので、是が非でも聴きたいと出かけました。

 

中学生たちを前に、快活にお話をする小野さん。

想像を絶するほどの体験さえも穏やかに淡々と、そしてずっと立ったまま、生徒たちに語り続けておられました。

 

 

小野英子さんのお父様は全滅した広島二中の一年生を引率していた教師・山本信雄先生です。広島にある二中の慰霊碑にそのお名前が刻まれています。

 

広島二中一年生全滅の記録は「碑 いしぶみ」となって、世に語り継がれています。

この中学校では事前に「碑 いしぶみ」を学習し、その文章を朗読したうえで、小野さんを迎えられたのだそうです。

 

小野さんのお話のあとは、生徒さんたちが作成したという「10万人の顔」と実寸大「リトルボーイ」などを見せていただきました。

 

 

この10万人の顔、いろいろな顔写真を10万人分集めたものです。これだけの人が亡くなった――そのことを実感するために取り組んだのだそうです。10万人という数字だけ言われてもピンとこないけれど、こうして顔をつきつけられると、とにかくもう、何も言えない。

まして作業をした生徒たちが感じたものは、今日の私の比ではないでしょう。

圧巻だった。

 

昨年五月の中国新聞の特集を思い出しました。広島の地形の中に亡くなった方々の遺影が一面にずらりと並んだあの記事。そういえば、これも広島の方から教えてもらったのだった・・・

 

その10万人に囲まれて実寸大のリトルボーイ。

 

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後ろまで精巧に作られています。
 
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小野さんと、今日一緒にお話を聞いた鈴木さんと。

 

 

実は三人とも今日が初対面だったのですが、このあとたくさんお話させていただきました。

 

御縁に感謝ですラブラブ

 

小野さん、鈴木さん、ありがとうございました。

 

そして、部外者をこころよく受け入れてくださった中学校のみなさまにも心より感謝申し上げます。

 

 

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『源氏物語』第五十帖「東屋(あずまや)」

 

この帖は、前回から登場した宇治十帖のヒロイン浮舟(うきふね)のことを中心に、どんどんストーリーが進んでいきます。

 

相変わらず宇治十帖のストーリー展開は早いので、書きたいことが次々とあふれてきてしまい、正直困っていますあせる ホントにおもしろい箇所がたくさんあるんです。すべては紹介しきれないので、興味を持った方はゆっくり読んでみるなり聞いてみるなりしてほしいなぁと思います。

 

さて、この帖ではまず浮舟のことが語られていきます。

そもそも読者は気になっているはずです。大君(おおいきみ)にそっくりだという浮舟はいったいどんな人で、どのような境遇で育ってきたのか・・・

浮舟は、八の宮中将の君(ちゅうじょうのきみ)という女房の間に生まれた娘です。しかし母親の身分が低いため、八の宮は認知せず、その存在は知られていなかったのです。

中将の君は現在は常陸夫人(ひたちふじん)となっていますが、常陸の守(ひたちのかみ)は連れ子である浮舟に愛情を示さず、常陸夫人だけが浮舟をかわいがっているという状況です。

 

で、ここはだいたいさらっと説明されてしまうところなんですが、朗読したらものすごくおもしろかったので、ちょこっとご紹介ラブラブ

 

常陸夫人は地元の貴族・左近少将(さこんしょうしょう)浮舟の婿に決めていたのですが、実はこの男、目当ては常陸の守の財力。浮舟が連れ子だと知ると、さっさと実の娘に乗り換えちゃうんです。その理屈をつけながらもエゴまるだしの感じがおもしろいんです。それから、この左近少将と常陸家を取り持つ男・仲人(なこうど)のご都合主義はかなり笑えます。よくもまあコロッと変わるものです。舌の根も乾かぬうちにとは、こういうことを言うのだなぁ。それを実際にしゃべるのはなかなか愉快なものでした(笑) (←よかったら聞いてみてください、「東屋」の最初のトラックが該当箇所です。)

 

それはそうと、そんなふうに浮舟の結婚がご破算になった常陸夫人は失望し、中の君を頼って浮舟を預けます。

 

ここでまた事件がビックリマーク

匂宮(におうのみや)がたまたま浮舟を邸内で見つけ、すぐさま言い寄ります(さすが手が早いあせる)。急な呼び出しがかかったため、匂宮は思いを遂げることができませんでしたが、そののちも浮舟のことを詮索しつづけることになります。

 

驚いたのは中の君。困ったことになったと思いながらも、匂宮に迫られておびえている浮舟を呼んで、なぐさめます。ここで、ちょっと注目してほしい箇所がありますキラキラ 当時の物語の楽しみ方を知る貴重な描写です。

 

・・・夫人(←中の君)が絵などを出させて、右近に言葉書を読ませ、いっしょに見ようとすると、姫君(←浮舟)は前へ出て、恥じてばかりもいず熱心に見いだした灯影の顔にはなんの欠点もなく、どこもみな美しくきれいであった。清い額つきが匂うように思われて、おおような貴女らしさには総角(あげまき)の姫君(←大君)がただ思い出されるばかりであったから、夫人は絵の方はあまり目にとめず、身にしむ顔をした人である、どうしてこうまで似ているのであろう、大姫君は宮に、自分は母君に似ていると、古くから女房たちは言っていたようである、よく似た顔というものは人が想像できぬほど似ているものであると、故人に思い比べられて夫人姫君を涙ぐんで眺めていた。

 

源氏物語絵巻のこの場面↓ 左側の後ろ向きで髪をとかしてもらっているのが中の君。その向かいに座り、緑の衣服をまとっているのが浮舟。侍女の右近(うこん)はその間に座し、書物らしきものを持っています。

 

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もっとよく見るため、復元図も出してみます。色鮮やかですね音譜
 
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さらに拡大してみると↓

 

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右近が言葉書を読みあげて、浮舟は絵を眺めているのがわかります。

 

当時、物語は聞いて楽しまれていたものなのですね。こういうことが『源氏物語』の中からわかると、とてもうれしいですドキドキ

 

さて、さらに話はますます展開。こちらのほうが大事件です!!

 

さすがにそのまま中の君の所に浮舟を置いておくわけにはいかず、常陸夫人は別の小家に浮舟を移します。

 

それを知ったはさっそく弁の尼(べんのあま)に案内をさせ、なんとその日のうちに浮舟と関係を結び、浮舟を宇治の山荘へと連れてゆくのです。

 

弁の尼でなくともびっくりです!! これまでの優柔不断なはなんだったのか、あまりにも機を逃してばかりだったから、もう後悔のないようにとでも思ったのでしょうか・・・。

それならば納得がいくのですが、おそらくそうではないでしょう。

 

当時の貴族の恋愛で重要なカギを握るのは哀しいことに「身分」です。がこんな強硬に出たのは浮舟の身分が低いからなのです。その日の明け方に宇治の山荘に独断で浮舟を連れてきてしまう(誘拐みたいなものですよね汗)ことからみても、それがわかります。周囲の女房たちが止められるはずもありません。

 

そうして浮舟を伴って、あらためて宇治の地へ足を踏み入れていく

 

ありし世の霧来て袖を濡らしけり わりなけれども宇治近づけば 晶子

 

このときのの様子を与謝野晶子は詠んでいます。宇治の朝霧がの袖をたっぷりと濡らしていきます。

 

姫君(←浮舟)を愛すべき人とは見ているのであるが、秋の空の気配にも昔の恋しさがつのり、山を深く行くにしたがって霧が立ち渡っているように視野をさえぎる涙を覚えた。

(中略)

山荘についたときには、その人でない新婦(←浮舟)を伴ってきたことを、この家にとまっているかもしれぬ故人の霊に恥じたが、こんなふうに対面も思わぬような恋をすることになったのはだれのためでもない、昔を忘れられないからではないかなどと思いつづけて、家へ入ってからは新婦をいたわる心でしばらく離れていた。

 

の心はやはり大君で満たされています。浮舟大君の人形(ひとがた・身代わり)であることがあらためてはっきりとわかります。

 

そしてはしばらく浮舟をこのまま宇治の山荘に隠しておこうと、勝手な考えを持つのでした・・・

 

うーーーん、こうして客観的にストーリーを追ってくると、個として扱われない浮舟に同情してしまいます。

 

その浮舟にさらなる運命が待ち構えています。

 

次の帖も見逃せませんっビックリマーク

 

ということで、つづきます。

 

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パンローリング株式会社より発売中ビックリマーク

与謝野晶子訳『源氏物語』 全五十四帖  朗読:岡崎弥保

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