この紅一点が素晴らしかった!~日本人バンド編~ | C.I.L.

この紅一点が素晴らしかった!~日本人バンド編~

気まぐれですかんちのアルバムを引っ張り出して聞いていたところ、ふと 「紅一点バンドって独特の魅力があるよなあ……」 と、音楽狂いだった10代の頃の記憶がフラッシュバックしてしまった。

オレが10代の頃ってちょうどバンドブームのど真ん中で、オトコもオンナもとにかくバンドバンドと狂ってた時代だったんだけれども、そうした下地があったからなのか、とても魅力的な女性ミュージシャンが多数輩出された時代でもある。

そもそも一昔前はバンドってのは完全なる男(不良)文化で、メンバーが男性のみで構成されているのが普通だったのね。たまに女性がいたとしても、ボーカルやキーボードなどの女性らしいパートにひとりだけってな程度で、ギター・ベース・ドラムなどは男の絶対領域という認識があった……はず。

特に頭の固い自称ロック通なんか、評論家とかも含めて 「オンナにギターが弾けるわけねえじゃんwww」 と言ってた時代だし、とにかくバンドといえば男、それも不良の嗜みだったんだな。

それがバンドブームを経て皆が馴染んだのか、バンドを組んで演奏するという行為に対する世間の認識が 「別に不良じゃなくても音楽はやるだろ?」 というように変わって行き、気付けば普通の女性が普通にバンド活動をするように。

そういう 「不良じゃないバンド」 とか 「普通の女の子でもやれるロック」 を体現して、セールスでも成功してみせた稀有な例がプリンセスプリンセスだったと思うんだけど、こうした流れの中で "男メインのバンドの中に奏者として女性がいる" という形式も普通の光景になって行ったんだな。

というわけで、いつものごとく無駄に前置きが長くなりましたが、オレ様が好きな紅一点バンドをご紹介して参りましょう。

※ちなみに今回はvoとkeyが女性というケースは除外しています。



まずは記事の冒頭で出て来たすかんち。彼らの曲の中で恐らく最も有名だと思われる 「恋のマジックポーション」 のPVである。

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いやなんかもうshima-changかわいいよshima-chang。本名だとヤクザ映画の姐さん役ばっかりやる女優さんみたいだよ。(恐らく岩下志麻と混同されているだけと思われる)

しかしこのPVはすかんちに最も "ハレのパワー" があった頃のイメージが凝縮されてるよなあ。本当は寺西兄さんなんかはこっそり黒い部分を潜ませておくのが好きっぽいんだけど、このPVに関してはアホなアメリカ人が好みそうなキンキラさばかりフィーチャーされてるような突き抜け具合。

そして我らのシマちゃんのルックスも 「これこれ!」 という見事なまでのヒヨコっぷり。子供の頃に縁日で見かけた "買って3日くらいで死ぬカラーヒヨコ" がベースを抱えてるようなもんである。

これですよこれ。この小動物っぽさがshima-cangですよ。そして関西弁という萌えポイント付き。サイコー。むさい連中の中にひとりだけプリプリが混ざってるかのような違和感も含めてサイコー。ギルガメやまんがの森のCMモデルをやってた頃の飯島愛を思わせるルックスだけどサイコー。

やっぱバンドの紅一点ってのは、こういう "勝手にキャラが立つ" って点が大事だよな。

蛇足ながら付け加えて言うならば、オレはベーシストとしてのshima-changも好きだけど、それ以上に声が好きだったんだと。あの声色は凄く魅力があったんだよなあ。特にGOLDってアルバムのSugarSugarBabyって曲が好きでね。うっすらと恐怖を感じる童話のような詩の世界観なのに、曲調はキュートかつポップで、そのギャップが 「うわこえー」 と思わせてくれるステキな曲だっt……(以下無意味に長くなりそうなので略)



で、日本人バンドの紅一点といえばこの人こそ代表格……と、パールのショータを紹介しようと思ったんだが、パールについては前に音楽ネタを書いた時に 「日本のクリッシー・ハインド!」 として散々触れた覚えがあるので今回は割愛。

では誰を取り上げるのかと言うならば、田淵ひさ子なんて言っても滑らかにスルーされそうだし、スーパーカーのミキちゃんですらギリギリのような気がするし……。

それならいっそ思い切ってNightHawksとかどうよ?

NightHawksといえばロック界の石塚英彦こといや、プロレスラーに例えるならノアの森嶋猛いやいや!

えぇ……とにかくでっかい青木秀一と、対照的に小柄で細身の岩下千絵のツインギターという面白すぎるビジュアル。この両者の対比がとにかく見てて楽しい。

だがこのバンドは見て楽しいだけのイロモノではない。メンバーの演奏力がしっかりしており、中でも青木秀一の巨漢を活かしたパワーで押し通すかと思わせて、実は小技もしっかり使いこなすヴォーカルと、これまた身体に似合わぬ細かいテクニックもサラっと見せてくれるギターワークが最大の武器。そしてそこに千絵ちゃんがいい具合に華を添えていると。



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てか青木さんのインパクトが強すぎて他のメンバーが見えないっすよ!!!

いや~久々に見たけどこのバンドのビジュアルインパクトはすげえなあ。190cm↑100kg↑の青木秀一の横に、身長150cm台であろう千絵ちゃんが立つと、例えるならばビグラングの横にたたずむオッグのよう。(MSイグルーファンにしかわからない例え)

演奏力もあるし、歌も上手いし、正統派のハードロックだし、なのに何故か笑いがこみ上げてくるというネジレは、このバンドにしかない魅力だと思う。

基本的にヴォーカル&ギターである青木秀一がフロントに立つ訳で、必然的に千絵ちゃん達は一歩下がる構図になるんだけど、そうすると遠近法とかなんとか考える以前に異空間が広がってしまう。画面一杯の青木秀一と、かすかに見切れる他のメンバー。ツインギターなのにウクレレとベースに見える摩訶不思議な世界。

青木・千絵が肩を寄せ合ってギターソロを弾くシーンなんて、ロシアの民芸品マトリョーシカの分解図のようである。(もしくはゴーディアン)

やっぱり紅一点てのは小柄ってのもポイントなのかもしれんな。(自然と他の男性メンバーと差別化できる訳だし)


で、なぜ比較的メジャーなすかんちの後にナイトホークスを持って来たかというと、そりゃもう武内志摩と岩下千絵を合わせて岩下志麻……



ほんとごめんなさい。



いやね、このネタは当時オレの周囲のロック好きなヤツらが好んで使ってたネタなんですよ。「すかんちのシマとナイトホークスのチエがユニット組んだら岩下シマだぜ!」 って。


ほんと重ね重ね申し訳ない。


こんなクソどうでもいいネタで話を〆る訳にもイカンので、オッサンなりに頑張って比較的最近の人達も取り上げてみようか。



まずオレでも知ってる比較的最近の紅一点といえば、マキシマムザホルモンの姉のひと。ちなみにオレと同い年なのに未だにダカダカと太鼓を叩いていらっしゃる女傑。この人を見ると何故かSuper Junky Monkeyが頭に浮かぶオレはきっともうジジイ。



むつみぃ……。

てかSJMは紅一点でも何でもなかった事に今気付いたが、そのあまりの可能性と、MUTSUMIの早すぎた死と、それによって引き起こされたとんでもなく大きな喪失感が忘れられず、オレ様はひとりPCモニタの前でヘッドバンギングしてみたんだが、首を振ってたはずなのに腰が鈍い音を立てたので少し冷静になってみよう。

それにしてもMUTSUMIって普通に美人なんだよなあ。このバンドが出て来た時って凄い衝撃的だったんだよなあ。いや~ほんと惜しいわ。hideとMUTSUMIだけは未だに納得いかないわ。


なんか激しく湿っぽくなってしまったので話題を変えるが、というか元に戻すが、最近の人でオレが注目している紅一点というとBase Ball Bearなんか可能性を感じさせるかなと。関根史織の微妙に田舎臭くてアカ抜け切らない感じがその筋のマニアにはたまらないものがあるんじゃないかなと。



関根嬢の微妙な萌えっぷりはさておき、実はこのバンドって曲の幅が意外と広くて、この曲なんか最近っぽいノリではあるけど、所々ヤケに80年代バンドっぽいニュアンスがあったりして面白い。確信犯なのかどうかわからんが、もう2年くらい続けてこなれたら (オレの中で) 大化けするかもしれん。



そんでもって凛として時雨なんかも面白い。BJC以降確実にシェアのある3ピース轟音系で、演奏開始直後は 「おお!イキのいいのきたね!」 と思える。

が、ヴォーカルが歌い出すと同時にズコーっとなる落差が熱い。さすがわかってらっしゃる。この上げて落とす感じはアリですよ。(言ってみりゃベンジーもその系統だし)

こういう下手するとジュネ(オートモッド)路線に傾いてしまいそうな危うさのあるヴォーカルって好きなんだよなあ。思えばこういうスタイルって、その昔ニューウェーブ系と呼ばれてた人達に多かった記憶があるよ。雰囲気ヴォーカルというか変態系ヴォーカルというかなんというか。

で、TKのヴォーカルに加えて紅一点の345の方もヒステリックにキンキン声を張り上げる場合が多く、変態系ヴォーカルと女性の金切り声の織り成すハーモニー。そしてバックは轟音。これは飛べる。どんだけ拷問やねん。


というわけで、今回もまた無駄に、そして無計画にダラダラと長くなってしまいましたが、ガールズバンドもいいけど紅一点もステキだよねって事が伝わればこれ幸い。

やはりポイントは違和感(ビジュアル) とギャップ(演奏力) で、それがキュートとかセクシーに変換される瞬間があるんだよね。そしてその女性のスペック以上に美しく見えると。恐らくそこが紅一点の萌え要素。女だけが使える魔法。言ってみれば詐欺。


あーーーなんだか久々に面白そうなバンドの新譜を買い漁りたい気分になってきた。なんせ老化進行中のジジイなもんで、積極的にバンドを追い続けるってのは厳しいんだが、せめて手元に音源を置いて若ぶりたい。

やはり定期的に音楽ネタをアップして、気分だけでも若返ってみるのも悪くないな!


……ところで精神年齢4歳、肉体年齢64歳、平均して34歳というのがオレ様の正体なんだが、これ以上心だけ若返ってよいものなのだろうか?